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北海道旅行記: 2日目 (苫小牧→帯広)

7月9日(土): 二日目のルート

てんこ盛りの朝食と朝サウナ

二日目の朝はフェリーの中で始まりました。旅の中、移動しながら目覚めるというのはなんだか不思議な感じです。
苫小牧到着は13時30分予定のため、まだまだ時間はあります。お腹もすいたのでフェリーのレストランで朝食をいただくことにしました。
朝食はバイキング形式で、具材は佃煮や玉子焼きに納豆、明太子、味噌汁、炒め物、サラダに魚や肉などとても豊富でした。パンかご飯か選ぶこともでき、自分は和食を選択しました。

オカズはかなり豊富。シェフ特製のドレッシングがうまい。

やたらとご飯が進むおかずが豊富にならんでおり、茶碗一杯のご飯ではとても足りず何杯もお代わりしました。旅館での朝食と同じで、こんな時はついつい食べすぎてしまいますね。

朝食のあとはサウナに入浴。さんふらわあ号の大浴場は6時30分から苫小牧到着までの時間帯で入ることができます。
サウナでバシッと目を覚まし、船内をぶらぶらしたり荷物の整理をしているうちに、いよいよ下船時間になりました。低気圧の影響で、予定より30分ほど遅れての下船です。

近づく苫小牧港
下船待ちのライダーたち
下船中のフェリーの中

本当は幌舞駅の方に向かい、映画「鉄道員」のロケセットを見ていきたかったのですが、その前に日が暮れそうなので帯広に直行することにしました。

(行きたかった鉄道員のロケセット……。次回は必ず)

北海道上陸!!

フェリーの渡し板を渡って、いざ北海道上陸。フェリーターミナルから国道235号線に出て、いざ帯広に向かって出発です。天気は晴天、いよいよ始まる冒険の予感に年甲斐もなく胸が踊ります。
北海道に降りてまず第一に感じたことは、「道が広い」ということ。道が広く流れも早く、普段走る東京近郊とは雰囲気からして違います。
衝撃を受けたのはナビの案内。「この先50km先右折」とか、そんな案内がバンバン出ます。広くて長い北海道の道を改めて実感できました。

広い畑の中の道を進みます。

それと、とにかく流れが早い!
この日、目的地である帯広について、ナビが最初に示した到着予定時刻は「20時20分」でした。でも到着したのは「18時20分」。途中で休憩や食事をいれてもなお、2時間早く到着した計算です。

ほとんど信号のないまっすぐな道と、流れの早さが理由だと思います。
時間が押しているので急いではいましたが、ガンガン飛ばして行こうという意識はなかったんですけれども、流れにあわせて進んでいるうちに次第に速度が上がっていき……刑事さん俺は流れに乘っていたただけなんです。信じてください。

いけずな北海道

この時点でかなり北海道に惹かれていました。
思い返すは1日目。国道6号線で渋滞に巻き込まれ、炎天下の中たった数km進むのに1時間2時間とかかっていたことを思うと、1時間で軽く60kmは進める北海道はまるで天国のようです。
減速を強いられることなく、雄大な道を思うまま進めるのは、バイク乗りにとって至福のひとときです。多くのライダーが北海道に夢中になり、「心のふるさと」とする理由がわかる気がします。

しかし北海道は気まぐれ。そう簡単に思い通りにはいきません。
「道の駅樹海ロード日高」を過ぎて清水町に向かう途中の「日勝峠」に差し掛かったころ、10m先も見えないような、ミルク色の濃密な霧にまかれることになりました。
旅の眼前に立ちふさがった暗雲ならぬ白雲は、このあとも景勝地にいくたび何度も何度も表れることになります。
想像するに、私が走っていた時期は低気圧の影響で雲が低くなっていて、標高の高い地点ではまさに雲の中を走る状態になっていたのでしょう。

奥の山が通ってきた道。上の方は完全に雲の中です。

バイクで走る際、あらゆる気象のなかで霧はもっとも嫌だと気づきました。

霧のなかを長距離走れば全身ビショビショになります。
カーナビがわりにしているスマホも濡れないところに収納しなければならず、そうなると道の先がどうなっているのか状況がわかりません。

いつもより数段慎重な運転を強いられる上、北海道は動物天国でどこから飛び出してくるかわからない。何度も立ちふさがる霧に立ち向かい、泣きっ面でバイクを進めたのが印象に残っています。

北海道の人々

北海道を代表するコンビニチェーンといえば「セコマ」こと「セイコーマート」。
全体的に価格が安く、食べ物が美味しいことで有名です。
店内にキッチンを備えているお店は「HOTChef」という看板があり、フライドチキンやカツ丼などを楽しむことができます。長い北海道ツーリングの途中で、手頃な休憩場所として何度も何度もお世話になりました。

この日もセイコーマートで休憩をとっていると、知らないおじさんが興味深そうにバイクをしげしげと眺め、話しかけてきました。
昔はその人も大型バイクでブイブイ言わせてたらしいです。北海道の道を大型バイクで乗り回したらさぞかし快適だろうな……と想像が膨らみました。
この日に限らず、北海道ではいろんな人が気さくに話しかけてくれた印象があります。厳しい北の大地に住む人々はみな、暖かでした。

帯広に到着

雨と霧に泣かされながら、ようやく18時20分ごろに帯広にたどり着きました。ライダーである会社の後輩から、北海道は暗くなると鹿が飛び出してくると聞いていたので、なんとしても日暮れ前にたどり着きたかったのです。ひとまず目的を達成できてよかった。

帯広は「ばんえい競馬」や「帯広豚丼」などが有名な街です。
また昔ながらの小さな銭湯なども多いとのこと……ですが到着した時間も遅く、あまり余裕がなかったのでそれらのスポットは回れずじまいでした。
バイク旅は移動がメイン、とはいえちょっと寂しいものです。いつか帯広に滞在し、大自然と文化を味わってみたいと思います。

バイクは公営の帯広駅地下駐車場に停車しました。駐車料金は一日600円、一泊する場合は二日分の1200円が必要になりますが、プリペイドカードを購入すれば1000円で停車できるようです。
駐車場の係員さんにそれを教えていただきました。やはり北海道は人が親切です。

帯広駅

帯広では「Hotel Nupka」に宿泊しました。例によってホステルタイプのお部屋で、2段ベッドの1段目で休む形式。上段より下段の方が、荷物の上げ下ろしをしなくてすむのでラッキーです。
一階はダイニングバーになっており、食事やお酒を楽しむ人々がたむろしていました。二階から上の部分が宿泊スペースになっている感じです。
駅からも近く、全体的におしゃれな雰囲気。ホステル形式では落ち着かない人向けに個室のプランもあり、帯広を楽しむ拠点にぴったりの宿だと思います。

HOTEL NUPKA 外観
HOTEL NUPKA 室内。清潔で過ごしやすい宿でした。

夕食は帯広の有名なカレー店「インデアン」でいただきました。
このお店では「インデアンルー」「ベーシックルー」「野菜ルー」の三種類からルーを選ぶことができ、そこにトッピング等をのせて好みのカレーを楽しむことができます。
私は「インデアンルー」に「豚カツ」をのせて注文。こくのあるルーが疲れた体に染み渡ります。観光客向けにカスタマイズされたお店より、地元で愛されるこういうお店が私は好きです。

インデアンまちなか店
インデアンルー+トンカツ

宿で洗濯や日記つけなどのいつものルーティンを済ませ、翌日の計画を練ります。
翌日は帯広から北上し、ナイタイ高原牧場に寄り道したあと、大雪山から北見を経由して網走に向かいます。北見では有名な回転寿司屋の「トリトン」で寿司を堪能する予定ですが、雨が降るとカッパの着用が必要になるので、着脱しつつ店に寄るのも面倒くさいかも知れません。
どうか晴れますように、霧に巻かれませんようにと祈りながら就寝。難しい道を乗り越えて、明日も北海道の道を進みます。


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