赤い金魚
黒い世界に水槽ひとつ、
泳いでいるのは小さな赤い一匹の金魚。
口からこぼれる、泡、泡、泡。
僕は君の心の中にいるよ。
君は気づいていないだろうけど。
でも、良いんだよ。
それで良いんだよ。
此処に住もうと決めたのは僕だし、
それを許したのも君だから。
これほど鮮やかな赤色があったかな。
その赤色から、小さな白い泡が水中に顔を出した時、
何も変わらないのに、何かが変わったような気になる。
僕は君の心の中にいるよ。
君は気づかないだろうけど。
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