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部屋

ずっと夜だったらいいのに。
二人で過ごす夜は、いつも孤独で、
その二人ぼっちの感覚があまりに心地良くて。

世界は、宇宙は全てと繋がっていることを
皆きっと知らないし、
私も知らないふりをする。

今この時だけは、私たちは全てから切り離されている。
寂しさと安心が混同する空間の、
この優しい矛盾すらも私たちにとっては必要なものだ

眠いな、と私が言うと、
おやすみ、と彼が微笑む

おやすみ。
終わらない話がないように
明けない夜がないように
ゆっくりと、この時間も傾き始めているのだ

それでも、もう少しだけ、
もう少しだけ、
どうか、明けないままでいて

そんな、世界一我儘な、私の願い。

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