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夢十夜から見る「やりたい」が先か「やりたくない」が先か

夏目漱石の「夢十夜」という短編集をご存知でしょうか。私はこれの六夜目がえらく心に残っている。

運慶が仁王像を彫っており、周囲には野次馬ができている。1人が「よくノミ一つで完璧な仁王像ができるなぁ」と感服する。

すると近くの男が「あれは木の中に仁王が埋まっていて掘り出しているんだ。土の中から石を出す様な物だから間違うはずが無い」と応える。

人生じゃん。

0→1に、無から有へではなく、無限の可能性を収束させる事が人生基選択の本質な気がする。

就活では「自分は何でもなれる可能性がある」イーブイな状態から、自身が学んできた事から選択肢を狭めていき最終一つに決定していく。

ここでは可能性の取捨選択が行われている。選択は絶対的な物ではなく相対的な物が多い。

「これがやりたい!」よりも「AとBならAがマシかな」と収束させていく。人間の根底にあるのは「やりたい事」では無く「やりたくない事」なのかも知れない。

やりたくない事をやらないために、やりたい事を作って生きている。

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