リタリタの1日

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小説 「恋の相談は誰かに」

リビングのソファに座る美津紀、明るい笑顔が印象的な25歳の会社員、彼女は週末の昼下がり、母親と過ごしていた。窓から差し込む柔らかな日差しがリビングを照らし、心地よい空間を作り出している。 母親の和子は穏やかで温かい性格、美咲にとって大切な相談相手でもある。 「今なにがしたい?」和子がふと問いかけた。 美咲は少し考えてから答えた。「恋がしたい。」 和子は意外そうに眉を上げた。「どうして?」 美咲は軽く笑いながら、「みんなしてるし、私も誰かに愛されたい、愛したいんだ」と

    • 短編小説 【戻りたいあの頃に】

      一昨日、千葉の実家でおばあちゃんの法事があった。親戚とおばちゃんが親しかった友達数人が集まった。畳に寝っ転がっていると叔父さんが言った。ポケベルの時代が懐かしい、と。僕は笑った。親戚の集まりや会社の飲み会に行けば誰かが必ず言う。懐かしい、と。続けてこう言う。あの頃はよかった。あの頃に戻りたい、と。 だから僕は質問する。 もし戻れたら何するの?。 答えは誰でも同じ、こう言う。もっと勉強する、と。 僕は質問する。 今が不幸なの? そうじゃない。なんにでも興味を持てる好奇心

      • ポエム小説「先生、やりたいことがありません」

        小学生の頃、「みんなのやりたいことはなんですか?」と授業で聞かれた。クラスのみんなはすぐに手を挙げやりたいことを語っていった。僕は僕のやりたいことはなんだろうと考えた。 勉強?スポーツ?ゲーム?遊び?どれもこれも別にやりたいことじゃない。 「さぁ、君のやりたいことはなんですか?」 僕が最後。みんなが僕を見ている。 「特にありません」と答えると先生は困った表情を浮かべた。しょうがないじゃないか。やりたいことがわからないんだから。どうしてみんなはやりたいことがあるんだ?

        • エッセイ 「不注意は続く」

          目の前にある書類整理の仕事をしていると、ふと違うことを考えて仕事がおろそかになってしまう。 つくづく、医療や車の整備など、人の命につながる仕事を選ばなくてよかったなと思う不注意の自分。 もう少しだけ集中力がほしい。

        小説 「恋の相談は誰かに」

          明日は仕事どうやって頑張ろう?朝からパルムを食べて気合をいれようかな。

          明日は仕事どうやって頑張ろう?朝からパルムを食べて気合をいれようかな。

          短編小説 「愛とアートの共振」

          人生とは何か、それが私、ひなのの頭の中を巡っていた。 私の生活は、自称アーティストの父と、彼の仕事を支えつつ家庭を守る母との間で育った一見普通の家庭だ。しかし、我が家の普通は他の人々にとっては普通ではない。 母が料理を作ってくれるとき、父はそれを見つめ「これがアートだ」と言う。そして、父が何かを作り出すと、母はじっと見つめ、「これが愛だわ」と呟く。 こんな家庭で育つと、アートも愛も、一緒になってしまう。だから私は、心に強く刻まれたこのアートと愛が同じものだという考えを抱

          短編小説 「愛とアートの共振」

          ポエム小説 「涼しい風」

          暑い7月なのに今日はちょっと風が涼しかった。 夏の涼しい風はエアコンの冷たい風よりも心地よかった。 明日も涼しい風が吹いてくれると助かるな……

          ポエム小説 「涼しい風」

          ポエム小説 「そうだ、ご機嫌でいよう!」

          は〜あ、暇だな〜! なんもやることねぇ〜! いや、やることはあるけど、やりたくねぇ〜! そうだ! ご機嫌でいよう! そうすれば、いいことがあるかもしれない〜! 口角をにっと! 僕はご機嫌だぁ~!

          ポエム小説 「そうだ、ご機嫌でいよう!」

          ポエム小説 「梅雨のジメジメ」

          あぁ、寝苦しい…… いつまで続くのだろう…… ジメジメした梅雨はもう懲り懲りだ。

          ポエム小説 「梅雨のジメジメ」

          短編小説 「結びの糸」

          ユキヲはスマホの画面をじっと見つめた。アプリの通知を開き、メッセージを読む。59歳、未婚、仕事一筋と書いてある。名前はユリコ。 彼の心はドキドキしていた。こんな感情を味わうのは、妻と初めて出会ったあの日以来だ。 一方、ユリコもまた不安でいっぱいだった。彼女は仕事一筋で生きてきた。しかし、孤独死の恐怖が彼女をこのアプリに導いた。そして、ユキヲという名の男性にメッセージを送った。 メッセージのやり取りが続き、ユキヲとユリコは次第に互いを理解していく。彼は妻を亡くした寂しさを

          短編小説 「結びの糸」

          恋愛短編小説 「掃除当番」

          アキトは無頓着に振る舞う、自堕落な高校二年生だった。彼の日常は、皮肉たっぷりの言葉と退屈な授業、そして混沌とした教室で成り立っていた。その教室が汚れるのは、彼にとって常識の範疇だった。だからこそ、掃除当番という役目は、アキトにとってただの煩わしいものでしかなかった。そんな彼が知る由もない、命運の糸がじわりと彼の日常を彩り始めていた。 「アキト、掃除しなさい」 彼女の声は、彼の無気力さとは対照的に冷たく響く。その彼女、マナミは学校一の美人で、その美しい外見は周囲の男子たちを

          恋愛短編小説 「掃除当番」