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休職しないためのビジネスパーソン日々の再起動 ④〜ビジネススキルもアフターケアしないと大変なことに

前回、「リワーク前の日常生活を振り返る」と予告いたしましたので、本日は、その続きです。


前回投稿


リワーク前の生活①〜実は休み方を分かっていなかった


リワーク前の生活というと、要は休職中なわけです。出勤しませんから、何をして過ごしても、誰かに咎められることはないわけです。ただ、その頃、私は、自分の体や心を休める方法を分かってはいませんでした。一応、日常生活のリズムを崩さない方がいいと思い、朝は7時に起き、ウォーキングをし、トレーニングジムに出かけていました。少し遅め昼食を摂って、家で「相棒」の再放送などテレビ番組を観て、夕食は、早めに食べて、夜は23時前後に寝ていました。これだけだと、さほど問題はないと、今でも思うのですが、ここに実は、私の生活の中で、ストレスから解放されない時間があったのです。つまり、ボーッとしている時間があるわけですが、このときに渦巻く思考が大問題でした。渦巻く思考は、ロクなものではなく、SNS(mixi)に、毒を吐きまくる時間があったのです。mixiには、当然、多様な人々がいて、中には、どう見てもおかしな主張をしている人物がいるのですが、私は、それらのどうしようもない人物に噛みつく行為をしていました。今、考えると有害極まりない行為なのですが、その危険性については、その頃、全く気がつきませんでした。イラつく→mixiで噛みつく→イラつく→イラつくの繰り返しで、完全な悪循環でした。ただ、その時は、それが有害だとは思っておらず、気に入らない相手を見つけては、やっつけるようなことを繰り返していたのです。

半年後に復職を決意


そんな状況でしたが、高校受験を控えていた息子達のためにも、仕事をしている姿を見せなきゃいけないという思いも強く、職場に戻ることを約半年後に決意します。会社の健康管理部門からは、「まだ休んでいた方がいい」と言われたものの、「子供のためにも仕事させてほしい」と強く申し出て、私は、かなり強引に復職しました。

能力ダウンを実感


職場に戻った私は、仕事をしている最中に強い違和感を覚えました。それは、それまで難なくできていたことができなくなっていることです。書類を作成するにも、フォントや文字位置を間違えているとか、かなり初歩的なことができなくなっていたのです。スポーツ選手なら、筋力が衰えた状態というところでしょうか。当然、焦りとストレスを感じました。加えて、何もかもが面倒くさく思えてしまい、集中力が維持できません。そして、よく眠れませんでした。

再休職へ


結局、私は、この後、2つの職場に異動しましたが、そのいずれでも、思ったようには働けないまま、再休職することになります。まず、異動先の1つ目の職場は、営業部門でしたが、ここでも細かな作業が出来ず、折衝などでは、頭が働きませんでした。この部門は、やや無茶な要求が多い部門でもあったのですが、そういう調整のような仕事ができませんでした。2番目の職場は、システム部門でした。営業のようなプレッシャーはない代わりに、細かな書類作成が多く、コストの部門間調整に追われる部門で、頭の働きが不十分なその頃の私には、かなり負担が大きい職場でした。

何が問題だったのか〜風邪やケガとは違う休み方


システム部門で1年半くらい経過した後、結局、私は、再休職することになりました。仕事を休んでいたのに、休んだことによるポジティブな効果はなかったことになります。むしろ、能力的にはダウンし、人事査定上もマイナスになりました。皆さんも風邪を引いて休んだことがあれば、分かると思いますが、風邪の具合が悪いときは、十分な能力が発揮できないので、休息し、復帰したら、風邪を引く以前の状態に戻り、また仕事ができるようになります。

ところが、メンタルヘルスの乱れの場合は、違うのです。休んだ期間は、数カ月から数年に及ぶにも関わらず、休んだつもりが休めていないことになることがあります。しかも、能力は簡単に元に戻りません。メンタルヘルスの回復のためには、脳疲労のケアが大事なのですが、その頃の私には、そのような知識はなく、脳疲労の回復のために行うべきことは、何もやっていないに等しかったのです。むしろ、脳疲労を増すようなことをしていたのです。無知だったとは言え、今考えると、痛恨でした。
私は、心の底から辛くなりました。メンタルヘルスそのものの苦しみというより、仕事が思うようにできず、家族の生活レベルを下げる危険性を持ってしまったことに悔しさと苦しみを持ちました。

ビジネスパーソンにも必要なアフターケア


アスリートは、練習、トレーニング、試合の後、必ずアフターケアをします。そして、それは、次の練習、トレーニング、試合へのコンディショニングでもあります。ビジネスパーソンにも、この観点が必要なのだと、今になって、ようやく分かってきました。
当然、大きな故障があれば、治療もリハビリも必要です。ただ、そのようなことに気付かない人は、多いのではないでしょうか。
脳疲労やメンタル面は、

「気合や根性の問題」
「周りが気にしてやる必要はない」
「そんなのは、自己責任」
「きっと甘やかされて育ったのだろう」

…などと批判されることあります。だからこそ、自分で何とかする方法を模索する必要があると私は考えています。もしかしたら、これを読まれている方ご本人または、その周りに、明日から休職する人が出るかもしれません。その職場の生産性は間違いなくダウンし、職場のメンバーの負担が増え、新たな脱落者が出てもおかしくありません。休職に追い込まれる前に、日々のケアをすることが、実は重要だということです。

本日は、この辺りで失礼します。
お付き合いいただきありがとうございました。


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