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FC東京vs名古屋グランパス~おかえり健太さん~[Jリーグ第2節]

コロナウイルスの影響で延期となっていた第2節の名古屋グランパス戦。その名古屋を率いる監督は長谷川健太。FC東京に、FC東京サポーターに多くの興奮、喜び、悔しさ、そしてタイトルをもたらした健太さんが味の素スタジアムに帰ってきた。

それだけにこの試合はFC東京にとって特別な試合だ。名古屋に、健太さんに勝つ!

試合概要

メンバー

・FC東京
前節の札幌戦はなかなかチャンスを作り出すことができずに0-0。これで2試合連続のスコアレスドローとなった。その前節からのスタメン変更は左WGの渡邊をアダイウトンに変えた1枚のみ。最近WGの組み合わせいじってるね。

・名古屋グランパス
前節の鹿島戦はFC東京と同じく0-0。8試合で7得点と得点力に苦しんでいる。しかもその内3点はオウンゴールらしい。スタメンは森下、金崎を吉田、柿谷に変更。健太さんって3バックのイメージないね。FC東京の時やってたっけ?

前半

(1)健太さんの東京対策

 アルベルさんのFC東京と健太さんの名古屋グランパス。ということで立ち上がりからFC東京がボールを保持する展開。名古屋は、健太さんはFC東京対策に左右非対称の守備を準備してきた。

 名古屋の2トップ、マテウスと柿谷の役割はCBの森重と木本、アンカーの青木に対する制限。2枚の内1枚が青木のマークにつき、残りの1枚がCBにプレスをかける。しかし、これだと2対3の数的不利となる。そのため、木本が空いた時には左CHの仙頭を一列押し上げて3対3の数的同数とした。また、CBへは内側からプレスをかけてSBへと誘導する形。この守備はFC東京にはかなり有効。

 サイドに誘導してからは左右非対称なのでまず左サイド(FC東京の右サイド)から。仙頭が木本にプレスをかけてSBの長友へと誘導したら、WBの相馬が縦スライドでプレスに出てくる。また、左CHの仙頭を一列挙げているため、その裏にはスペースができる。そのスペースへ長友のサポートに降りてくるIHの安部には中CHのレオシルバがピッタリとマークにつきパスを通させない。3CHの中央からこの位置まではかなり距離があるにもかかわらずに、マークを外さずについてきていたので仙頭、相馬、レオシルバの守備の連動はかなり意識されていたと思う。

 FC東京としては安部とレオシルバのところを上手くひっくり返すことができれば、13分の場面のように一気にチャンスにつながる。しかし、奪われると逆にカウンターで一気にピンチとなる。後ろ向きでボールを受ける安部と前向きで守備をするレオシルバでは奪われるリスクの方が高いため、長友は安部を使うことができなかった。

 この試合に限らず、FC東京のビルドアップは4-1の形(4バックとアンカー)になるため、青木は真ん中にいることが多い。SBにボールが渡った時には青木までの距離が遠くパスを通せない状況になる。また、IHは高めの位置を取るため相手のCHにマークにつかれやすい。そして4枚でのビルドアップではSBの位置が低いため、CFまでの距離も遠い。これによって選択肢がなくなり前線にアバウトなボールを蹴らされてしまうのが今のFC東京の問題となっている。

 次に右サイド(FC東京の左サイド)の守備。右サイドと大きく異なるのはWBの役割。長友まで出てきた左WBの相馬に対して、右WBの吉田は前には出ずにWGのアダイウトンにマークにつく。普段は左の吉田を右に回してマンマークにつけたのはアダイウトンの怖さをよく知ってる健太さんだからこその采配かな。

 吉田が前に出ていかないため、代わりに小川へは右CHの稲垣が対応する。しかし、仙頭を一列上げている状態で稲垣まで出してしまうと中盤がスカスカになるし、勢いよく出てそれに連動して仙頭を戻すのは負担が大きすぎる。そのため、小川へのプレスは長友に比べたら緩く、FC東京は左サイドからは簡単に前進でき、小川には時間が与えられていた。

 これによって前半のFC東京は左サイドからチャンスを作る。時間を与えられた小川がボールを運んで稲垣を引き出す。そして空いたライン間のスペースに松木が顔を出したいところだったが下がりすぎていたり、稲垣の陰に隠れている場面が多い気がした。

 ここのポジショニングは今後の課題として置いておいて、名古屋はライン間を取る松木に右CBの中谷を前に出して対応する。そこでFC東京が狙っていたのが前に出てくる中谷の背後。この背後のスペースに右サイドの安部や永井がレーンをまたいで斜めに走り込む。

 17分20秒の場面。アダイウトン(小川とアダイウトンが立ち位置を入れ替えている)がボールを運び稲垣を引き出す。それにより空いたライン間を松木が取り、中谷を引き付ける。そして右IHの安部が斜めに走り込んで中谷の背後を取り、アダイウトンから素晴らしいパスが出てきた。

 この形は狙い通り作ることができていたものの、中CBの藤井のカバーリング範囲がかなり広く、ギリギリのところで止められてしまった。初めて見たけどいい選手ですね。

後半

(2)サイドでの崩しの形

 前半は右サイドからの攻撃が多かったFC東京だが、後半は左サイドを攻撃の中心に変えた。稲垣を引き出したところから崩しに行きたかったのだろう。

 サイドで小川-アダイウトン-松木で三角形を形成しながらそこに安部やディエゴも絡み、名古屋の守備ブロックを崩しにかかる。(1)でも書いたが、ライン間の松木は稲垣に背中で消されていることが多い。そのため、小川→アダイウトンと経由してライン間を取る。前半は吉田のマークにつかれているからか小川からアダイウトンへのパスはあまりなかったのでこの形は作られなかった。

 ちなみに前半の右サイドの攻撃ではこの三角形を上手く作ることができていない場面が目立った。サイドに張る選手、右サイドだと永井か長友がボールを持った時に隣のレーンにいる選手の距離が遠かったり、相手の陰に隠れていることが多い。

 例えば16分の場面。サイドに張る永井が木本からパスを受けたが、隣のレーン(図の〇のエリア)でパスを受ける選手がいなくなっている。長友は相馬の陰になっていて、安部は距離が遠い。

 この〇のエリアでパスを受ける選手がいれば、永井とのワンツーでサイドを崩すことや、丸山を引き付けて背後を取ることも可能になってくる。

 この場面に限らず右はサイドに張る選手が孤立することが多い印象。逆に後半の左は立ち上がりの46分45秒のように上手く崩しかけていた。あとは技術がついてくれば得点に繋がるだろう。

おわりに

3試合連続の0-0。最初の壁にぶち当たっている段階だ。ただ、チームが始動してまだ3ヶ月程度しかたっていない。

そんなにすぐに目的地につく旅ではない。
そんなにすぐに目的地につく旅はつまらない。
いくつもの荒波を乗り越えて遠くの目的地を目指すのがFC東京の旅だ。

そして健太さんおかえり。改めて4年間ありがとうございました。

決着は後半戦に持ち越しだ。

試合結果
2022.4.20
FC東京 0-0 名古屋グランパス
味の素スタジアム

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