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初めてのオーケストラ録音。ピアノコンチェルトコンクールを撮影してきました


2021年2月22日、東京・成城ホールにて開催された「第7回 Blue-Tピアノコンチェルトコンクール」の模様を撮影と録音をしてきました。

ピアノコンクールということで、グランドピアノと総勢30名のオーケストラは、私としても1度に録音する規模としては最大の編成。せっかくいただいた機会なので、精一杯頑張ってきました。

優勝者、本多美瑞紀さんのラプソディー・イン・ブルー

コンクールで見事優勝を果たされた本多美瑞紀さんの演奏が公開になっています。ガーシュイン作曲ラプソディー・イン・ブルー 変ロ長調。

白金ピアノスタジオ
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ピアニストの方のための記念映像なので、2カメだけのシンプルなカメラワークですが、本多さんの素晴らしい演奏をお聞きいただければと思います。
指揮者は新垣隆さん、オーケストラは桐朋学園の学生さんたちを中心に結成されたBlue-Tピアノコンチェルトコンクール管弦楽団の皆さんです。

せっかくなので撮影と録音について振り返ってみたいと思います。

2月8日、会場下見を兼ねてリハーサルを見学

白金ピアノスタジオのオーナーとして、普段はピアノ1台の録音しかやってない私に、果たしてオーケストラの録音など務まるのか?それにオーケストラの撮影って、テレビ局とか専門の人が手掛けるものだと思うけど、自分なんかで大丈夫かな?と不安を抱えながらも、依頼いただいたからにはやり遂げるしかないということで、リハーサルを見学させてもらうことに。

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この日は、ピアニストの方々にとって、初めてオーケストラと合わせができる貴重なリハーサル日。主催者の方から「(出演者のための記念映像なので)カメラは1台固定でいいよ」と言われたのですが、引きの絵だけではちょっとさみしいと思い、バックアップも兼ねて勝手にカメラは2台持ち込むことを決意。

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撮影にあたってのカメラ位置とレンズはだいたいあたりを付けたものの、どのようにマイクを立てて録音するのかというマイキングのプランは、全く考えがまとまらない。

ステージ上にマイクを立てよいことになっているので、ピアノは単独で立てつつ、楽器やアンビエンスにはどのくらいマイクを立てようか。三点吊りマイクの音も単独回線でもらえることになったので、そこがいい音がしていれば安心なんだけど当日しかわからないしな。

あとは、録音と録画を二重化するかどうか。した方がいいに決まっているのだけど、手持ちの機材でまかなえるかな。結局悩みを抱えたまま帰ってきました。

主催者からノイマンのマイクを6本お借りできることに

ラッキーなことに、主催者の八幡山 Blue-Tさんは、ノイマンのマイクを多数所有されており、録音ではぜひ使ってほしいとのことで、マイク一式をお貸し出しいただけることになりました。

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2月14日に打ち合わせを兼ねて機材のピックアップに。Blue-Tさん所蔵のノイマンのペンシル型マイク「KM 184」(単一指向性)を4本、そして無指向性の「KM 183」を2本、計6本を一時お借りすることに。眩しくて目が眩む。うちには形だけはそっくりなRODEのやつがあるけど。

マイクの特性をつかめ!ノイマンの比較テストを実施

せっかくこの素晴らしいマイクをお借りしているうちに、各マイクの特性を学んでおこうということで、比較テストを実施しました。

noteでも紹介したので、お読みいただけた方も居られますでしょうか。

ノイマンのマイクの音はどれも素晴らしく、いつかは手に入れたいなぁという思いが募るばかり。

クラシック録音の定番DPAマイクもお借りすることができて、マイクプラン固まる

動画公開は前後してしまいましたが、時を同じくしてテストをしていたのが、DPAのペンシル型コンデンサーマイクのテスト。プロのクラシック録音技師の方々の中で定番と言われているのがDPAの「4006」というマイク。

大変高価なマイクなので、自分では買えないけど、使ってみたいなぁなどとSNSでつぶやいていると、なんとお貸し出しいただける話が舞い込んできました。それも、DPAのマイクを色々まとめて試させていただけるとのこと。

せっかくなので、ノイマン同様にDPAマイクの比較テストをしました。

PAやレコーディングで使用される、DPAとSchoepsのペンシル型コンデンサーマイク6種を一気に聴き比べる動画は、音響系のFacebookグループでも反響をいただき、なんと本家DPA Microphones Japan さんがWeb記事でとりあげてくださるハプニング!?にも発展。

そうこうしていくうちに、当日のオーケストラ収録のマイクプランが固まってきたのでした。

迎えた当日、セッティング時の写真

そうして迎えた当日、設営時の写真にコメントを添えつつ紹介します。

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会場全景です。

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私だけ特等席でかぶりつきでオペレート。

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レコーダー類です。

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私だけこんな好位置に陣取ってごめんなさい。

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マイク類を仮置きしたところ。

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会場の吊りマイクです。SHURE SM94というマイクでした。

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客席内に立てたアンビエンスマイク。

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当日使用したマイクはこちらの8本。

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オーケストラの皆さんもお疲れさまでした。


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