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「夢をかなえるゾウ」の裏メッセージ〜私たちが心底欲しているもの

単刀直入に結論から書くと、

私たちが心底欲しいのは、“ガネーシャ”である.


ベストセラー小説「夢をかなえるゾウ」とは
ごく平凡なサラリーマンが「神様」を名乗る謎の生物・ガネーシャの指南によって自らの人生を変えていく物語(wikiより).
毎日1つガネーシャが課題を与えてくれ、主人公が夢を叶えるまでその課題を毎日実践するというサクセスストーリーである.
読者は、主人公のようにガネーシャから与えられた課題をこなしていけばいいよ、という自己啓発本となっている.

このドラマを観ての感想は、
-成功するいい方法を教えてくれた!
-わかりやすくて、面白くて、楽しみながら、成功哲学を学べる!
-これは新しいタイプの自己啓発本だ!

なんていうものでは全くない.

-世の中の大半の人が変わりたいのに変われないといいながら一生を終える理由、
-世の中に成功哲学やビジネス書等のハウトゥ本が溢れているのに、これからもあふれ続ける理由、
そして、最大の確信点は
-私たちが本当に欲しいものは、“夢を叶える方法”じゃないってこと.


本書では「ガネーシャが与えた課題を実践し、身につくまで継続することが大切である。」 と謳っている。らしい.
でも、そんなこと、多くの人が知ってる.
継続し続けないから、成功しないんだ!なんて散々言われてる.わかってる.でも継続できない.
ってことで“継続する方法”なんてハウトゥ本に手を伸ばしちゃったりする.


私たちが欲しいものは、ガネーシャから毎日与えられる課題なんかじゃない.
成功する方法なんかじゃない.


私たちが心底欲しいのは、“ガネーシャ”である.
もちろん、神様が欲しいってことじゃない.

要は、
ガネーシャみたいに側にいてくれる存在が欲しいってこと.
(慰めてくれなくてもいいから)不安や愚痴を零せて、
上手くいかなかったらお前のせいだからな、お前がやれっていったからやっただけなんだから、と言い訳させてくれて、
今日の1日の報告を聞いてくれて、
ほんまアホやなって言いながらも離れずにいてくれて、
やればできるやんって認めてくれて、
孤独を解消してくれる存在.


私たちが心底欲しいのは、ガネーシャソノモノ.


ガネーシャは神様じゃなくてもいい.例えば、ユダヤ人の教え、なんてタイトルの本がたった1冊と、自分の支えとなってくれる人が1人いたら、私たちは、その教えを継続できる.


ガネーシャは、課題を与える以外に何もしてくれないと主人公は言うけれど、勇気が挫けてる人にとって最も必要なこと=自立に向けた援助 =小さな成功を一緒に積み重ねてくれる.


最後にガネーシャが消えていなくなってしまう、という展開で主人公の自立を急速に促すが、それまでは何もしていないどころか、手取り足取りお世話を焼いてくれているのである.


世の中に、ガネーシャのような存在に出会えるのは難しい.ガネーシャのような存在の価値を分かっている人は、お金を出してその存在を手に入れる.その存在の価値に気づかない人は、ガネーシャは何もしてくれないといい、ハウトゥ本を買い続けるか、前に進むことを諦める.


なかなか面白い話でした^ ^

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