僕はお笑い芸人でありたい【#なぜ私は書くのか】
最初に断っておくと、僕はお笑い芸人ではない。
70代のおじいちゃんたちと一緒に、刈払機をヴィーヨンヴィーヨンする、ただの草刈作業員である。
しかし、それを一生続ける気はない。
夢はある。
書く仕事がしたい。
書くことを生業にしていきたい、というのが、現状の夢というか目標になっている。
なぜか。
そう問われると、答えに悩む。
僕はなぜ、書く仕事がしたいのだろうか。
少なくとも「書くことが好きだから」ではない。
いや、書くことは好きなのだけれど、主たる理由にはならないと思う。
そもそもの話、なぜ書くことをしているのか。
noteを始めたきっかけは、自分の気持ちをぶちまけたいからだった。
当時勤めていた職場でほとんどしゃべらない(聞き役に徹する)ことが多く、それがめちゃくちゃストレスになっていたのだ。
おしゃべりは得意ではないが、嫌いでもなかったらしい。
その職場を退職し、自分のこれからの道を模索していた2023年1月、「Webライター」という選択肢に出会った。
Webライティングを学んでいくうちに、書くことの楽しさに気づいた。
書くことが楽しくなってくると、noteにも力を入れるようになった。
自分の思考をアウトプットしたり、過去の失敗エピソードをおっぴろげたり、エッセイの魅力を知った。
エッセイを書いていくうちに、コンテストに応募するようにまでなった。
そして、初めて応募したコンテストで入賞してしまった。
noteのコンテストでも入賞してしまった。
ますます書くことが楽しくなった。
書くことが、生活の一部になった。
そうしているうちに、2024年4月23日になった。
note最大のコンテスト「創作大賞2024」が始まったのだ。
僕は書いた。
とにかく書いた。
ご飯を食べるように書いた。
ウンコをするように書いた。
エッセイだけではない。
初めて中編小説を書いた。
初めて漫画原作を書いた。
気づけば7月23日が終わり、創作大賞2024の応募期間が終了した。
合計で100もの記事を書いていた。
そして、気づいた。
note界がモリモリに盛り上がっている中で、僕は気づいた。
僕が書く理由。
それが少しわかった気がしたのだ。
僕は、人を笑わせたいんだ。
考えてみれば、今までの人生とも辻褄が合う。
誰かと話すときは、ウケを狙いに行きがち(そしてスベりがち)。
たまにウケたときは、内心ガッツポーズしがち。
noteでもそうだ。
エッセイでも小説(創作の物語)でも、自分が面白いと思うことを自分なりに書く。
その結果、「面白かった」とか「めちゃくちゃ笑った」とか感想をいただくと、とても嬉しくなる。
これかもしれない。
これが、僕が書く理由なのかもしれない。
「笑い」というものには、正解がない。
同じものに触れても、笑う人と笑わない人がいる。
すべての人を同時に笑わせることは、非常に難しい。
僕にできることは限られている。
僕が笑わせられる人は限られている。
その限られた人だけでも、なんとか笑わせたい。
では、僕が笑わせたい、その限られた人とは。
僕は、ちょっと疲れている人を笑わせたいんだと思う。
仕事から帰ってきてくたくたのときに、クスッとしてしまうような文章。
張りつめていた気持ちを、軽くするような文章。
そういうのが書きたいんだ。
めちゃくちゃ疲れている人ではないのは、優先度の問題。
そういう人は、スマホ見てないで寝てください。
笑わせたいのは、善意というより承認欲求だ。
誰かを笑わせることで、自分の存在意義を少しでもその場に残したい。
そういう気持ちが強いと思う。
そして、口下手な僕の武器は、トークではない。
文章だ。
リアルタイムで次々に流れるトークではなく、一つひとつ確実に文字を刻んでいく方が、僕の性に合っている。
しゃべるのが苦手な僕は、お笑い芸人にはなれない。
けれど、いや、だからこそ、
お笑い芸人のような書き手になりたいんだろう。
お笑い芸人のような書き手でありたいんだろう。
だから僕は、書き続けているんだろう。
本記事は、藤原華さんの企画「なぜ、私は書くのか」の応募作品です。
創作大賞に夢中になりすぎてスルーしかけたのですが、落ち着きを取り戻したので応募させていただきました。
「なぜ、私は書くのか」。
とても難しい命題で、今でも「たぶんこうだと思う」くらいぼんやりしたものなのですが、現状の自分なりの答えを書きました。
この記事を書く上で大きなヒントをくれたのが、尊敬するエッセイストの斉藤ナミさん。
「『笑わせたい』気持ちはどこから来るのか」という記事がとても参考になりました(リンク貼らせていただきます)。
物書きとしてはまだまだ未熟ですが、今回書いたこの記事を「立ち止まって振り返る原点」のようなものにして、今後も書き続けていこうと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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