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ポルトガルvsドイツ~大量得点に繋がったドイツの戦術~[ユーロ2020]

ユーロ2020の試合分析第3弾はポルトガル対ドイツの一戦です。

勝てば決勝トーナメント進出が決まるポルトガルと初戦を落とし後がないドイツの試合は思わぬ大差がつきました。早い時間にポルトガルがカウンターから先制点を奪いましたが、その後ドイツが2点を返して前半の内に逆転。さらに後半2点を加えて、終わってみれば4-2とドイツの大勝でした。

この記事ではドイツが大量4得点を決めることができた理由を解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

試合概要

メンバー

得点
ポルトガル
 15'(1-0)C.ロナウド
 67'(2-4)ジョタ

ドイツ
 35'(1-1)オウンゴール
 39'(1-2)オウンゴール
 51'(1-3)ハヴァーツ
 60'(1ー4)ゴゼンス

1.ポルトガルの守備の形

ドイツの戦術について解説する前に、ポルトガルの守備の形を簡単に解説します。ポルトガルは4-5-1の形で、ドイツが低い位置でビルドアップをしている時には中盤の5人も前に出てプレスをかけます。しかし、ハーフウェーライン付近までボールを持ち運ばれた時には、4-5-1の守備ブロックを作り、中盤を厚くして、自陣に引いて守りを固めます。この時、中盤の5人はほとんど前に出てプレスをかけることはしません。このような形でポルトガルは守備をします。太字の部分がこの後のドイツの戦術の解説で重要なポイントになるので、頭の片隅に入れて続きも読んでみてください。

2.ポルトガルの欠点を突いたドイツ

ここからは1で解説したポルトガルの守備をドイツがどのように攻略したのかを解説していきます。ドイツはポルトガルの4-5-1の守備ブロックでは抑えられないスペースを狙い、得点に繋げました。そのスペースは下の画像の○の部分です。

両サイド、ポルトガルの4バックの脇のスペースには両WBキミッヒ(6)ゴゼンス(20)がタッチライン際まで開いてポジションを取りました。ドイツの3トップハヴァーツ(7)ニャブリ(10)ミュラー(25)が中央で高い位置を取ることでポルトガルの4バックが中央に寄るため、サイドにはよりスペースができました。
このサイドのスペースにはポルトガルの中盤の前のエリアからパスを配球します。このエリアにはプレス強度の低いC.ロナウドしかおらず、中盤5人もほとんどプレスに出てこないため、ほぼノープレッシャーでパスを配球できます。ドイツの3バックと2ボランチにはクロースやフンメルスなど配球力に優れた選手が揃っており、サイドに正確なパスを通すことができます。このようにドイツは2つのスペースを有効活用し攻撃を展開しました。つまり、ドイツは最も守備の厚い中盤を省略することでポルトガルの守備を攻略できたということです。

17:15

3.最後まで修正出来なかった問題点

最もポルトガルの脅威となっていた存在は左WBのゴゼンス(20)です。ゴゼンスの上がりにポルトガルの右SHがついて行くことが出来ずに何度もピンチを招きました。この試合ではベルナルド・シウバ、R.サンチェス、ラファ・シウバの3人が右SHで出場しましたが、全員ゴゼンスを抑えることは出来ませんでした。

フェルナンド・サントス監督は後半頭からベルナルド・シウバを下げてR.サンチェスを投入しました。この交代はゴゼンスを抑えるためのものだと思いましたが、51分の3点目のシーンでは全くゴゼンスについていけませんでした。その後、58分から出場し右SHに入ったラファ・シウバも4点目のシーンでゴゼンスのマークを外してしまいました。結局ポルトガルは最後までこの問題点を修正出来ず、ゴゼンスは全得点に絡む形となりやられたい放題となってしまいました。

wowowのハイライトなかったんだけど

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