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【Netflix日記】 メイドの手帖

実話がもとになっているドラマをよく見ます。夢中になって見ていると、画面に based on the true story と出てくることしばしば。「私を信じて -リサ・マクヴェイの誘拐-」「ゾディアック」「ザ・サーペント」などなど。そして本作「メイドの手帖」も漏れなく。

そもそも本作を知ったきっかけは、原作『メイドの手帖ーー最低賃金でトイレを掃除し「書くこと」で自らを救ったシングルマザーの物語』の訳者 村井理子さんのTwitterでした(理子さんのTwitterは、私にとって日々の活力の源)。『メイドの手帖』を訳し終えた頃だったか「Netflixのオリジナルシリーズになる」と。「これは見逃せない!」とリマインダーをしかけたのでした。

10/1に配信開始、全10エピソードを一日一話のペースで完走しました。アレックス(マーガレット・クアリー)は夫のモラハラに追い詰められ、まだ小さな娘、マディを連れて着の身着のまま夜中に逃げ出します。そこから、アレックスの壮絶な闘いが始まります・・頼る先もお金もなく、次々ととっても辛いことばかり起きますが、ボロボロになりながらも奮闘するアレックスに、そして手を差し伸べる何人かの人たちに、毎回少しだけ希望の光が見える気がしました。そしてついにアレックスは「書くこと」にアイデンティティを見出し、泥沼からじりじりと這い上がっていきます。皆、苦しみの中に生きているけれど、それぞれの人生に幸あれ! と心の中で叫んでいました。・・これは多くの皆さんに観ていただきたい、早く発信しなければ、と焦っていましたが、私ごときが心配するまでもなくあっという間に話題作となり、なんと、10月の世界で最も視聴されたTVシリーズの2位に!

ネットには詳しい紹介記事もたくさん! このnote記事を書くにあたってあちらこちらで皆さまの感想を拝見してますが、とくに、みょんさんのブログはオススメです。大きく頷きながら拝読、知りたかったことはほとんど調べてくださっている・・本作のことがよくわかります。

では、何をメモしておきましょう。印象に残った登場人物、つまりは

アレックスの新たな旅立ちに大きく影響した三人を紹介したいと思います。

1.  レジーナ(アニカ・ノニ・ローズ)

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家を飛び出したアレックスは、福祉事務所へ駆け込みます。そこでメイド斡旋業のヨランダ(トレーシー・ヴィラール)を紹介され、仕事をもらうことに。最初に当てがわれたのが、セレブ弁護士のレジーナ(アニカ・ノニ・ローズ)です。とにかくお金が必要なので、厳しいレジーナの要求にも応えようと誠心誠意、必死に働くアレックス。ところがレジーナはクレームをつけて、お金を払おうとしません。諦めきれないアレックスは、支払わせようと無謀な方法で立ち向かうのでした・・こんな風に、出会いは最悪だし、立場もまったく違う二人ですが、やがてシングルマザーとなるレジーナはアレックスを頼り、そのうちに友情が芽生えます。その友情が、アレックスを泥沼から救い出す大きな力となるのでした!

〔注目アイテム〕アレックスがこっそり着て帰ってしまったカシミアのカーディガン。これ、どうなるでしょう〜

2. デニース(B・J・ハリソン)

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デニースはシェルターの管理人です。自身もシェルター利用者だった過去があり、駆け込んでくる皆を温かくかつ冷静に受け入れます。アレックスに対しても必要な助言や励ましを続け、自立を後押しします。頼る人がいないアレックスにとって、母であり恩師のような存在だったのではないでしょうか。

3. ポーラ(アンディ・マクダウェル)

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この人がアレックスのお母さんです。ぶっ飛んでます。自称アーティストで、男に依存しつつヒッピー的生活を続けてます。確かに絵の才能があるようで創作のエネルギーに溢れ、根はハッピーな人。孫のマディにも愛情を注いでいますが、精神的に不安定なため頼りにはならず、しょっちゅうトラブルを起こすので、むしろ世話を焼かなければいけません。そうやって、アレックスは子どもの頃から母親に足を引っ張られてきたのですが、母ポーラは初めから壊れていたのではなく、彼女もまた、元の亭主(アレックスの実父)のDVによって追い詰められ徐々に自分を失っていったようです。なぜか、女を支配したり利用したりする男に引っ掛かり、離れられなくなってしまう。そしてそういう気質は娘に遺伝してしまう・・これは、前に観た「ダーティ・ジョン」でも描かれていました。そんな哀しいポーラですが、時折、娘を応援する母親の顔をのぞかせます。素晴らしい演技だわ・・と思っていたら、なんとアレックスとポーラは実の母娘だそうで! 母娘関係の描き方は、このドラマの大きな見どころです。

最後に

被害者の実話をもとにした映画やドラマでは、よく最後に「被害を受けた方の相談窓口はこちら」というテロップが出されます。そのような方々が、然るべき窓口へ相談して、どうか現状から抜け出せますように。アレックスの奮闘が、背中を押す力になりますように。

(自分のためのリマインド)

ところで、来年Netflixで公開予定の「Inventing Anna」(こちらも実話ものだそうです)に、ジュリア・ガーナーがついに主演! この前「ダーティー・ジョン」ですごくオーラ出てると思ったんです。いま大注目の女優さんですね。楽しみです。

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