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果てしない空想

葉っぱから、水滴が落ちた。
空気を纏って落ちていくそれは、
とても重要なものにも見えた。
意味がないようであるものも
意味があるようでないものも
この世界には満ちていて
私は耳を塞いでしまいたくなる。

意味がないものなんてこの世に存在しないんだなんて
そう言い切れる誰かに、私はなりたかった。

ものの意味は、あなたが決めるのよ。
そんな言葉にも、果たして意味はあるか。

彷徨っている幽霊は見えないままで、
私はコンクリートの壁を何度も見た。

昨日降った雨でできた水溜りは、
明日には消えて無くなっているだろう。
葉っぱについた水滴も、
今となってはきっとどこかに行ってしまっている。

一陣の、風が吹いた。
私を追い越して行った風は、
私の何かを持ち去って行ったような気がした。
灰色の雲から、鮮やかな青色が姿を覗かせた。

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