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三文日記

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日々の備忘録
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#読書感想文

“カフカ断片集”と“ディズニーの順番待ち”は似ている。

“カフカ断片集”と“ディズニーの順番待ち”は似ている。

「カフカ断片集」を読んでいる。
フランツ=カフカは私が最も好きな小説家だ。不条理で不可解な物語が淡々と、美しい言葉で進んでいく。究極の悲観主義者である彼を何処かで気にかけ、遂には愛してしまう自分がいる。

この本は断片集だ。短編集では無い。小説のなりそこ無いが集まり、蚊柱の様に群をなしている。それがどうしようも無く可笑しい。

ディズニーランドで順番待ちをしている時、何処からか流れてくる映像が好き

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夢十夜から見る「やりたい」が先か「やりたくない」が先か

夢十夜から見る「やりたい」が先か「やりたくない」が先か

夏目漱石の「夢十夜」という短編集をご存知でしょうか。私はこれの六夜目がえらく心に残っている。

運慶が仁王像を彫っており、周囲には野次馬ができている。1人が「よくノミ一つで完璧な仁王像ができるなぁ」と感服する。

すると近くの男が「あれは木の中に仁王が埋まっていて掘り出しているんだ。土の中から石を出す様な物だから間違うはずが無い」と応える。

人生じゃん。

0→1に、無から有へではなく、無限の可

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