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残り香

恋と愛が混在する社会に
生ぬるい風も誰かにとっては
かけがえのない風となる
夏の夜風に私は恋をした。
花火が上がり、
一瞬煌めいたその夏の夜空に、そしてその後ろ姿に。

二度と見つからないことを知りながら、
私はあの夏の残り香を探している。
無駄なことを無駄と知りながら
時間を費やすことは無駄ではないのだ。

今日も私はあの感情の名前を書き出せない。

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