なでしこジャパンvsオーストラリア~東京五輪に向けて残した課題~[親善試合]
男子だけではなく女子サッカーの勉強もしよう!ということで今回は初のなでしこジャパンの試合分析です。
東京オリンピック前最後の試合となったオーストラリア戦は岩渕選手のPKによる得点で1ー0と勝利しました。危ない場面もあり、100点のできとはいえなかったかもしれませんが、なんとか勝ち切ってオリンピックに臨むことができます。
この記事ではオーストラリアの守備とそれを攻略した日本の攻撃。そして日本の守備の不安な点について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!
試合概要
メンバー
得点
日本
54'(1ー0)岩渕 真奈
1.オーストラリアの守備組織
オーストラリアのフォーメーションは3ー4ー3、守備時には5ー2ー3となります。ここでスペースができるのは中盤の2の両脇の部分です。このスペースで日本がボールを持った時には、オーストラリアはWGを下げるのではなく、WBが前に出て行ってスペースを埋めます。WBが出て行った場合は、残りのディフェンス4枚がスライドして、全体のバランスを保ちます。オーストラリアの守備は全体の意思統一が取れていました。
2.オーストラリア攻略法
この守備を攻略するのに狙い目となるのは吊り出したWBの背後のスペースです。1で解説したように中盤2枚の脇で日本がボールを持つとオーストラリアはWBが前に出て対応してきます。この時残りのディフェンス4枚のスライドが間に合わないと、WBの背後にはスペースができます。
6分45秒の場面では右SBの清水(2)が中盤の脇でボールを受けることで左WB(13)を吊り出します。ここでファーストタッチでWBを外して右サイドに張った塩越(13)にパスを通してクロスまで繋げました。
日本が少しもったいないと感じたのはSBの立ち位置が低い場面が何度かあったことです。SBの立ち位置が低すぎると、WGが対応できるようになるため、WBを吊り出せなくなります。立ち位置をあと数歩前にするだけで解決する問題ですので周りの監督や選手で修正してあげれば、より良い攻撃に繋がったと思います。
3.日本の守備の意思統一
この試合で日本はサイドからの攻撃でピンチを招く場面が多く見られました。日本は2トップに対してオーストラリアは3バックであるため1枚余る状況となります。この余った1枚に対して、日本はSHが出て行く時と出て行かない時があります。ここでの問題はSHが出て行った時に後ろが連動していないことです。SHがCBまで出て行くとマークのズレるため、後ろもスライドしないとSHがついていたWBがフリーになります。日本の選手のレベルであれば、チームでSHが出る時と出ない時の意思統一ができていれば、後ろも連動してスライドできるはずです。それこそオーストラリアの守備陣のように。これができていない場面があったのでチームとしての約束事がないように思いました。(もちろん内部のことはわからないので断言はできませんが。)
実はこのようにSHが出て行く場面は前半はほとんどなく、リトリートで守ることができており、オーストラリアにチャンスを作らせませんでした。しかし、後半あたりからSHやボランチが前に出る場面が増え、そこを外されてゴール前まで運ばれることが増えました。これが高倉さんの采配による変化なのであれば、かなり危ない匂いのする采配にでした。
この試合のハイライトはこちらから↓
あと少しで東京オリンピック開幕🗼
レポートが思ったより早く終わりそうだったので予定より早く復活しました。
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