見出し画像

「わらべわざ」ってご存知ですか?

小さい子に接していると、「なんでこんなことを繰り返しするのかな?」という場面があります。よく分かっていただけるのが、「ソファーでぴょんぴょん」です。「やめなさい」と言っても一向にやめる気配もなく、楽しそうにぴょんぴょん。自宅ではまあしゃあないか、となっても、よそのお宅のソファーでぴょんぴょんしてもらっては大変なので「やめなさい」「やめなさいって言ってるでしょ」「こら!いい加減にしなさい!!!」ということになります。

生後1歳8か月くらいまでの赤ちゃんの行動は「わらべわざ」と呼び、善悪の区別なく、探究心からやっていることが多いです。七田眞氏は「子どもの童技(わらべわざ)は叱るべきではない」とおっしゃっていました。わらべわざは、探求心からの繰り返し行動なので充分納得するまで試させてあげないといけないよ、とも。納得するまで延々と繰り返すわらべわざは、裏を返せば、納得すれば終わる、ということ。

ティッシュを箱から全部出す。せっかく積んだ積木をバーン!って倒す。ねじをガチャガチャ。つまみをクルクル。ボタンをブーブー。ドアをカチャカチャ。もちろん、ソファーぴょんぴょん、道路の縁石を歩く、スプーン落とす、モノ投げる、リモコンバンバン、段ボール箱全力で押す・・・

わらべわざ時代の子は、得心するまで同じ行為を繰り返してやり切ると、次へ進みます。親が禁止ばかりしていると、子はいつまでたっても得心できないため、いつまでもしつこく執着するのです。

よく観察していると、何をしているのか、がわかります。

子どもは目的なくめちゃくちゃ動いているわけではありません。

「あ、この子は今は、これこれこういうことがやりたいんだな」と感じたら、壊れてもいい代用品を与え、同じ行為ができるように工夫すればいいのです。

「触っちゃダメ」「これも触っちゃだめ」「これも触らないで」「散らかしちゃダメ」「散らかさないで」・・・・・・ダメダメダメ!!!!!!

禁止ばかりじゃいつまでたっても得心できないので次に行けず、学べない。家でわらべわざをすべて禁止されてきた子は、園でどうなると思いますか?当然、園でも得心していない行為を繰り返そうとするので、「乱暴な子ね」とレッテルを貼られるかもしれませんね。お母さんが、こういう子どもの発達に関する知識をもっていないから育児がややこしくなるのかもしれないなといつも思います。

わらべわざは1歳8か月までです。その時期を過ぎれば、「してもいいこと」「してはいけないこと」「してほしくないこと」を諭しながらしつけをすすめていきます。

いただいたサポートは教室の絵本購入に使わせていただきます。