選手の日常を徹底して把握し、睡眠改善へ。ブレントフォードFCは睡眠からビッグクラブに立ち向かう
英プレミアリーグを戦う、ブレントフォードFC。4月2日のリーグ戦では、強豪のチェルシーを倒し話題となりました。
彼らが選手獲得に巨額の投資ができるビッグクラブと互角に戦うために力を入れているのが、睡眠です。
「われわれが結果を出すために重視しているのは、とにかく基本を徹底することです。技術的なトレーニング以外では、質の高い睡眠こそがパフォーマンスを最大限発揮する鍵を握っていると信じています」とパフォーマンスディレクターのChris Haslam氏は話します。
ブレントフォードで取り組んでいる選手の「スリープスクリーニング」とはどういうものなのか。2016年から睡眠指導の専門家としてチームを支えるAnna West氏のコメントを紹介します。
独自の質問項目で、“見えない”選手の事情を確認
クラブの睡眠指導を始める際にWest氏が初めに行なうのは、選手一人ひとりの睡眠状況と環境を把握することです。
そのために、サッカー選手専用の質問項目を作成。内容は、「子供はいるのか」「夜遅い試合の後は家に帰るのか、ホテルに宿泊するのか」「食事の時間はいつか」「どれくらい汗をかくか」など、幅広い構成となっています。
その結果をみて、選手の睡眠に影響していそうな要素を抜き出し、改善方法を模索していきます。その後、睡眠が整っていない順に、赤・黄・青の三色に分類します。赤組は、睡眠について何かしらの悩みを抱えていて、夜眠れないこともある選手たちです。青組の選手たちでも、概ねしっかり寝ていてもどこかしら改善できる場合が多いです。
選手との対話で大切にしているのは、まずは信頼関係を作っていくことだと言います。選手が信じてくれない限り、サポートすることはできない。お互いになんでも相談できるような関係性を築いていくことが重要だと指摘します。
いきなり0から100のような変化がないようにすることも、気をつけていると話します。急激に環境や習慣が変わると、かえってストレスを感じることがあるかもしれません。選手一人ひとりと向き合って、徐々に、少しずつ改善させています。
睡眠は、日々欠かさず行なう生活と密着したもの。だからこそ、日常的な環境や状況について知ることが睡眠の改善に繋がるのです。
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