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植木まみすけ(漫画,文章,詩)
2018年9月15日 21:47
≪*夕方編*≫***sideおおきな”わたし”***西へ、西へ、西極《さいはて》へ…と雲たちが帰っていくような夕暮れ時だった。「なるほど…」「多肉ちゃんと朝顔が…」お姉さんは、ただ、聞いてくれた。そして分かったような事も一言も言わずに「ジュースは体が冷えますから」とポットのお茶を分けてくれた。真緒とまお。わたしとワタシ。おおきなわたしとちいさなワタシ。どこかのお姉さんに優しく
2018年9月12日 23:51
≪*午後編*≫***sideちいさな”ワタシ”***───大人だからって道をしってると思ったワタシがバカだった。「ご、ごめんね…」「……いいよ、もう…」ワタシとめがヌ。2人ともヘトヘトでいしだたみの細い道。古いかいだんのとちゅうで座りこんでいた。きっとこういうのを”徒歩《とほー》がくれる”というのだ。もさもさの木々の向こう、とおくにやねと海が見えた。あれからめがヌは「任せとい
2018年9月9日 10:35
*午前中*編仰ぐと玉座のような入道雲が天を蹂躙していた。8月31日。ツクツクボウシの断末魔の声が響く。夏の終わり。どこかの体育館から、とぎれとぎれの、カノン。わたしは多分、”切符”を拾った。というか、切符だったんだろうと思う。───その前にわたしのちいさな頃の話をしよう。───”ちいさなワタシ”は10数年前のこの日、朝から大きな肩掛けかばんに少しの旅の装備を詰め込み、お気に入りの麦