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骨格・パーソナルカラー診断に行ってきた~非暴力不服従~

 骨格診断をご存じだろうか。パーソナルカラー診断は? 流行したのは2、3年前で、最近は以前ほど取り上げられなくなったけれども、服やメイク好きの人にはすっかり浸透したメソッドではないだろうか。
 骨格診断もパーソナルカラー診断も、ざっくり言うと「あなたに合う服やメイクを知るためのツール」だ。人には固有の骨格・カラーがあり、それぞれに合う服の着方と色味がありますよ、それを把握してよりよいお洒落を! という感じ。
 面白そうだったのでプロに診断してもらいに行ってきた。良い経験だったのでシェアしたく筆を取った次第です。お付き合いいただければ嬉しい。

自己診断ではダメなの?

 骨格/パーソナルカラー診断で検索すると、無料の自己診断ツールが無数に出てくる。「お金を払わなくてもこれで十分なのでは?」という方もいらっしゃるはずで、それに対して私が思うところは
・自己診断結果に自信が持てるならOK
・自信がないならやはりプロに見てもらっては?
 です。
 自己診断は難しい。
「手首に透ける血管の色が、緑か青かでパーソナルカラーを見分ける」なんてよく聞くが、私の手首には緑&青の血管が仲良く隣り合っておりこの時点で詰んだ。瞳の虹彩、肌の明るさ等も自分ではよくわからない。
 骨格は「手首や膝小僧が華奢か、ごつめか」なんて判断基準もあるがこれもよくわからない。骨格診断は太っている・痩せている関係ないとは言うが、しかし痩せていれば華奢に見えるのでは? 逆もまた然りでは?
 私の手元には普通に有料で購入した骨格・パーソナルカラー診断の本があるが、その診断方法に基づき自己診断したところ見事に誤診した。
 とはいえ自己診断の時点でしっくりきている人もいるはずで、その場合はわざわざプロに頼む必要はない。

予約戦争を勝ち抜くのはどうすればいいの?

 あなたが「骨格・パーソナルカラー診断をプロに頼もう」と考えた場合、まず最初にあたる壁が「予約が取れない」だ。ちなみにふたつめの壁は特にない。
 診断は有名な百貨店、メイク用品店等で比較的安価に、時に無料で行われている。そしてめちゃくちゃ混む。私が予約を取ろうとした時はまだ新型コ○ナの新の字もなかった時期で、来客者制限等もしていなかったはずなのに、まったく予約が取れなかった。これに対応する方法はふたつある。
・何とか頑張って予約を取る。
・予約戦争から離脱する。
 私は後者をお薦めしたい。争いに争いで抵抗してはいけないのだ。しかし諦めてもいけない。「有名ではないけれどちゃんと診断してくれるお店を探して、予約する」。これが骨格・パーソナルカラー診断における非暴力・不服従戦略のひとつの答えである。このnoteのサブタイトルにも入れた。(以降は一切出てこない)
 どう探せばいいのかと思われるかもしれないが、お住まいの地域名とともに診断名を入れれば普通に出てくる。まとめサイトもある。その中から口コミが高いところを見繕い、ついでにツイッター検索などしてみれば地雷にひっかかる可能性は低い。
 ちなみに私は都心の一等地に建つ、普通のマンションの一室でやっていた診断へ行った。骨格もパーソナルカラーもセットで診てくれるところだ。マンションに入るのはそこそこ勇気が必要だったが、担当の方とふたりでのんびりと診断できたので満足している。そのお店の名前はここでは言わないけれども。(SNSで明かしていいのか店に確認を取っておらず、身も蓋もないことを言えばどの店でもやることはほぼ同じなため)

実際に診断してみてどうだったか

 自己診断の時点で、私は「スプリングタイプとウェーブタイプでは絶対ない」と思っていた。結果、スプリングかつウェーブだった。
 
スプリングというのは文字通り春っぽい色味が似合う人で、ウェーブは華やかで柔らかい服が似合う人のことを言う。

 パーソナルカラー診断では、四色(春・夏・秋・冬)のパーソナルカラー別の大きな布(ドレープ)を次々に顔まわりに当てては「顔のトーンが上がるか、明るく若々しく見えるか」などを確認していく。
 最初はよくわからないが、そのうち目が慣れてきて「この色味は合うな、合わないな」というのがわかってくる。私は基本的にサマー(パステルカラーのような、青み系のさわやかな色)がまったく合わなかった。顔色が悪く見えるのだ。一方スプリング(黄みを帯びた明るい色)を当てると本当に顔の色が一段階明るく見える。
 ブルーベースだろうかと何となく思っていたが、蓋を開けるとイエローベースだったわけだ。

 衝撃だったのはその後の骨格診断で、いやほんとにウェーブだけは絶対にないと思っていたのです。ウェーブタイプのイメージはふわふわでひらひらでリボンで白いワンピースで麦わら帽子でお嬢様で、普段の私の方向性(基本的にパンツスタイル、シャツ好き)から遠すぎるので。
 しかし私を診断してくださった方によると、ウェーブがフリルでロリータで可愛らしくて甘くてスイーツ、というのはよくある誤解らしい。
 ウェーブタイプは3つの骨格(他ふたつは「ストレート」「ナチュラル」)のひとつで、「上半身に重心を持ってくるとキマる」タイプ。トップスをコンパクトにしてハイウエストのボトムをすっきり履くと綺麗に見える。
 リボンやフリルなどの甘いアイテムが似合うウェーブタイプもいるが、ウェーブなら皆甘めテイストが似合う訳ではなく、そこは結局顔立ちの問題だそうだ。
 確かに、私がいちばん似合うと自覚している格好がボトムにトップスのウエストをインして「ここから下は全部足!」ということにするであり、これはスプリングの特徴にそのまま当てはまる。
 尚、ウエストインせずにだらっと着ると途端にだらしない雰囲気になる。インせずに「こなれて、お洒落な感じ」に着こなせる人もいるので、骨格の違いというのは本当にあるのだなぁと素朴に思った。

診断のメリットは?

 視野が広がる。
 今まで試着しようとすら思っていなかったテイストの服に目がいくようになったり、自分にとっては珍しいデザインのアクセサリーを買ってみたりするようになる。結果、お洒落の幅が広がる。

 また、自分の格好に少し自信が増す。これは私だけかもしれないが、メイクやファッションというのは考えるほど、鏡を見るほどにゲシュタルト崩壊してきて「似合ってるのか似合っていないのか? 変なのか? 変じゃないのか?」さえわからなくなってくる。それが「プロが似合うって言ってた」という錦の御旗を掲げることができるようになるため、多少堂々と着ることができるようになる。
 服なんてものは堂々と着た人の勝ちなので、プロの診断は私たちを勝者に一歩近づける。

最後に身も蓋もないことを

 そもそも私は趣味のひとつが「その道のプロに話を聞く」なので、美容系プロの話を聞けた今回の経験はとても楽しかった。
 しかし診断を受ける前も、受けた後の今も、私の脳裏にずっと横たわる言葉がある。
 それは数年前、とある服屋のお姉さんが言い放った「好きな服を着ればいいんです」だ。
 私はその時、そのお姉さんに服を選びながら「私にはこれは似合わないんじゃないかと思って」と言った。それに対してのアンサーが「好きな服を着ればいいんです」だった。
 真理だと思う。似合う似合わないを決めるのは結局のところ他人ではなく自分であり、骨格やパーソナルカラーに逆走しようが好きな格好をして、好きな色でメイクすればいい。

 骨格診断もパーソナルカラー診断も、自分の格好に迷いがある人には、それを打破するためのとても良いツールになると思う。それに、たとえ「苦手な服・色」と判断されたものでも、工夫次第ではファッションに取り入れられる。(そのやり方もアドバイスしてもらえる)

 診断は身につけるものを決めつけるものではなく、むしろ選択肢を増やすものだな、というのが実際に受けてみての感想です。
 個別サロンで受けると1万~数万円程度はかかるけれど、お洒落なアトラクションだと思っていちど足を運んでみてはいかがだろうか。診断結果に意外性があってもなくても、有意義な時間を過ごせると思う。


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