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英語の発音コンプレックス

英語を「なりわい」にしてからすでに二十年以上。でも、心の片隅でずっと気にかかってきたことがありました。

それは、自分の発音に自信がないこと。

何を今さらですが、英語の発音がきれい、きれいじゃないって、肌がきれい、きれいじゃないっていうのと同じように生々しく自分のコンプレックスが刺激されるように感じます。

「英語の発音がヘン」って言われたとしたら、心の柔らかいところにグサっと突き刺さるような痛みが走りそう。なぜでしょうね。

私が以前教えていた生徒さんにTOEIC900点以上という素晴らしい英語力の持ち主なのに、英語を人前で話すのはイヤだという人がいました。
彼女曰く「私の英語の発音ってヘンだから」

日本語を話す外国人はいくら日本語を話せても、発音はやっぱり日本人とは違ってたどたどしい人が多い。自分の英語もいくら頑張ってもネイティブと同じレベルでは話せない。そんな英語を聞かれるぐらいなら英語を話さない方がマシ、そんな風に彼女は説明してくれました。

「もったいない」そう思いました。
でも、その気持ちもなんとなくわかる気もしました。英語を手段ではなく目的にすると、どうしても完璧を目指したくなりますから。

ただ、考えてみると、日本語ネイティブだって日本語が上手に話せているとは限らない。知らない言葉もいっぱいあって読み方もわからなかったりする。発音にしたって関西出身の私は焦るとイントネーションも関西風になるようです。

そんなとき仕事柄「困ったな」と思うことはあっても、英語の発音に対するようなコンプレックスはないのですよね。これ不思議。

今どき英語を話すのは、アメリカ人やイギリス人だけではなく、インド人も中国人もブラジル人もいるわけで、わからない英語は本当にわからない。しかし、その英語がわからないこちらが申し訳ない気持ちになるほど、彼らは堂々としているわけで。

発音のせいで意思が伝わらないと困りますが、発音はどう話すかの中の一部に過ぎなくて、何を話すかが大事。

そう思いながらもコンプレックスを払拭できない私は、最近発音訓練アプリで一日10分のトレーニング中。すでに3ヶ月。

すると、不思議なことに、音読することが楽しくなってきました。「私の英語聞いて」ってそんな気持ちにも。

英語の発音が実際によくなったかどうかはわかりませんが、楽しいって思えると続けることができて、続けて努力している時間があると、自信がついてくる。

私の英語発音コンプレックスが完全に解消されることはないでしょうが、楽しく思えることで壁が低くなってきた気がします。

嬉しい。




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