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映画メモ57「シャイン」

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古い。
1997年か・・・。
見ようと思って見逃がしていたのを見つけて良かった。


今でいうところの教育虐待で、
映画公開当時と今では受け止め方がだいぶ違ったろうなと
感じた。
当時に見たかったな。

あと、当時だったら私は精神科での経験どころか
看護の経験もなかったのでまっさらで見たかったぜとも。
あの父親の様子を見るとデヴィッドの病は
遺伝とか作られたものみたいに感じてしまう。
そんなに簡単なことではないことも分かっているけれど。

父親が息子を自分の夢でガチガチにして苦しめる。
「自分がやりたくてもできなかった」ことを
子どもに強要していくことは実は案外簡単で
結構な数の親がそれをやってしまう。
「子どものやりたいこと」を「そっち」に向ければいい。
無垢な赤ん坊をそっちにしたら容易だろう。

才能があったからまだ良かった、デヴィッド。
これで才能がなかった場合は一体どうなってしまったのだろう。

デヴィッドは、配偶者にも恵まれて
父親もとっとと死んでくれて
今はまあ、幸せなのかもしれないけれど
ひとりの人間の精神を壊した父親の罪は重い。

実際にこういうケースは少なくない。
ので、すごくいい映画だし泣いてしまうのだけれど
父親の「俺の方が苦労してんだ」みたいなのとか
胸糞悪すぎた。
そして実際のケースはデヴィッドのように
良い配偶者を得て幸せに暮らしましたとさ、には
殆どならない。
そういうケースの数々を思い浮かべてしまい
悲しくなってしまった。
生物として親になるのは簡単だけれど
親というのは学ばなければできない仕事だ。
たぶん、「愛すること」だって技術だからといった
フロムの言うのと同じ。

何はともあれただ、ピアノの音は大好きだから
全編を通して気持ちがよかった。

デヴィッドの鍵盤は、きっと並ばなくなってしまった。
デヴィッドの鍵盤しかなくなってしまったのだろう。
彼を苦しめたのは、呪い。

音楽は数学だと思う。
厳密で、自由で。
詳しくないから私の脳の中でだけは
そういう感じの理解。

で、ピアノ弾きすぎてパンツ穿き忘れてるデヴィッドの姿に
「ああ、やはり数学なのか」
と謎の納得をしてしまった。
数学学会ジョークで鉄板らしいのが
「服を着てこい」
だそうなので。

その後のご夫婦のドキュメンタリーがあるみたいね。
こっちも見てみたいかな。

おしまい。



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