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ジェンダー講座を受講して気づいたこと


日本は、未だにジェンダーギャップは下から数えた方が圧倒的に早い位置にいるのは、多くの人が知っていることだと思う。
最近はCMでジェンダーの観点から炎上したり、選択的夫婦別姓、同性婚、女性管理職比率などジェンダーに関するニュースが増えた。
でも実際に本当にそれを自分事化できている人は少ないのではないだろうか。

ここでは私が4月から全10回女性のためのジェンダー講座 知識編を受講した結果、どういう気づきがあったか、どういうことを得たかを3つほど書きたいと思う。

大学でもジェンダーやアメリカ女性史を学んでいたが、正直ジェンダーについて発信することはあまりなかったので、少し怖い。
私のこういう側面を知らない人は驚く人もたくさんいると思う。
でもここで書かないと前に進めないので、自分のために書くことにした。
最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

■特権性

まず講座を受けて最終的に自分がたどり着いた気づきは、自分には特権があるということ。
日本に生まれ、健康で、大学まで教育を受け、仕事もあり、休日を楽しむ経済的余裕もある。
シスジェンダー(生まれたときに割り当てられた性別と性同一性が一致し、それに従って生きる人のこと)でヘテロセクシュアル(異性愛者)である。

では、私が例えばアフガニスタンで生まれていたら、レズビアンになったら、障がいを持っていたら、DVを受けていたら…私が見えている世界はきっと違っていただろう。
つくづく世界は不平等だなと思う。
でも日常を過ごしていると、自分が恵まれていると気づきにくい。
特権性って気づきにくいのだ。目を向けようとしないと気づけない。

私が言いたいのは、自分が恵まれていない人を哀れだと思って助けなければと思っているのではなく、あくまで客観的事実として理解する必要があるのではないかということ。
まず自分の特権性を理解し受け入れてからでないと、何気ない発言で他人を傷つけたりすることもあるからだ。

例えば、性犯罪に遭う確率が低いということが男性の特権としてひとつあると思う。
その特権性を意識せず、女性が性犯罪に遭った時に「本当にそんな目に遭ったの?男も冤罪で捕まることもあるからさ」などと言ってしまう可能性が孕んでいるのではないかと思っている。
特権性は、特権を持っている人が一番気づきにくい。

■アンコンシャス バイアス

2つ目に講座を受けて実感したのは、自分自身もバイアスを持っていること。
アンコンシャスバイアス(無意識の偏見)は、最近よく聞くようになったと思うが、これもまた無意識だから気づきにくい。
昔男友達に手作りお菓子をもらったとき、私は思わず「え!作ったの?すごいね!」と物珍しそうに言ってしまい、「男だってお菓子作りするよ」と言われたことを思い出した。
無意識に男性はお菓子作りをしないと思ってしまっていたのだ。
アンコンシャスバイアスは誰でも持っているものなので、あげるとキリがないが、一人っ子はわがままに育てられたと思ったり、男性がお茶出しをするのは変だと思ったり、白人と黒人への態度が違ったり...
考えてみると当てはまることが多いと思う。

アンコンシャスバイアスを持ってはいけないというより、持っていることを自覚して、偏見を持ってしまった時に、今自分は偏見的な見方をしてしまったと気づくことが大事だと思う。
気づかないと直していくことはできないと思うから。

■モヤモヤの言語化

3つ目に得たことは、なんとなく感じていた違和感やモヤモヤが言語化できるようになったこと。
まだまだしっかり説明できないこともあるが、講座を受ける前とは格段に知識レベルとモヤモヤの解像度は上がった。

「女性活躍」
「女性がいた方が華があるから」
「能力のない女性が管理職になるのは、、」
「女性は数字が苦手だよね」
「女子力高いね」
「女性専用車両っている?」
「男は泣くな」
「男のくせに女に負けてるぞ」
「イクメンだね」

一度は聞いたことがあるのではないだろうか。
「女性がいた方が華があるから」を例に取ると、家父長制が根強い社会の中で、女性を男性を喜ばせるための道具と見ているバイアスがあることに気づけた。
色々なモヤモヤが言語化できるだけでもだいぶ救われることがあると思う。私はこのような言葉を投げかけられて、その場ですぐに自分の意見やモヤモヤが伝えられなかったことがたくさんあった。
今後は少しは自信を持って発言することができそうな自分になれたことが、ちょっと誇らしい。

■最後に

最後に、私が多分一番再生しているのではないかというくらいよく見ている、”Bad Feminist”著者のRoxane GayのTED動画をシェアして締めたいと思う。
英語版しかないのだが、伝えてくれているメッセージは、フェミニストの彼女でも完璧ではないということ。
女性を貶めるような歌詞のラップ音楽に魅了されてしまったり、「男性の仕事」のようになっているゴミ出しや車のメンテナンスは絶対やりたくなかったり。
完璧ではないけれどもフェミニズムを強く支持する「バッド・フェミニスト」であるということ。

https://www.youtube.com/watch?v=Fxt_MZKMdes

“I would rather be a bad feminist than no feminist at all.”

完璧ではないけれど、フェミニズムに救われたひとりとして、私もこの精神で過ごしていきたいと思う。

■ジェンダー講座 第1期スタート

嬉しいことに、私が0期生として受けたこの講座が10月から第1期としてスタートする。

今後もずっと活きる知識で、圧倒的に見る世界が変わるので、興味のある方は是非受講してみてほしい。

講座の詳細はリンクから
▶︎ s://gri-tokyo.jp/


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