9度の日本一を経験。アイドル・仲村まひろは眠るときでもバトンと一緒
本特集企画「準備が8割。勝利のためのルーティーン」では、食事・睡眠・休養において、日々勝負の世界で生きるアスリートのルーティーンを取り上げていきます。
第2回は、現在グラビアアイドルとしてテレビなどで活躍する仲村まひろさん。実は彼女、バトントワリングで9度の日本一を経験しているトップアスリートなのです。
全国レベルの強豪校で競技を続けていた中で、始める前と比べて健康状態も上向きになったとのこと。
今回は、天真爛漫に競技に打ち込んだ現役時代と、当時の生活習慣についてお伺いしました。
世界を目指してバトンに向き合った
バトンを始めたのは小学校2年生の時です。母にバトンの発表会に連れられて、そこに出場していた選手達が白いスカートを着て踊っていたのがすごく可愛くて「これを着られるなら私もしたい」と思って、最初は軽い気持ちで習い始めたんです。
実を言うと、その発表会は立ち見だったので、背が小さかった私はバトンが見えていなかったので、はじめてスクールに行った時には「え?この棒はどうするの?」って思っていたくらい最初は良くわかっていなかったんですけどね。(笑)
初めの頃は週に一度、1,2時間ほどの練習でしたが、周りの生徒よりも少し上達が早かったのか、当時指導をしていただいていた先生が「娘さんは才能があるので、練習時間を延ばしてみませんか?」と母に声をかけてくださったんです。
そこから全国選手権大会出場を目指す「選手コース」に入れていただいて、気がつけば毎日バトン漬の日々になっていました。
中学校からは全国大会へも出場経験のある私立の学校に特待生として入学させていただきました。中高一貫校なので、6年間同じ学校でバトンを続けさせていただいて、朝は8時から朝練、昼休みも練習、放課後も長い日で20時頃まで練習の日々でした。
バトンに出会った、小学校時代
部活以外にも別のスクールでもバトンを習っていましたので、とにかく、食事や睡眠の時間以外はずっとバトンの練習をしていました。
テレビなどもほとんど観ることが出来なかったので流行にも疎く、母にはじめて音楽プレーヤーを買ってもらった時も流行りの音楽がわからなくてどんな音楽を入れていいのか分からなかったほどなんです。
目標にしていたのは「世界大会出場」でした。高校生の頃に、あと一歩でその夢が叶うというところまで行ったことがあったのですが、その年の世界大会出場を決めるための選考会が、直前に起こった東日本大震災の影響で中止に・・。
世界大会に出場が出来なかったら競技を引退しようと決めていたので、その時に第一線を退く決意をしました。
でも今はまた、バトンを回す動画をSNSに毎日投稿していたり、バトンでのお仕事でテレビに出して頂けるようにもなり、再び毎日のようにバトンに触れる生活をするようになりました。
お仕事でバトンを使う時にはバトンと仲良くなる意識で、バトンと一緒に寝るようにしています。現役時代も大会の前日には枕元に置くようにしていて、今でも続いている習慣です。
バトンには、たくさんの思い出が詰まっている
バトンとの出会いをきっかけに健康状態も上向きに
もともと競技を始めるまでは体が細くて、入院を繰り返したりもしていて、体調面が安定していませんでした。でも、バトンと出会ってからは食事の量も増え、筋肉もつくようになってきて。
徐々に健康状態も良くなっていきました。子供でしたので、自分では特に意識することはなかったのですが、栄養管理などはすべて母がしてくれていました。母にはすごく感謝しています。
今はお腹周りが気になるので腹筋はしていますが、特に他は何もしていなくて…。バトントワリングは体操のような動きも多くて全身を使う競技なので、自然と筋肉がつくんです。
自分ではあまり意識したことがなかったのですが、お腹周りのくびれや背中などを褒めていただくことも多くなりました。
もともと明るい性格だったので、バトンを始めてからは常に元気に動き回っている子でした。歯止めが効かないというか、ずっとハイテンションだった気がします。
練習と練習の合間の休憩時間にビーチフラッグをしたり走り回っていて、その頃はすごく体力があったんだなと思います。
一方で、大会直前に高熱を出したり、オフ明けに体調を崩したりすることもよくありました。知らない間にプレッシャーがかかってしまっていたのか、大会当日に知恵熱のような高熱を出してしまったことも。
そういう時は解熱の薬を飲んで無理矢理出場したりしていましたが、周りにはケガをしていても痛み止めを飲みながら出場しているような人もいましたので「熱くらいで私は休めないな」と思っていたんです。今思うと、当時はかなり体育会系だったなと思います。
現役の頃は体力を使っていたのでよく眠れていましたし、むしろ練習から帰って来たあとにお風呂で寝落ちをしてしまうようなこともよくありました。
ですが、最近はコロナ禍の影響で時間が空いてしまうことも多く、寝なくても“朝まで元気”みたいな状態になってしまっていることがたまにあります。ただそれは身体にとっては良くないことなのではと思っていて、体調管理には気をつけるように意識する中で、特に睡眠はしっかりととろうといつも心掛けています。
バトンが教えてくれた“やり切ること”
バトンは私に“やり切る”ことを教えてくれました。小学生の頃は大会に出ても、結果が出ないことが多かったんです。「どうせ頑張っても、他の人はもっと上手だし…」などと思い込んでしまって練習をしなかったこともよくありました。
しかし中学生になってからは誰にも負けないくらい練習に練習を重ねるようになり、やがてきちんと結果が出せるようになっていって、そのおかげで何度も日本一になることが出来たのです。
一生懸命やり続ければ必ず形になって得られるものがあるという経験をしたことで、芸能活動という先が見えなくて、何をどうすれば正解なのかがわからない世界でも、いつか必ず結果が出ることを信じて続けられているのは、その頃の経験が糧となっているからだと思います。
今はバトンを「可愛いアイテム」として皆さんに見ていただけるようにしていきたいと思っていて、私をきっかけにバトンを始めてくれる人がいたらいいなというふうに思っています。
技術を押し出すだけでなく、かわいいお洋服を着ながらおこなう演舞を見ていただいて「バトンって可愛いな!やってみたいな!」と思ってくださる方が増えると嬉しいですし、バトントワリングがもっともっと広まってほしいと思います!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?