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「心の関係人口」について

2024年1月1日、能登半島地震。

そして翌日、焼けてしまった輪島をテレビで見て、ひとり唖然とした。友人と行ったのは7年も前のこだけれど、それでも、重くズシンと身体に響くものがあった。

4日になり、当時友人と輪島に行くきっかけになった朝ドラ「まれ」の主人公を演じていた、土屋太鳳さんの公式インスタグラムをみて、


「見ている」「近くに行きたい」

ハッとした。これだって。

そして、「心の関係人口」という言葉がポンと浮かんだ。

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場面が変わるが、そんななか、
私は卒業論文を書いていた。

テーマは

「『ひとり』でありながら、つながるー在留外国人が多い地域の地縁コミュニティ研究からー」

孤独・孤立社会のいま、どんな地縁のつながりがあれば、それぞれがありのままでありながら、安心感を持って生きていくためのセーフティネットになりうるのか。またそのかたちはどうか。

結論としては、「地縁をともなう『アソシエーション(関心や利害などによるつながり)』」が活性化することを提案したが、なんだかモヤモヤしていた。孤独・孤立を感じる傾向が強い属性の人たち、働き世代やひとり世帯は、普段、地域に、いないからだ。

そこで、「心の関係人口」である。

言い換えれば、「気にしあう」関係の人口のようなイメージ。

声をかけるかかけないか、参加するか参加しないか、の言動や行動の尺度だけでなく、声をかけようと思ったか全く無関心だったか、参加したいけ れどできなかったのか全く関わりたくなかったのか、その心の尺度も必要ではないかということ。

「気にしている」「気にしてくれている」関係人口が増えれば、「対面接触」の頻度に関わらず、
いざという時には助け合える、つながりが豊富になって、安心感につながると思った。そもそも「コミュニティ」とはもっと広くて確かな共同体のことをさすのではないか、とも。

論文としては、具体的な方法までは辿り着けなかったが、このような関係の構築を促していく領域として「地縁コミュニティ」が機能することで、すこしでも望まない孤独を減らしていくことに貢献したい。と締めた。


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場面をはじめに戻す。
能登、輪島のこと。

私は、すごく、「気にして」いた。

どうこう言う資格はないけれど、県外に住んでいるし、日常に追われていてすぐに力になれないけれど、それでも。それでも。

昔の少しの体験なのに

そこでのことや人やまちが思い出されて、
他人事ではなくて
力に、なりたくなった。

総務省は「関係人口」を、「移住した『定住人口』でもなく、観光に来た『交流人口』でもない、地域と多様に関わる人々」と定義する。

「地域づくりの担い手不足」はもちろんある。実数、実働も大切。でも、行けないけど、「思っている」人もいる。その人口が豊かになることも、個人や地域が、そのままに強靭に、生きていく方法の一つになるのではないかと思う、最近だった

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