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スティーブン・キングはホラー作家か?

*随分と前に書いた過去記事の為、現在の映画等の情報は書いていない事をご了承願います。*

スティーブン・キングと言う名前の作家については 多大なファンの方が居ますから 今更ながら 私が書いても恐縮ですが、
私自身、ファンの一人の見解として 好きに書いてみたいと思います。


あ!このヤロー!キングについて語るなど生意気!許せぬ!と言う 熱意に燃えてる方は(汗)読まないほうが良いと思います。(^^;

まず、キングと言えば映画「スタンド・バイ・ミー」「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」等が、よく判ると思います。古くは「キャリー」「シャイニング」アカデミー賞主演女優賞受賞「ミザリー」等 映画化にも多々されている、ヒットメーカーです。


タイトルに置いた「スティーブン・キングはホラー作家か?」ですが、今も確かにホラー作家です。じゃあ、何故ホラー作家だけではなくなったのか?です。

キングは「キャリー」のホラーを描き、映画化もされてから 一躍有名作家になりましたが、それまでのキングは全く売れなく、結婚してからも子供のミルク代を払うのさえ ギリギリの生活を続け、10年間は 多少の短編が掲載されるぐらいでした。

「キャリー」を書いてる時、筆が止まり
原稿をゴミ箱に捨てたのを、奥様が拾い、何故 捨てたのか?問うと キングは「女の子の気持ちが判らない」と言った。


奥様がフォローしながら「キャリー」を
書き上げる事も出来、映画になり、ホラー作家としての知名度が、当時のキングには付きまとった。

売れない頃、別のペンネームで書いた作品が「バトル・ランナー」他多数。
映画にもなっていますが キングの独特な
個性と文章の書き方でバレてしまい、
それからは 全ての作品をスティーブン・キングとして統一し、現在に至る。

(別名のバックマンは現在、バックマンbooksシリーズとして、新しくスティーブン・キングの名前で発売されています。)

作家が ホラー作家と決められ、他の作品を受け入られない場合や、まだ売れない場合、このような事は よく有ります。
キング自身が ホラー作家としか見られなかった時期の、作家としての葛藤は計り知れないものがあったと思います。
反面、楽しんでいる。
キング曰く。
「どんなジャンルを描いても、自分の作品にはホラー要素が必ずある。」


映画化されても、気に入らず駄作とまで
言った「シャイニング」等、とにかく
映画化を嫌ってた。
「シャイニング」は原作は素晴らしく、
ベストセラーでもあり、キング作品の中でも特にファンが多い作品です。
やはり、ホラーの中に人間ドラマが含まれています。

⬆もっとも嫌ってる映画化作品🎬
「シャイニング」😅
キングがホラー作家の名前を払拭した作品は、実は、長編ではなく、短編(中編)なんですよね。テーマに「春夏秋冬」で書き上げた季節を意識した物で有り、アメリカでは、ペーパーブック一冊にまとめられて売ってますが、日本では「春夏」「秋冬」の二冊に分けられて発売されました。

それが、「スタンド・バイ・ミー」(秋)と「刑務所のリタ・ヘイワーズ」
(映画名:「ショーシャンクの空に」)(春)をテーマにしています。
作品は「ホラー」のジャンルに入るか?読者の答えは「NO」。

キング=ホラー作家の名前は見事に打ち消す事が出来、また、その短編の(ひとつを除き)全ての作品が映画化になっています。

彼自身が自分の作品の映画化を嫌いながらも、映画化される作品の中、唯一、初めて認めたのが、ロブ・ライナー監督の「スタンド・バイ・ミー」でした。

この作品は ホラーでもなく 50年代の子供の人間模様を描いています。ただ テーマの中にホラーじみた事柄もキングならでは なんですが。

「刑務所のリタ・ヘイワーズ」は映画では「ショーシャンクの空に」とタイトルになっていますが 私自身はキングの作品は是非 原作を読んで欲しい と思います。

文章が素晴らしいのです。映画はカットされますが 原作の文章を読むと こんなにラストが違うのか・・・と感じます。

以前、私が現役で作品を描いていた頃(注※引退はしていません)、キングの原作を描いてみたい。と 当時の担当編集者に言いました。←当たって砕けろ!精神(笑)
そこから 実際にアメリカまで国際電話(きちんと通訳の方が出版社に居ます)でキングの事務所に聞いた所、キング自身が 「NO」と言う事でした。←玉砕!!(笑)
私自身は直接 キングに尋ねて頂けただけで 幸せでした♪
国際電話が高いとか(T∇T) 色々言われましたが(笑)

とにかく、スティーブン・キングと言う作家の持つ魅力は、好きな方なら何も語らなくとも判ってくれるのだと思います。
(私自身、グロ過ぎは怖すぎなんですが。💧)
書ききれない程の事を 無理矢理収めて見ました。

結果、ホラー、SF、ミステリー、サスペンス等なんであれ、人間ドラマが必ずそこに有り、ジャンル等問わなくとも、基本的には何か人間心理による恐怖や、こんな事あれば怖いでしょ!とかがキングの小説の要になっているからこそ、ホラー要素も何かしらテーマにもなっています。

まさしく、モダン・ホラーのキング(王様)だと思います。

ここで少しキングのプロフィールを簡単に紹介します。


1947年9月21日生。
1967年に商業誌に初めて発表。
1973年「キャリー」がヒット、映画化。
その間、もう一つのペンネーム「リチャード・バックマン」で「バトル・ランナー」等、数作書くが 1985年に暴露され
ペンネームを統一。
「バトルランナー」はシュワルツネッガー主演で1987年映画化。
1982年発表の
原題「DIFFERENT SEASONS」
(春夏秋冬)から
「スタンド・バイ・ミー」(夏)映画化。
多くの作品と、多くの映画化のヒットと共に現在に至る。
彼の住む メイン州は小説の舞台でも在る。

-春は希望の泉-
「刑務所のリタヘイワーズ」より。


椎名りつ子
2016.3.10

2020.2.7 noteへ移行

写真:参考資料
「COMPLETE STEPHEN KING」
発行所:株式会社白夜書房

*2010.12.2のFC2から記事を移転の為に
再編集しました。

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