ボーカルギター、志村正彦【THE BEST MOMENTレポ】
前回の記事※でだらだらとフジファブリックの「若者のすべて」という曲への考察を行ったが、あれは全くの駄文であり、間違いであった。
8月4日、東京ガーデンシアターで行われたフジファブリックデビュー20周年を記念するライブを観た。THE BEST MOMENTと題されたライブには、誰しもが並々ならぬ想いを抱えて足を運んだだろう。
私は幻影を追い続け、部屋でひとりフジファブリックを聴く日々であったのだが、6月下旬、何故かふと思い立ち、初めてフジファブリックのライブチケットを取った。そのあとすぐに活動休止が発表された。中村一義のライブを見るため渋谷ラママに到着した時だった。虫の知らせって本当にあるんだと思った。
開演を告げる映像で“彼”の姿が見えたとき、あぁ、そうだよな、と思うしかなかった。
私を救ってくれた「バウムクーヘン」が始まったとき、やるせなくてたまらなかった。ライブで聴けたという喜びと、重みがのしかかって。この歌詞を遺して居なくなられたら、こっちだってつらい。
彼が「若者のすべて」をこの東京ガーデンシアターという大きな大きな会場で歌い出した時、「若者のすべて」とは何なのか分かった。
それは、彼自身だ。
遠くを見つめて、物憂げな顔をする彼の映像を見てそう思った。彼だけ、まだ若者じゃないか。とたんに虚しさに襲われた。その瞬間、涙が溢れた。
「運命」は便利なものではない。それは彼の存在でわかる。約8千人もの命が彼めがけて運ばれて来た。そういう「さだめ」だった。あれは虫の知らせではなくて、彼に招かれたんだ。最高の瞬間の目撃者になるために。
寂しい大人になったと思うのは別に嫌じゃなくて、むしろ生きてきたという実感でもある。山内さんのこのMCはほんっとうに素晴らしいと思った。年を取らない彼には知ることの出来ない気持ちを、私たちは知っていくしかない。
7年は、あまりにも短い。刹那的なその時間で、彼はとてつもないきらめきを放っていた。そんなことが伝わってくる映像のあとに映される、THE BEST MOMENTの文字。そして彼の居場所に、スポットライトが当たった。
「18歳の時に創った曲で、茜色の夕日という曲をやります。」
彼は罪深い男だ。全くひどい去り方をした。フジファブリックのすべてに、ありがとう。そしてどうか、ゆっくり休んでください。
2月にライブあること匂わせてましたけど、もしあるなら絶対に行きます!もっと近い席狙って、フリも完璧にして楽しんじゃうぞ!!なぜなら、フジファブリックは最高の瞬間を更新する、最高のバンドなのだから!!!
※この文章ははてなブログからのコピペです。はてなブログのほうもよろしくお願いいたします。前回の記事ははてなブログでご確認ください。
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