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IR担当、CFO、管理部長、立場によるIRの違い

みなさん
こんにちは、川畑です。
某プライム上場企業でIRを担当しております。
訪問看護サービスを展開するRecovery International株式会社で取締役CFO柴田さんからバトンを受け取りました。

今年のアドベントカレンダーはIRだけでなく、経営企画や会計士、弁護士、「資本主義のアップデートを考える」などもあって、毎日電車の中が楽しみです。
たくさんあるので、アドベントカレンダーのトップから探すと面白いですよ。

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昨年は「中小上場企業が取り組むIR業務のヒント」という題目で投稿させて頂きました。
今年は、私自身がIR未経験からIR担当になり、CFOになり、管理部長になった経緯を踏まえ、それぞれの立場からIRについて考えてみました。

IR未経験者から見たIR

上場準備担当が流れでIR担当になることは、あるあるですね。
上場準備では資本政策も成長可能性資料も作っていましたが、資本市場に対する理解は乏しかったです。
目の前の作業が忙しくてそれどころじゃなかったし、当時はプレIR文化もあまりなかったですし。
恥ずかしながら、セルサイド/バイサイドもあやふやなくらいで、IR未経験者の8割は知っている佐藤淑子さんの「IR戦略の実際」を読んだり、IRベーシックブック(日本IR協議会)を買うか悩んだり、FBでIRコミュニティに参加したり、色々な伝手を使って勉強しました。
プレゼンスキルも身に着けようと、某社会人スクールに会計系で登壇にも挑戦しました。(今も細々継続中。コロナ前にウェビナーの練習ができたのはよかった。)
社内の情報収集で聞き回ったり、フォルダを漁ったり。
そんなインプットを進めつつ、機関投資家や個人投資家説明会でアウトプットしていくと、習うより慣れろで、なんとなくIRがわかってきました。
しかし、なんとなくでした。
そもそも、財務経理の仕事をしながら四半期ごとに説明資料作って、株主総会準備して、IR支援会社からの営業を受け、受け身で入ってきた機関投資家面談をこなす、と行き当たりばったりな感は否めず、株価とIRの相関性も見いだせず、悶々として日々の業務をこなしていました。

CFOから見たIR

「地位は人を作る」とはよく言ったもので、CFOになって意識はかなり変わりました。
決算情報の責任者でもあるため、実績や事業計画数値にはより一層注意を払うようになり、それをどう投資家に伝えるかの目線で見れる・作れるように、今も研鑽中です。
CFOの集まりにも呼ばれるようになって、IRで意識していることを具体的に聞けたり、ファンドマネージャーを紹介してもらったり、意見交換する中でIRの勘所を自分の中で整理しています。
情報発信も意識するようになり、Xの当社公式アカウント運用にも着手し(道半ば)、個人アカウントでX始めたり、PRと組んで「これリリースしませんか」と提案できるようになったのもこの頃からかと。
取締役会で機関投資家からのフィードバックもダイレクトに経営陣に伝え、また、ロードスターの未来について数値(資本政策)を交えながら議論を深めています。

実務的には「費用対効果から限られたリソースをどう使うか」が当社では大事。
当社はまず認知度を高める必要があったので、拡散力で劣る平日の個人投資家説明会は優先度を落とし(最近は別の仮説を検証しようと思っています)、代わりにウェビナーに力を入れました。
(IRTVさん、Kabuberryさん、湘南投資勉強会Kennmoさん、神戸投資勉強会キリンさん、ログミーさん、イベントスさん、証券会社の皆様、日本証券新聞さん、には感謝しており、この場で御礼申し上げます。)
今後も、資本市場と向き合い、企業価値向上に努めていきます。

管理部長から見たIR

管理部長になってからは、より保守的な視点も取り入れました。
インサイダー情報の管理や社内研修、開示規制チェック頻度、規程/マニュアルの整備、など。
1on1や登壇では、フェアディスクロージャールールをより重視し、「しゃべりすぎないこと」を意識、特に登壇するとついついサービス精神が働くのですが、そこはぐっと堪えてフェアなIR活動を実践しています。

管理部長だからというわけではないのですが、同時期にSDGs推進委員会を立ち上げ、委員長に就任しました。
プライム市場を目指すうえで、CGコードの要請/社会の公器としての責任を果たすためにも、ESGは積極的に取り組むべき課題であり、せっかくなのでSDGsにも取り組むことにした次第です。
サステナブルな社会と、そこに向けた社会の趨勢を取り入れつつ、足元の人的資本や気候変動リスク対応など、課題は山積みです。
開示に積極的なIR note マガジン参加企業のHPや開示なんかも参考にさせてもらってます。
現状、まだ機関投資家から質問は受けませんが、MSCIやFTSEのインデックスではESGスコアで入れるものもあるので、そこも目指していきたいです。

さいごに

立場の違いによるIRについてお話ししましたが、実際には全ての視点を織り交ぜながら、行動します。
結構大変です。
中小型株は専任者がいない場合が多く、できることとできないことが出てきます。
そういった方達にとって、このアドベントカレンダーやIR向上委員会(後藤さん記事)は実践的な有益な情報源であることは間違いありません。
企画してくれたシゲマツさん他、執筆者の皆様にも多謝です。

引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

今日のアドベントカレンダー
表IRアドベントカレンダー:IRTV@IR Robotics【公式】さん
春にクローズアップ IR Personsにも出させていただきました。

明日のアドベントカレンダー
表IRアドベントカレンダー:もりかわ まよ|TWOSTONE&Sons広報さん
裏IRアドベントカレンダー:Hidehiro Moriyaさん

おわり

火の心理的効果に興味があり、ゆるく研究しています。