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状況報告と進捗報告の違い(進捗報告とは?)#249

サポートしているプロジェクトでちょうど
「進捗報告」
の話になり、感じることがあったので書いておこうと思いました。

そのプロジェクトで
「来週から、各リーダーから進捗報告をしてください」
とリーダーからメンバーへの指示がありました。

なお、そのプロジェクトでは初めての進捗報告であり、またメンバーも進捗報告慣れしていないメンバーがほとんどです。

僕の今の立ち位置は、プロジェクトマネジメントやミーティングファシリテーションのマネジメントチームへのOJTです。

プロジェクトに関わりながらも、直接僕がマネジメントやファシリをせずに、実際のケースごとにフィードバックして実践的に身に着けていってもらっています。

そこで、今回フィードバックしたのが今回のテーマの
「状況報告」

「進捗報告」
の違いでした。


■状況報告

状況報告は、まさに
「状況の報告」
です。

何が起こっているのか、何をしたのかを報告する。

これを知らないよりは、知っておいた方がいい。

そして、今回のように
「来週から、各リーダーから進捗報告をしてください」
といった指示だと、進捗報告の経験がない人だと、かなりの確率で
「状況報告」
になるのです。


それは
「進捗報告とは何か?」
を知らないからなのです。


■進捗報告

進捗報告は、まず大前提として
「計画」
があります。

目指すゴールに対して、タスクごとにいつまでに何を誰がするのかといった計画です。

また、進捗報告の目的は、予定した期日、予算内にゴールに到達することです。

だから、進捗報告においては次の3つの報告が最低限必要となります。

■進捗報告に必要なコト(その1)

まずは
「計画に対して、予定通りに進んでいるのか、そうではないのか」
これが進捗報告で最初に必要なコトです。

例えば週次の報告で箇条書きにするのであれば

<作業予定>
・XXXXX(完了予定→予定通り完了)
・XXXXX(完了予定→進捗80%)
・XXXXX(進捗50%→進捗20%)

などです。

パーセントよりも、具体的に1日遅延や半日遅延と書いた方がわかりやすいですね。

ただこれはそのプロジェクトのタスクの属性により、書きやすい表現方法は異なるので、都度判断ください。


■進捗報告に必要なコト(その2)

次に、予定通りであればよいのだけど、予定通りにいかないのが現実です。

そうした時に、次は
「予定よりも遅れている時に、いつまでにどうするのか」
が必要になります。

例えば
「今日中に対応します」

「3日以内に対応します」
ということです。

さらには、後続のタスクへの影響も必要になります。

もし
「3日以内に対応」
としても、そのタスクの後にやるべきタスクがある場合、それらのタスクも
「玉突き状態」
で遅れていきます。

その場合に、スケジュールを見直すのか、別のマンパワーを割り当てるのか、あるいは、一瞬なので、稼働時間を延ばして対応するのか。

遅延に対する対策を報告する。


■進捗報告に必要なコト(その3)

最後に必要なのは、課題や相談事項です。

当初想定していなかった課題が発生したのであれば、まずはそれを報告する。
そして、対応策を考えられるのであれば、案として記載する。

自分のスキルや経験では対応策が思いつかないのであればそのことを伝える。


また、課題までは行かないけど、他のチームのフォローや調整事項が必要であれば、そうした相談事項も書く。

■報告スタイル

進捗報告で最低限必要なのはこの3つです。
だから、進捗報告を指示する際は、この3つについて報告することも指示するとよいのですね。


来週から、各リーダーから進捗報告をしてください。
報告事項は次の3つです。

1.予定と実績
2,遅延タスクがある場合はいつまでに対応するのかのリカバリー案および後続のタスクへの影響
3.課題および相談事項


といった感じです。

そして、報告スタイルはプロジェクトの規模により決めます。

例えば、報告が1、2名であれば進捗報告会そのまま報告してもらってもよいでしょう。
でも、人数が多くなってくると、報告を読み上げるだけでも時間がかかる。

だけど、上記の3項目については
「書いてあるものを読む」
だけでもわかります。

だから、人数が多い時は、僕はメールで報告をしてもらっています。
その上で毎週の進捗報告会を行い、進捗報告では、送付してもらった報告で気になる点を確認したり、協議事項をみんなで話す時間に使い、報告を読み上げるだけの時間(読んでわかること)は割愛しています。


■個人的なアレンジ

僕が報告項目としてよくつけ加えるのが
「全体の進捗状況」
です。

これをABCの3つのステータスで書いてもらいます。

A:順調
B:少し遅れているけど自分でリカバリー可能
C:スケジュールの見直しなど要相談事項発生


これは興味ある人はぜひ試してみてもらいたいのですが、面白いことが起こります。

例えば、進捗報告で遅延しているけどAをつける人。

遅延していてリカバリー案も書き、後続に影響もなし、課題についても書いていないけどCをつける人。


最低限の3項目は定性的な情報です。

一方でABCは、その人が感じていることです。
もちろん、7割くらいは定性的な情報と一致するのだけど、これがずれているところにリスクが内包されています。

つまり、定性情報には書けないけど何かが起こっているケース。

定性情報では
「よく見られたい」
という思いが優先して、問題がないような報告をするけど、実は何か問題がある時など。

リーダーの役割は。可能な限り把握できるリスクは事前に把握するコトと、ただ、それでも想定外のことが起こるので、その時は迅速な対応をすることです。


その
「リスクを検知する仕組み」
として、僕はABCステータスを活用しています。

さて、今日は進捗報告について書きました。

一言で
「進捗報告」
といっても奥が深いですね。


でも、とても大事な部分なので、少しでも参考になれば嬉しく思います。


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