思い出の色
今になってようやく、君の言っていた言葉の意味が分かった気がするよ。
どこにも行けずにもがいていた私にくれた色を、
私は海の中に落としてしまった。
ドン・キホーテは勇猛果敢に戦って、
そして何かを得たのだろうか?
君と最後に話をしたのは、
銀杏の木が黄色く色付いていた、
秋の綺麗に晴れた日だったね。
今でも、あれは夢だったのかと思えるほど綺麗だった。
今は、時が経つほどに強くなっていくばかりで。
思い出の色が溶け出して、見えなくなるまで、あと少し。
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