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【機械設計向け】自分の価値観に従って、大企業からベンチャーへ飛び出した転職経験談

この記事を読んでわかること

私自身の経験、体験をもとにした

・転職活動のきっかけ(転活をしている人向け)
・自己分析と企業研究のやり方(転活をしている人向け)
・実際に面接で聞かれた質問と、それに対して回答した内容の事例(転活をしている人向け)
・大企業機械メーカーでの業務内容の実態(大企業への就職希望者向け)
・ベンチャー企業での業務内容(ベンチャー企業への就職希望者向け)
・入社後に聞いた、面接担当者からのフィードバックと、内定を出した理由(転活をしている人向け)

こんちには、リヴィと申します。

普段は機械設計の仕事をしつつ、ツイッター(@rivi_h30)やブログで情報発信もしている者です。

私は慶應義塾大学で機械系の学部を専攻し、大手機械メーカに機械設計として入社しました。

創設100年以上の大企業です。

ところが、入社6年目となる29歳のとき、機械系のベンチャー企業に転職をしました。

そんな転職の経験を、みなさんの役に立てたいと思い、この記事を執筆しました。

最近、働き方改革やコロナ禍のなかで、「これからの時代を生き抜くためにはどうすればいいのか」というのがしばしば話題になってきました。

今の50代ぐらいの人だったら、年功序列の文化でもギリギリ逃げ切れる可能性がありますが、それよりも若い世代にとっては、「個人のスキル」を磨かないと激しい競争の中で生き残るのが難しいのは明らかです。

会社はいつ従業員をリストラにするかわからないし、いつ倒産するかもわからない。でも「いざとなったら転職して生き延びれるような個人のスキル」があれば、どんな時代の流れ、どんな不況が襲ってきたとしても、再び活躍をすることができます。

私自身も「大企業の機械設計者」ではなく、「一人の機械設計」としてスキルをもっと磨きたいと思って転職活動をしたうちの一人です。

私の慶應義塾大学の知り合いや、大企業の知り合いには、

・その気になれば、転職先なんていくらでもある!
・オレのことを雇いたい会社なんてどこにでもある!
・オレは大企業に就職できたほどの勝ち組だぞ?
・オレは選ぶ側の人間だ!

なんていう、危機感の薄い人もチラホラいるのですが、これらは「会社のネームバリュー」と「自分の実績」とをごっちゃにしています。

「〇〇大学を卒業しているからすごい」「〇〇会社に勤めているからすごい」という価値観は、世の中的には古く、

大企業でも現在進行形で導入が進んでいるジョブ型雇用(実力主義)において重視されるのは「君自身は何ができるの?」です。

そんな人達がいる一方、自分の将来について真面目に考えている人が増えてきているという傾向もあります。本屋にいくと売れ筋ランキングのところに「転職の本」が並んでいることも多いです。

ですが、転職系のビジネス書って、だいたい主人公って営業職なんですよね。どんなにいい本だと言われても、我々のような機械設計職の人にとって身近な内容ではないので、就職活動のイメージが全然沸かなかったりします。

そのため、機械設計のような専門性の高い仕事をしている人にとっては、

・自分が普段やっている業務って、価値があることなの?それとも会社に便利屋さんとして使われているだけ?
・リストラされたり、会社が倒産してしまった時に、気持ちに余裕を持って転職できそう?それとも「どこでもいいから雇ってくれ!」状態になりそう?
・転職市場で求められる「個人の能力」って、具体的に何?
・雇用の争奪戦の中で、自分が生き残れるかが不安・・・

といった疑問や不安を解決してくれるような情報がほとんどありません。

また、「スキルとか能力とか以前に、就活のときの面接がトラウマになっているんだ!」という人も多いかと思います。

あのときの面接の嫌な思い出を乗り越えて、ようやく社会人になれたのに、転職のときに、また面接をしなければいけないのか!?

という気持ちは非常によくわかります。私も面接がトラウマの人でしたから笑

ただ、だからといって「あのときのような思いをするの嫌だなぁ。やっぱり転職なんてやめちゃおう・・・」といってネットをそっ閉じするのは、非常にもったいないです。

そんな人のために「機械設計の人にも役に立つような転職活動の情報を提供できたらなぁ」という思いがきっかけで記事を書いてみようと思い立ちました。

そのためこの記事では、主に機械設計の仕事をしている方に向けて、私の転職経験を元に、

・大企業からベンチャー企業への転職のきっかけ
自己分析・企業研究の方法と内容
・面接で聞かれた質問と、それに対して回答した内容
・面接で私から質問した内容と、その意図
・転職先の課長と役員に聞いた「内定を出した理由、入社後に期待していること

これらについて、情報提供いたします。

はじめに誤解を生まないために言っておきますが、この記事の「大トロの部分」「一番の肝となる部分」は「みんなも転職活動しよう!」ではなく、「一度、今の自分の価値観を確認してみようよ!」です。

人間の価値観なんて、年を取れば変化するのは当たり前です。社会人になって数年経てば、「自分にとって何が大事なのか」が、学生や新入社員のときから変化していもおかしくないです。

「個人のスキルが求められる」という時代背景と、「今の自分の価値観」を照らし合わせた時に、

転職がいいと判断したなら転職をすればいいですし、今の会社がいいと判断したなら転職しなければいいのです。

この記事では、そのどちらの方にとっても役に立てるように

・せっかく大企業に就職した人が、何がきっかけで転職活動をしようと思ったのか
・転職活動中にどのように自己分析をしたのか
・就職活動と転職活動とで、面接の雰囲気はどう違うのか
・いざ転職を考える時に備えて、転職市場ではどのような人が評価されるのか、どういった点を重視して評価されるのか
・大企業への転職が気になるけれど、大企業での業務実態はどんな感じなのか
・ベンチャー企業への転職はどんな人に合っているのか
・転職の面接でどんなことを質問されたのか。どのようにして回答したのか
・面接での質疑応答を通じて、面接の担当者はなぜ内定を出したのか(入社後に役員にもらったフィードバックをほぼそのまま掲載しております)

といった、多くの情報をご提供いたします。

この記事が、機械設計に携わる多くの人にとって、人生を豊かにするためのヒントとなってくれたら非常に嬉しいです。

なお私が受けた会社は、まだ世に名前も知られていないようなベンチャー企業でしたが、転職エージェントの話によると、その会社は今まで数名受けて、全員が1次面接で落ちている程の難易度とのことでしたので、参考になるかと思います。

ちなみに、「面接で聞かれた質問内容だけ見れればいい」という方は、以下の記事にて無料で公開していますので、よかったら参考にしてみてください。

転職活動のきっかけと、自己分析の方法

転職のきっかけ

私が転職活動を始めたのは、2020年の1月末です。

2020年が明けた時に、

「なんかキリのいい年だし、令和だし、オリンピックの年だし、今年で30歳になるし、なにか新しいことに挑戦して、スキルアップしていきたいなー」

という気持ちでした。

実は今までも仕事中だけではなく、機械系の本を買って勉強したり、ブログやツイッターを通じて情報発信したりしながら、スキルアップをしてきたつもりではいました。

もちろん私自身、勉強そのものも割と好きでした。

おかげで周りの人からは「色んなこと知ってるんだねー」なんていう言葉をもらっていたりしていました。

でもなんだか、

知っているはずなのに、わからない・・・。普段から勉強もしているのに、なぜだかわからない・・・。

という不思議な気持ちに悩まされていました。

どいうことかというと、

本やネットの情報は「定性的な部分や、自分が経験していないこと」について、効率よく学ぶ上ではとてもよいツールでした。

偉人たちが数十年かけて取得してきた知識を、たった数千円、たった数時間で学べるというのは、すごいツールだと思っています。

ですが「定量的な部分がわからない。データなどを見てもなんだか腑に落ちない」のです。

機械系の仕事をしている人なら、

理論派の人が設計したものって、すぐ壊れるんだよなー。理論どおりに使われることなんてないのに。もっと現実を考えて設計しないとー。

なんていうのはホントにあるあるな話だと思いますが、それがまさに私だったのです。

そのせいで「設計者なのに、図面に寸法を入れることができない。図面に入れた寸法に自信が持てない。」のです。

周りに相談がしたくても、それはできませんでした。知識も経験も両方兼ね備えた人はすでに引退をしており、残っていたのは経験だけで物事を言う人ばかりだったからです。

そうなると、既存製品の流用品の設計はなんとかできても、新製品の設計ができないのです。

こんな自分は、技術力があると言えるのだろうか?

そんな気持ちを抱いたまま、2020年が明けたというわけです。

ある時ふと、

自分のスキルって、第三者からみたらどうなんだろう?お世辞を抜きしして、客観的で具体的な評価をしてくれるような人は誰だろう?

ということを考えていました。やっぱり自分じゃ客観的なことなんてわからないから、誰かに評価してもらう必要があるなぁと。

もともとは転職をする気はなかったのですが、たぶん転職エージェントならそれに答えてくれるだろうと確信し、気持ちが冷めていないその日のうちに、勢いで登録しました。

当時プロジェクトは、納期直前ということもあり忙しかったのですが、残業をして仕事を前倒しにしたり、他の人に一部仕事を投げたりしつつ強引に有給をとって、エージェントに面談をしに行きました。

【自己分析の方法】

あまり考えがまとまっていない間に勢いで面談をしに行ったため、面談中は思うがままをぶつけるような形になってしまいましたが、エージェントの担当者はそれをうまく整理してくれました。

それを踏まえた上で、業界の動向や性質、転職市場の相場など観点から多くのコメントをいただくことができました。

2時間ぐらいずっと面談をしていたので、終わったときにはさすがにクタクタでしたが、それでもなんだか気持ちが少しスッキリしました。

転職エージェントからもらったコメントは次のとおりです。

・あなたの年齢、経歴、経験内容から判断して、条件を選ばなければ、あなたを採用したいと言ってくる企業は山ほどいる
・とくに工場の自動化関係の需要はかなり高く「うちの工場の設備計画をしてほしい」という求人がいっぱいある
・ただ、あなたが仕事をしている業界的に、今あなたがもらっている年収は高すぎる

大手転職エージェント3社と面談して、3社とも上記のコメントをしてきたので、信頼性の高い内容だと思います。

「ほらぁ、やっぱり大企業社員は有利じゃないか!」と思った人もいるかも知れませんが、私はこれを聞いて、逆に鳥肌が立ちました

なぜならこの時、私の部署の業績が数年連続で悪化していたからです。

「部署の業績が悪化していっているにも関わらず、高すぎる年収をもらっている」なんて、普通に考えたら矛盾していますよね?自分はいったいどこからお金がもらえているんだと。

ということは、「もう自分が会社でどういう身分でいられるかがわからない。来期には、自分の希望がほぼ通らないような、異動や出向があってもおかしくない状態だ」ということを意味していたからです。

その予想は見事的中していたようで、つい先日、前職の人に部署の状況を聞いてみたところ、

・金額の大きな案件は相変わらず受注できておらず、
・契約社員の契約が切られまくって、現在はほとんど残っていない
・一般社員、管理職関係なく、何人かへ辞令が出て、全く関係のない部署に異動になった
・他部署も業績不振なため、未だに他部署との吸収合併の動きが止まらない

といった、まさに世紀末状態とのことでした。

このエージェントからのコメントを受けて、次に私は「じゃあ、これからどうするか?」について考えました。

・今のまま仕事を続けるか、
・異動を考えるか、
・転職を考えるか、

その答えを見つけるためには、「今の自分にとって、何がどのようになっている環境が望ましいのか」を分析する必要があると考えました(年収だけで仕事を選ぶとロクなことにならないのは言うまでもありません)。

エージェントからは求人を紹介され「気に入ったのがあれば、いつでも応募の対応を進めますよ」と言われましたが、「ちょっと考えさせてください」と言って保留にし続けました。

そこから1ヶ月半ぐらいは求人に応募をすることはせず、ひたすら自己分析をしました。

私が自己分析を行った手順は以下のとおりです。

まず、転職活動関連人生設計関連の本を読み漁ったり、ビジネス系YouTuberの話を聞き、

「もし、この本で主張している述べられていることに沿って企業を選んだらここかなぁー」というのを数パターンやりました。

自分の好きなことに全振りしろ
年収が上がるような転職をしろ
・「自分が死んだ時に、お葬式でみんなからどんな言葉を言われたいか」から逆算して人生・キャリアを設計しろ
・相場や市場を分析し、成長分野に取組んでいる企業に転職しろ
・自分の強みを活かせる環境を選べ
稼げる業界、稼げる職種を選べ などなど

本だけでも、10冊前後読んだと思います。

各本で色んな主張がありましたが、自分の感情は一旦置いといて、それぞれのパターンについて、「転職ならどこの会社がいいか」「会社に残るなら、どこの部署に所属するのがいいか」を割り当てて行きました。

次に、それぞれのパターンに割り当てた求人や会社の部署に対して、自分の感情に焦点をあて「ここに行きたいと思うかどうか」というのを考えました。

そして「なんとなくだけど、この企業って興味あるなー」「ここの部署って良さそうなんだよなー」というのがあったら、それはなぜなのかを分析し、

たぶん、この企業・この部署の〇〇の部分が好きなんだろうなー

というのを整理しました。そして、

他に、これと似たような求人ってあるのかな?

といった感じで再び求人を探しました。求人検索で出てきた企業については、求人票の内容だけではなく、

・企業ホームページ
・企業のブログ
・新聞記事
・四季報
OpenWork(様々な企業の口コミサイト) などなど

あらゆるメディアから情報を入手し、それを整理しました(この工程が最も時間がかかりました)。

そしてさらに、

「この中で、なんとなく興味のある企業・部署はどれか?それはなぜか」を考えて・・・・

というのを大体3周ぐらいやり、志望する企業の順位をつけていきました。

私には妻がいましたので、ここまでできた段階で、一度妻に

・それぞれの転職先や、異動先についてどう思うか?
・引っ越しはしてもいいか?したくないか?
・住みたい場所はどんなところか?住みたくない場所はどんなところか?

などを相談し、さらに絞り込みをしました。

結果から言うと、私の場合は「転職」という選択肢しか残らなくなったのですが、ここまでやり終わってからはじめて求人に応募しました。このとき3月中旬です。

こういった自己分析の答えについては、誰に教えてもらったり、ググれば出てくるものではないので、めちゃくちゃ時間はかかりましたが、

その代わり、応募が始まってからは自分の気持の軸は一切ブレませんでした

私の自己分析の詳細については、面接のパートでご説明いたします。

選考の進め方

ではいよいよ応募の段階です。やることしては、エージェントサイトにログインして、「応募するボタン」をポチッと押すだけです。

ここで補足ですが、

私は転職活動全体を通して、今勤めている会社以外にもいくつか選考を受けたのですが、同時に数社の選考を進めたりはせず、必ず1社ずつしか受けませんでした。

その理由は、「焦る必要がないから」と「焦るとロクなことにならないから」です。

就活のときは、

「学部4年(または修士2年)が終わったら、卒業・・・。あぁ、あいつもう内定とったんだ・・・。自分も早く内定がもらえないとやばい。」

みたいな焦りがあり、興味があるかどうかをあまり深く考えずに何社も応募するという人も多かったと思いますが、

転職活動は明確な募集期限がありません。なので、そもそも焦って内定を取りに行く必要がないのです。

こういうことをエージェントに言うと、

「もしご検討されている間に他の方の選考が通ってしまったら、せっかくの求人のお話がなくなってしまいますが・・・」

と言われたりもしたのですが、全てスルーしました(もし求人が埋まってしまったら、そのときはその時だと思っていました)。

特に私は不器用で、焦って同時に選考を進めるなんてことをしたら頭がパンパンになってしまうので、終始マイペースで進めました。

最近は、リストラを敢行する大企業も増えてきており、転職市場で求人を探している人が増えてきているという情報は聞くのですが、個人的にはそれでも焦って応募するのは絶対NGだと考えます。

もう一つ補足として、

少し前までの転職活動では、転職面接をうけるのにわざわざ転職先の事務所に行く必要があったので、転職活動のハードルが高かったのですが、最近はハードルがだいぶ下がってきています

例えば地方から都心の企業へしようと考える人は、面接のたびに巨額の交通費がかかるということが起こっていたのですが、

コロナ禍をきっかけにzoom面接の対応に応じてくれる企業も増えてきているので、そのあたりは気にしなくても良いかと思います。

尚、書類選考については、エージェントが用意しているテンプレートどおりに作成するだけですので、割愛させていただきます。

面接

ここからは、面接で聞かれた質問と、それに対する回答と、質疑応答の補足を示していきます。

「補足」のところは、私の回答内容の背景にあたるような、

・転職理由や志望動機系の質問に対して、回答を作るもととなった私の【自己分析の内容】
・経験やスキル系の質問に対しての回答内容の背景にあたる【大企業での業務実態】
・その他、回答をした際の【回答のポイント

といったことを示していきます。

・自己分析ってどんな感じでやったのか
・大企業で身につくスキルってどんなものなのか
・答えづらい質問等に対して、どのように答えていったか などなど

参考にしていただければ幸いです。

また、私から面接官にした質問と、それに対する回答と、質問をした意図についても解説していきます。

ベンチャー企業は、ネット上にもエージェントにも情報が少ないため、細かいところや具体的なところは面接中の質問で確認していく必要があります。

どういった部分を質問で確認をしたのかなど、参考にしていただけると幸いです。

一次面接

いよいよ転職の面接になったのですが、コロナ第一波の真っ只中ということもあり、zoomでの面接になりました。

面接の概要は以下のような感じでした。

相手:機械系の役員1名(年齢30代前半)
方式:zoom面接
面接時期:書類選考通過後、約1週間後
時間:1時間半程度

では、一次面接の解説をしていきます

【面接で聞かれた質問とその回答】

Q1-1:弊社へ応募した経緯について教えて下さい。

A1-1:まず転職を考えた理由なのですが、私には「より幅広い分野に挑戦していきたい」という思いがありました。

実は現職に入社した時に所属した部署では、新しい技術の開発に積極的な文化があり、自分にとっては好きで楽しい仕事ができていました。ところが事業の収縮に伴い、私のいた部署が他の部署へ吸収合併されてしまいました。その合併先の部署においては、事業方針が「決められたルールに基づき、標準化された設計を。分業化&マニュアル化を促進し、確実に売上が上がるようなものに注力する」という風になってしまいました。

私は新しい技術を使いながら、新しいことをしていきたいという思いがあったので、会社の価値観と自分の価値観とが合わないと感じました。

その上で御社に応募した理由ですが、全部で2つあります。

1つ目は自分の設計能力に磨きをかけられると感じたためです。御社のホームページで、機械設計だけでなく、電気制御やソフトの人たちが密にコミュニケーションをとってるの見ました。自分がそのような環境行けば、より多角的な視点で機械設計ができるそうだと、魅力を感じました。

2つ目はスピード感をもって仕事ができる環境であると感じたためです。現在の会社で研究開発のプロジェクトをしていた時に感じたのは、製品ライフサイクルが短いということでした。開発に時間がかかりすぎると、いつの間にか技術が陳腐化するといったことを感じたので、スピード感は重要であると考えるます。ただ、ものづくりの理論的な部分は書籍やインターネットで情報が得やすいのですが、実験的な部分・ノウハウの部分は、すぐに試せるような環境がないと知見がなかなか得られないと感じています。

御社のHPを見た時に、社内に作業場や加工機、産業用ロボットなどが置かれているのが見え、高いスピード感をもって業務ができると感じたため志望しました。

【自己分析の内容】

転職活動のきっかけになった「知っているはずなのに、わからない。」という悩みの原因は、明らかに「経験不足」からくるものでした。

でも実は、もともと私が最初に所属になった部署では、部署全体が開発に積極的な雰囲気があったのです。

自部署の人だけが気軽に使える開発設備も所持しており、たまにフラっと行って勉強させてもらったりする機会もあり、とても恵まれた環境でした。

ところが、配属されて1年たった時に、業績不振が理由で他部署に吸収合併されることになってしまいました。

そして、その吸収合併先の部長との価値観が合わなかったのです。

吸収合併先の部長は、

・リスクは取らず、既存製品しか設計をさせない。
・部下の徹底的な管理と、業務のマニュアル化による工数削減によって利益を向上する
・「高確率で売れる」という見込みのない開発案件は却下

という戦略をとっていました。

マニュアルにないことをすると激怒されまし、もちろんフラっと開発設備に行くことも禁止です。

また、「他部署にちょっと相談をしに行きたい」ということですら、課長の許可が必要でした。

おまけに「工数の申請、日報の作成は30分単位でやらなければならない」という徹底ぶりです。これらの管理をするだけで、毎日1時間ぐらい掛かる程度です(管理・監視をするのが目的であり、データ分析に活用されることはなかったのですが・・・)。

こんな環境では、自分の経験値がたまるわけがありませんでした。

そのため、小さなチームで、気軽に密なコミュニケーションがとれて、スピーディに仕事ができるような環境が喉から手が出るほど欲しかったというわけです。

Q1-2:今までどのようなプロジェクト、業務を行ってきたかを教えて下さい。

A1-2:[どういう業界向けの、どういう機能の装置か、どういう業務をしたのか、という事例について、自分の実績のなかから転職先でも役に立ちそうなものを回答した]

【回答のポイント】

この質問の回答については、実は書類選考の時に提出した書類にもガッツリ書いていた項目でした。

ですが、それでも面接で聞くということは

「書類に書いたような抽象的な説明」ではなく「いくつか具体例を挙げながらなるべくわかりやすく伝える」というのを求めていたと考えられます。

私が経験したプロジェクトはいくつかあるのですが、その中から「なるべく転職先でも役に立ちそうなもの」を選び、答えました。

ちなみに「転職先でも役立ちそうな実績」を選ぶためには「企業研究」が必須です。

私は面接までの間に、転職先のホームページやブログなどをガッツリ読み込んでいました。

リリース内容はもちろん、ホームページやブログの画像の端っこの方に写っている社内設備なども観察し、どういった規模・業界のプロジェクトをやっているかをイメージし、

それをもとにして、どのような実績を回答するかを決めていました。

また、イメージしていた内容はメモとしてまとめ、面接の最後の質疑でそのイメージが正しいかどうかを確認しました。

私がした質疑内容については、後述します。

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