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「地方のラグビーは強くない」が、当たり前で良いのか?岸岡智樹が変えたいこと

2022年4月、ライズTOKYOはラグビー・岸岡智樹選手が運営するラグビー教室事業をサポートさせていただくことになりました。岸岡選手はラグビーリーグワン クボタスピアーズ船橋・東京ベイ所属の現役アスリートでありながら、2021年からラグビー教室を展開しています。

2022年は、内容をさらにパワーアップ。一日開催のラグビー教室に加えて、一泊二日のサマーキャンプも開催されます。全ての子どもたちに「ラグビーは楽しい」と体感してもらい、続けるきっかけを創出すべく、岸岡選手が自ら企画しています。

岸岡選手がラグビー教室を展開する背景には、どのような思いがあるのでしょうか。また、昨年度の開催で感じたことと、今年さらに注力していきたいことについてもお聞きしました。


岸岡選手(左)と、ライズTOKYO 宮崎社長(右)

全国分け隔てなく、ラグビーを楽しむ子どもたちを増やしたい


ー2021年の教室では、「日本ラグビー界における地域格差の改善」をいちばんの目的にされていました。今回、「ラグビーの楽しさを伝える」ことをメインにした背景をお聞きしたいです。

岸岡:ラグビーを続ける上で、根底に「純粋に楽しい」という気持ちは欠かせないと思うからですね。

2019年のラグビーW杯の影響もあって、小中学生の競技人口は増えています。しかし、高校生になると減ってしまうんです。日本では、ラグビーはお金がかかると言われています。社会人リーグでは大企業のチームが強い傾向にあります。最終的に加入しようと思うと当然大学を出ている必要がありますし、私立の方が就職に強い傾向があります。

偏差値の高い私立大学に入るためには、高校も進学に強いところがいいですよね。その結果、都心部の高校に強い選手と指導者が集まって、地域格差が拡大しています。都心の高校に行かなくても、地元でラグビーを続けたいと思う子どもたちを増やしていきたいと考えています。

続けてもらうためには、根底には「純粋に楽しい」という気持ちが欠かせないなと。この気持ちが土台にあって初めて「上手くなりたい」、「もっとやりたい」と思うようになり、子どもたち発信で続ける選択肢が出てくるのではないかと思っています。

ー地域格差を解消するための、さらに深ぼった第一目的なんですね。実際昨年の教室では、地域格差についてどのように感じられたのでしょうか?

岸岡:地方ほど、子どもたちが純粋にラグビーを楽しんでいると感じました。始めたきっかけは周囲の影響だったとしても、続けていくためには本人の意思が重要です。だからこそ、小学生のうちはこの「楽しいからやっている」感覚が重要なんです。

逆に、関東や大阪などのラグビー人口が多い都心部では、「プロになりたい」などの夢を持ってプレーしている子が多いと感じました。熱量の方向性が、地方と都心部で異なります。これには、保護者の方のお子さんへの“英才教育”意識も関わっていると思います。

ー“英才教育”というと。

岸岡:都心部では、保護者の方の意思で申し込んでくださることが多いんです。保護者の方が情報をキャッチして、「子どもを通わせよう」と。僕のことを知らずに来る子どもたちも多くいます。地方だと来る子どもたちは僕を知ってくれていますね。

ー情報の広がり方の違いも、影響していそうです。

岸岡:まさに昨年、都心部と地方の情報格差を課題として感じました。イベントの告知媒体は僕のSNSのみで、あとは口コミを期待していたのですが、地方では通用しませんでした。僕のフォロワーは、ラグビーが盛んな都心部の方が多いので、なかなか地方には広がらなかったです。

ー情報格差を受けて、今年はどのように改善されるのでしょうか?

岸岡:地方ではそもそも都心部よりラグビー人口が少ないので、都心部ほど広がりを作ることはできないと思います。一方で、コミュニティが狭いからこそ、情報が広がっていくスピードはとても早い。ここに着目しました。

各都道府県のラグビー協会に、地道に営業をかけていこうと思っています。協会を通じて発信することはできませんが、協会に関わっている方の多くはお子さんがいらっしゃるので、個人的に拡散していただくようにお願いしようと。

ー協会は影響力がありますが、制限が多いですよね。活動が大きくなっていけば、むしろ協会側から一緒にやろうと声をかけてくれる気がします。

岸岡:そこまでいけば僕も活動しやすくなりますし、より多くの方々を巻き込めそうですよね。「協会も関わらせてほしい」と言っていただけるくらい、価値のある活動を続ける必要があります。ラグビーに限らず、スポーツ全体のロールモデルになるようなムーブメントを起こしていきたいです。

「別にやらなくても良い」ラグビー界の概念を覆したい


ー「現役選手の新たなキャリアモデルの創出」も目的に掲げられています。現役選手が競技以外の活動をすることに対して、ラグビー界ではどのように見られていると感じますか?

岸岡:選手の意識も上がっていて、競技以外の活動をマイナスに捉える人は少なくなっているのではないでしょうか。自分の思いを発信する選手も増え、ファンの方も選手のアクションを知ることができています。僕も、「こいつなんかいろいろやっているな」と認識されてきたと感じています。

ー周りの選手のリアクションはいかがですか?

岸岡:面白いね、とは言われます。ただ「一緒にやりたい」、「じゃあ僕もやってみよう」と広がっていくケースはわずかですね。

そもそもラグビー界の構造として、ほとんどが企業チームであり、「選手兼社員」です。選手を辞めたとしても社員ではあり続けられますし、大企業が多いので安定しています。その会社で生涯働く予定なのであれば、わざわざ何かをする必要はないですし、その方が断然楽です。

ー特にやらなくてもいい、と。

岸岡:「別に自分がやらなくても」という感覚ですよね。現状で困っていることは何もないし、「好きなラグビーができて、今後の人生も保証されている」という状態。その中でアクションを起こそうと思う選手は少ないです。

逆にプロ選手の方は、選手としての雇用が終われば“無職”になります。30歳を過ぎて、何をしようかと悩んでいる方が多いように感じます。そういった方々に対して、「社会人3年目の岸岡ができているんだから」と思ってもらえれば嬉しいですね。

ーこれまで活動されてきた中で、現役中にアクションを起こすメリットをどのように感じられていますか?

岸岡:ありすぎてわからないですね(笑)。ラグビーだけでは出会う人が限られます。ですが活動のおかげで、さまざまな職種の方と繋がりができました。僕の場合は、それがモチベーションにもなっていますね。多くの選手は純粋に「ラグビーが好き」という気持ちと、お金稼ぎのために続けている場合が多い中、プラスアルファで自分の原動力になっています。

具体的に何を得られているのかは、僕にも分かりません。ただ、意識しているのはもっと先です。10年経って可能性や選択肢が広がった時、「あの時やっていて良かったな」と思えるかなと。

ー岸岡さんだからこそ見せられる背中や、届けられるメッセージも多いと思います。どういった存在でありたいと思いますか?

岸岡:ラグビーでは、日本代表レベルにならないと取り上げられないのが現状です。これがすごくもったいないなと。僕はまだ日本代表になっていない立場を活かして、「こういう人でも活動していいんだ」、「できることはあるんだ」と思ってもらいたいです。

競技を続けようという気持ちにも繋がります。僕自身、社会人になるときに「ラグビーをやらなくてもいいや」と思ったこともありました。それでも競技を続けた理由は、“競技だけ”の人しかいないラグビー界を変えたかったからでした。ラグビー界で新たなキャリアモデルを提示し、引っ張れる存在になれればと思っています。

岸岡智樹だから、与えられる価値を


ー昨年開催して、もっともやりがいを感じた瞬間を教えてください。

岸岡:教室終了後、質問をしに来てくれた子がいたんです。進学を控え悩んでいる、といった内容でした。その後、「あの時のアドバイスがあったから、ラグビーを続ける選択をしました」と保護者の方から連絡があったんです。

もしかすると、伝えている内容自体は保護者の方と変わらないかもしれません。ただ、アスリートである僕の言葉だったから重みがあったのではないかと感じた瞬間でした。子どもたちにとって「誰に言われるか」はとても重要です。言葉に責任を持ちながら、自分の価値を最大限活用していきたいです。

ー逆に、難しいと感じた場面はいつでしたか?

岸岡:子どもたち同士の熱量の差とどう向き合うのかが難しかったです。

一回限りの教室で、熱量が高い子にも低い子にも「ラグビーが楽しかった」と思ってもらわなければなりません。年に1回しかないこのイベントが面白くなければ、ラグビー自体面白くない、となりますよね。全員にとって価値のある時間にするためにどう進めるべきなのかは悩みました。

ー今回は、どのように参加者のレベル感の差と向き合っていくのでしょうか?

岸岡:熱量が高い子どもたちが多く集まる都心部では、合宿形式にしました。グループに分けて、レベルに合わせた濃い指導ができるのではないかと考えています。

「一日の約三分の一を占める睡眠の質を上げないなんて、もったいない」


岸岡:今回、ライズTOKYOさんにラグビー教室のスポンサーになっていただくことが決定しました。当日のマットレス&枕体験ブースの出展に加えて、合宿では座学の一環として睡眠セミナーを実施していただく予定です。

僕自身、寝起きが悪いタイプで、大学時代に睡眠指導を受けてからパフォーマンスが改善された経験があります。だからこそ、睡眠の重要性を伝えていきたいと思っています。

トレーニング器具や食事は、どのアスリートもお金をかけてこだわっていると思います。睡眠はお金をかけずに改善できる部分がたくさんあるのに、意識を向ける人は少ない。一日の約三分の一を占める睡眠の質を上げないなんて、もったいないですよね。寝る前後に少し意識するだけで変わる部分も大きいです。

僕は、めちゃくちゃ休むようにしています。それでもトレーニングをやりこんでいる選手と同じか、それ以上のパフォーマンスを出しているので、休むべきなんです。特に学生は、怪我のリスクが高まるとわかっていながらも、「練習をしているやつの方が偉い」という風習がいまだにあって休めない選手が多いです。意識的に睡眠をとることが、実は一番パフォーマンスアップに近いと感じています。

ー最後に、今回の教室に参加する小中学生に、もっとも感じてもらいたいことを改めて教えてください。

岸岡:繰り返しになりますが、純粋にラグビーの楽しさを感じて「続けたい」と思ってほしいです。続けてほしいのにも理由があります。ラグビーはチームスポーツで、社会の縮図だと感じています。周りのことを考えてコミュニケーションをとるなど、社会に出て役立つ要素は本当に多いです。

参加した子どもたちにとっては10年後の話になるかもしれませんが、彼ら彼女らがどこかで僕と同じようにラグビーに関わってくれると嬉しいですね。僕は現役選手という立場で活動していますが、ラグビーへの関わり方の幅が増えていってほしいです。


岸岡さんのラグビー教室について、詳細はこちらから!

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