『穴のあいた桶』プレム・ラワット 感想
こんにちは。RIYOです。
今回の作品はこちらです。
八歳のころから「父の教え」を継ぎ、全世界の今を生きる人々へ「心の平和」を説き続けてきた活動家プレム・ラワット初の著作『穴のあいた桶 Pot with the Hole』です。
ラワットは、1957年にインド北部にあるヒンドゥー教聖地のひとつ、ウッタラーカンド州で生まれます。彼の父シュリ・ハンス・ジ・マハラジは作家であり、「心の平和」を諭す演説家でした。マハラジが亡くなったのはラワットが八歳の時でしたが、「父の教え」を継ぐと心に決め、十三歳ですでにイギリス、アメリカへ支持者の協力を得て講演を行います。ここから「平和の大使」の道のりが始まります。
彼のメッセージは「普遍的」なものです。すべての人の心の中にある「生まれながらにある平和」について語ります。生活環境、宗教、国、人種などを超え、世界中の人々ひとりひとりに向けたメッセージとして発信し、受け取る人々の人生を豊かにする教えを心に刻みます。
そしてこの「心の平和」は、ひとりひとりの心の中の諍いが無くなれば、個人と個人の諍いが無くなり、個人と個人の諍いが無くなれば、組織と組織の諍いが無くなる。それを続けると国と国の諍いが無くなるという、世の中の平和に繋がる大切な考えなのです。
普遍的な教えであり、「心の平和」というメッセージは、より必要とされる場所や人の元へ向かいます。紛争地域や国際サミット、そして刑務所などです。
アジア・パシフィック・ブランド財団より特別功労賞を受賞した活動として、「プレム・ラワット財団」の運営が挙げられます。貧しい地域へ食糧や水を供給するプロジェクト「フード・フォア・ピープル」や、世界各地の災害救助活動に携わっています。
そして「ピース・エデュケーション・プログラム」という取り組みがあります。これは「心の平和」についてのプレム・ラワットの演説動画を参加者が観てディスカッションを行うというものです。この内容は多言語に翻訳され、世界中で活用されており、大学や介護施設などで利用されております。そして最も重用されているのが刑務所です。目的は服役中の「心の安定」や、出所後の「再犯率低減」です。
講演会では質疑応答の時間を設けられ、傍聴者からの様々な質問をラワットは受け答えていきます。こちらはアメリカのドミンゴ刑務所にて行われた際の、ある受刑者からの質問です。
本書は6つのテーマで語られています。
Yourself
自分自身の心の声に耳を傾けること
Choice
自ら選択し、研鑽し、自分を育てること
Peace
ひとりひとりの心の諍いをなくすこと
Life
時間に追われず、今に感謝すること
Thankfulness
自分に生まれたことに感謝すること
Seeds
自分が蒔いた種で何事でもはじまること
完璧な人間はいません。誰もが「穴のあいた桶」です。
自分を見つめ、自分と対話し、自分を愛し、自分の心を平和に保つ。自分にとって「本当に欲する幸せ」とは何か、じっくり考えることができる作品です。そして、この書は大切な人へプレゼントするのにも良いと思います。読むだけでも心が落ち着く、平穏になる、そんな作品です。未読の方はぜひ。
では。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?