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なんてシビアなマイクなんだ。三角振動板のEhrlundを初体験して洗礼を受ける

レコーディングエンジニアの 加納 洋一郎さんが「使ってみていいよ」と言って、Ehrlund(アーランド)のマイクを貸してくださいました。年末にこんなチャンスが巡ってくるとは!

Ehrlundはスウェーデンのマイク・ブランドで、21世紀になってから誕生した比較的新しい音響メーカーです。特徴は三角形の振動板(普通のマイクの振動板は丸形)。このマイクの詳しい説明は加納さんが執筆されたレビューがありますので、それをリンクしておきます。

Ehrlund Microphones EHR-M。見た目も美しいマイクです。

私も一度使ってみたかった憧れのマイクとということで、恐る恐る音出ししてみましたが、まあびっくりしました。

まず第一に驚いたのは、出力が大きく超低ノイズだということ。クラシック系の録音で非常にアドバンテージがあるのは間違いないです。

三角振動板がおわかりいただけるだろうか。

次に特徴的だなと思ったのがトランジェントを捉える能力が抜群に優れていること。音のディテールがリアルすぎるほどに分かり、スピードが早い。正直「見えすぎちゃって困る」みたいな感じです。トランジェントが立っているのは、波形を見ても分かります。

高価なマイクなので音に雰囲気があるのかと思ったら、それは真逆で無色透明。キャラなし。色付けなし。厳しい~。丸裸にされるマイクです。お化粧してくれません。

マイクの背面

マイクを見ても振動板の前にも後ろにも遮るものが何もなく、ネットの目も荒く、いかにロスなく音(の振動)を振動板で受け止めるかということに特化しているのがわかります。新しい時代のマイクだと思いました。

なんでしょう、このマイクで録ったからといっていい録音になるとは限らないというか下手くそになるというか、いい演奏じゃなければこのマイクで録る意味がないみたいな、逆説的というか禅問答みたいになっちゃいました。

「俺を使う前に演奏を磨け」と言われてるような。厳しい~

なんてシビアなマイクなんだ。三角形の振動板のEhrlundを初体験で洗礼を受ける



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