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アラベスvsレアルマドリード~ジダンマドリーからの変化~[ラリーガ第1節]

ついに開幕した21-22シーズンのリーガエスパニョーラ。今回はアラベスvsレアルマドリードの分析です。

ジダンが辞任、そしてセルヒオラモスとヴァランが退団し、アンチェロッティの下で新たな時代を迎えたレアルマドリード。初陣となった開幕戦のアラベス戦は4ー1で快勝しました。前半は上手くいかずに0ー0で折り返しましたが、しっかりと修正をして後半に4ゴールを決めました。また、この試合の中でジダンマドリーからの変化が随所に見られました。

この記事ではこの試合で見られたジダンマドリーからの変化について解説していきます。ぜひ最後までご覧下さい!

試合概要

メンバー

得点
アラベス
 65'(1ー3)ホセル

レアルマドリード
 48'(0ー1)ベンゼマ
 56'(0ー2)ナチョ
 62'(0ー3)ベンゼマ
 90+2'(1ー4)ヴィニシウス

(1)自由の与え方の変化

レアルマドリードは特殊なクラブでカチッとした戦術や規則は必要としておらず、選手に自由を与えた方が上手くいくクラブです。ジダンもアンチェロッティももちろんそれを理解しているため選手に自由を与えていますが、その与え方に違いがあります。

まず、ジダンマドリーの攻撃面における選手の自由度は非常に高くなっていました。それによって良い影響が出ることもありますが、良くない影響が出ることも多いです。特に良くない影響が出るのがポジショニングの面です。選手が自由に動くため攻撃の中でいるべき場所に人がいない、またはポジションが被ってしまうなどの問題が頻繁に起きます。

下の画像は昨シーズンのリーガエスパニョーラ第37節ビルバオ戦の場面です。ここでは中央でベンゼマ(9)とロドリゴ(25)のポジションが被ってしまっています。逆に左のハーフスペースには誰もいなくなっています。ベンゼマとロドリゴのどちらかがここにポジションを取っていれば左サイドでボールを持っているアセンシオ(11)と近い距離での連携が可能ですが、いないため簡単にクロスを入れて跳ね返されました。このような選手のポジショニング面でジダンマドリーは問題が生じることが多くありました。

対してアンチェロッティは規則の範囲内で自由を与えます。アラベス戦でのレアルマドリードはポジションを入れ替えながら攻撃しました。ここまでは昨シーズンと同じですが、完全に自由というわけではなく、5レーンに必ず誰かがいる状態を作るという規則があります。アンチェロッティマドリーの昨シーズンからの変化の1つとして両WGが中に絞ってプレーすることがあげられます。この時、仮に左WGのアザールがハーフスペースからサイドにポジションを変えた時には代わりに左SBのアラバか左IHのモドリッチがハーフスペースにポジションを取ります。また、CFのベンゼマがサイドに流れて来た時にはWGが中央にポジションを取ります。下の画像のように5レーンに人がいる状態を保ちながら流動的にポジションを入れ替えることで、相手の4-4-2の守備ブロックの間にポジションさを取ることができ、昨シーズンよく見られたいるべき場所に人がいないなどの現象が起きづらくなります。

(2)カゼミロの役割の変化

もう1つの違いはカゼミロに与えられた役割です。

下は昨シーズンのリーガエスパニョーラ第37節ビルバオ戦でのカゼミロのヒートマップです。

このデータからわかるようにジダンマドリーでのカゼミロは攻撃時にも広範囲に動き回り、時には相手のPAまで侵入します。カゼミロが攻撃参加して得点に絡む場面を覚えている方も多いと思います。

対して下はアラベス戦のカゼミロのヒートマップです。

昨シーズンよりも中央でのプレーが多くなっているのがわかります。実際この試合ではカゼミロが高い位置を取る場面は無く、中盤でどっしりと構えていました。カゼミロを中盤に固定することで中盤に人がいなくなることを防ぎ、相手の中央からのカウンターを潰すことができます。16分50秒のアザールのシュートの場面(ハイライトの30秒から見れます)のようにカゼミロが素早く中盤でボールを奪い返し、再び攻撃に繋げるプレーが多く見られました。ジダンマドリーから最も役割が変わった選手はカゼミロかもしれません。

この試合のハイライトはこちらから↓

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