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セレッソ大阪vsFC東京〜脅かしていけ〜[YBCルヴァン杯グループE第1節]

はい。唐突に初のルヴァン杯レビューです。

昨季はそもそも視聴環境がなかったのでリーグ戦のみのレビュー投稿でしたが、今季は見たい欲を抑えきれずにスカパー契約。それだけ今季のFC東京には楽しみな若手が多いのです。ただ月額が高え。当分の間、贅沢は柿ピー半カケラでやっていきます。それでもFC東京のためにと豪遊。

ということでルヴァン杯のレビュー。全試合やるかは分かりませんが、リーグ戦同様こちらもよしなに。

ここから本題。FC東京はグループE。同組にはセレッソ大阪、ガンバ大阪、京都サンガF.C.の3チーム。FC東京以外は全部関西のチームというサポーターの財布を削ってくる組み合わせ。

初戦はアウェイでセレッソ大阪戦。関西ツアー1発目です。

試合概要

メンバー

・セレッソ大阪
リーグ戦で未だ勝利のないC大阪。直近の浦和戦からはキムジンヒョンと上門以外はスタメンを変更。松田は今季初出場。そして香川は復帰後初のスタメンとなった。

・FC東京
京都戦からは10人変更したFC東京。東は全試合スタメン継続。野澤、徳元は今季初出場。そして16歳の佐藤がスタメンでプロデビュー。16歳ということは高校1年生。凄すぎる。俺なんかクラスで陰キャ極めてたのに、、

(1)噛み合わせをズラすSH

FC東京はメンバーが変わってもC大阪の保持に対して高い位置からプレス。WGの俵積田とレアンドロがCBとSBの間に立ち、CFのペロッチがCB間を切りながらCBに寄せていく。

対してC大阪はCBにGKのキムジンヒョンを加えて後方3枚でビルドアップ。これでCB間を切られても、GK経由で逆のCBまで届けることができるため、ペロッチの守備は無効化された。ただ、WGがCBまで出ていける位置に立っていたため、C大阪はそれ程左右にボールを動かすことができない。

ということでC大阪はGKからのフィードで前進を狙っていく。試合立ち上がりの配球先として多かったのはSBの松田と舩木。CBまで出てくるFC東京のWGの背後にいるSBまで送って前進を図る。特に右の松田へ送ることが多かった。

1本目のフィードでは綺麗に松田へとパスが通り、そのまま敵陣まで侵入することができたC大阪。しかし、その後は徳元がしっかり前に出て対応したことで、松田まで届いても戻される場面が増えてくる。

SBのところで止められがちになると、次の配球先として狙いとなったのが中盤。C大阪は保持時に原川がアンカー役、香川と喜田がIHのような逆三角形の中盤へと可変する。これに合わせてFC東京は佐藤をトップ下で頂点とする三角形の中盤となる。

このままだと中盤のマークは噛み合った状態。そのため、C大阪は香川や喜田がアンカー役の原川と横並びになったり、SBへのフィードをチラつかせて東と寺山の意識を外に向けるなど、マークを外す工夫を凝らしてくる。

その中でも特に有効だったのがSHが4人目として現れるパターン。SBがサイドに張り、中央にスペースを作る。そしてSHの上門と中原が内側レーンに降りてきてキムジンヒョンからのフィードを引き出す。これでFC東京のマークは噛み合わなくなった。

31分00秒

ここのSHに徳元やエンリケが引き出されたら、その背後を取って引っくり返す。FC東京はこのSHへの対応に手を焼いた前半だった。それにしても中盤に正確にパスを通してくるキムジンヒョンのフィード力は相変わらず脅威的である。

(2)岡山からきた男

一方でFC東京の保持。

FC東京の保持に対して、C大阪は4-2-3-1で対応する。トップ下の香川が東を監視、CFの加藤がCB間を切りながら寄せてサイドを限定する。

エンリケはこの加藤のプレスによって、ボールを持ちながら外へ外へと追い出される場面が多かった。その結果、左サイドは狭くなり、選択肢がなくなる。徳元や寺山に届いた時点では既に相手に囲まれていた。

そしてエンリケがサイドに追い出されることで木村とのCB間の距離が広くなる。エンリケがサイドに追い出されて、パスを出した先で引っ掛かり、広がったCB間で加藤がパスを引き出してカウンター。この形で何度かピンチを招いた。

相変わらずビルドアップが上手く機能しない今季のFC東京。その中でも良さを見せたのが移籍後初出場となった徳元悠平である。

左SBの徳元は内側に立つことが多くなる。この徳元の立ち位置で右SHの中原を内側に止める。これでエンリケからサイドに張る俵積田へのパスコースを作り出す。そして、俵積田へパスが出たら、ポジションを上げて右SBの松田へ影響を与える。松田は俵積田の守備に出ていくことができなくなる。徳元の気が利いた動きで俵積田は前向きでパスを受けて、サイドで仕掛ける環境ができた。

18分50秒

ペロッチの決定機も徳元が松田を内側に寄せたことで俵積田が中原と1対1になった。その後、遅れて松田が守備に出ていったことで俵積田は入れ替わり、サイドを抉ることができた。2人を突破したというよりは、中原を突破して、その後遅れてきた松田を交わしたといった感じ。

徳元の気の利いた動きで俵積田はサイドで躍動。徳元-俵積田の関係は凄く良さそうだ。

(3)どう守るのか

後半。FC東京は東に代えて小泉を投入。これはプレー時間を調整する交代でしょう。

C大阪は保持時に前半と違い原川と喜田のCHが横並びになる感じ。これでFC東京のIHがどちらも前にマークを捕まえに来たら、その背後のアンカー脇に現れる香川と加藤にボールを送っていく。

これに対してFC東京はぺロッチと佐藤が前線2枚の4-4-2気味になってCHを背中で消すことで対応。その分、ビルドアップ隊にプレッシャーがかかりにくくなり、C大阪は保持の時間を増やしていく。

保持で時間を与えられたC大阪は前に急ぐことはなく、バックラインとGKでボールを動かす。この揺さぶりでFC東京の2トップとWGを誘い出し、プレスに出てきたら、空いたCHやサイドから前進していく。FC東京のCHは2トップに続いてC大阪のCHを捕まえに行こうとする振る舞いを見せる。しかし、C大阪のCFやトップ下の選手に脇や背後をチラつかせられて、捕まえに出ていくことができない。

26分10秒

ミドルサードで構える時のFC東京の守備はどう守るのか?がフワッとしている感じ。基本的には人を捕まえにいくようには見える。ただ捕まえる人が重なってフリーの選手を作ってしまったり、捕まえに動いたことでできたスペースに現れる人が全然捕まらなかったり。上手く守れているとは言えない。

特に右のハーフスペース、アンカーの右脇のエリアは空きがち。原川がアンカー役になった時に佐藤が捕まえにいくためである。右WGがレアンドロなため、ここのスペースを埋める役割も期待できない。

それでもラストの局面のところで耐えていたFC東京だったが、80分に失点。ロングボール1発で中盤のラインがひっくり返されてゴール前へ。奥埜のパスに抜け出したレオセアラがゴール前へ折り返し。最後はカピシャーバが押し込んだ。野澤は飛び出したなら身体に当てて欲しかったし、中村のゴールへのカバーも僅かに遅れた。C大阪の出足が1歩上回った形。

決定機は何度か作り出したものの、シュートが枠に飛ばなかったFC東京。ルヴァン杯は黒星スタートとなった。

おわりに

これで公式戦2連敗。リーグ戦と同様にビルドアップが機能せず。未だ改善の兆しは見られない。

まあチームの成長具合はリーグ戦の方で見ていけば良いとして。ルヴァン杯では個人の方に焦点を当ててみる。

この試合で良さを発揮したのは徳元と俵積田の左サイドコンビ。徳元は内側レーンで相手に影響を与えて、WGが仕掛けられる環境を作り出した。ただ、佳史扶のように強引に相手を剥がすようなことはできないので、今のチームだと良さを出し切れない感もある。佳史扶とは違う良さがあるので、WGのタイプなどで使い分けられるのは大きいが、いかんせん今季の佳史扶はパフォーマンスが良いのでベンチに入れるか、、ベンチ枠増やせ!

そして俵積田は既に攻撃の中心。保持型のチームにおいて、引かれた時に個で崩せる選手は貴重である。デゼルビブライトンの三笘がそうであるように。この試合でも決定機を演出した。

ルヴァン組にとっては大事なアピールの場。ここでレギュラー組を脅かせなければ、チームとしても成長はない。ペロッチはあのシュートは決めないと。くまちゃん帰ってきたらポジション取られるぞ。

試合結果
2023.3.8
ルヴァンカップ グループE第1節
セレッソ大阪 1-0 FC東京
ヨドコウ桜スタジアム

【得点者】
セレッソ大阪
 80' カピシャーバ

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