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「家族の幸せ」の経済学 (#読書の秋2020)

結婚する事は出来ないのかな…、
30歳を少し過ぎる頃にはまだあった両親からの結婚のプレッシャーもほとんどなくなり、私自身、8割くらい結婚する事を諦めていた昨年、私は結婚した。

そして、夫と二人で最小単位の【家族】を作った。
この先近い未来に、出産をして家族を増やしていくことを願っている。その目標の目的は、もちろん幸せになる為である。

あらすじ                       結婚、出産、子育てにまつわる事柄について、経済学をはじめとしたさまざまな科学的研究の成果をもとに、家族がより「幸せ」になるためのヒントを紹介します。経済学というとお金にまつわる学問だから、結婚、出産、子育てはもとより、「家族の幸せ」などは関係ないのではないかと思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。経済学は、人々がなぜ・どのように意思決定し、行動に移すのかについて考える学問ですから、そこで得られた知識を活かすことで、家族の幸せにより近づくことができるのです。

まだ、出産・子育てをしていない私にとって、経験から共感できる内容は、第1章の結婚とそこにつながる恋愛についての章である。
本書に書かれている、人々が結婚に何を求めているのか。それは、私が結婚に求めたそれと殆ど同じであった。男性の5人に1人、女性の10人に1人は「生涯独身」であるというが、そもそも生涯独身とは、50歳時点での未婚率である。51歳で結婚しても、25歳で離婚したとしても生涯独身としてカウントされるのは、令和の時代に少々ナンセンスなのではないかと個人的には考える。ちなみに男性の方が再婚する人が多いので、男女差がこれほどあるのだそう。
これは、おそらく男女の結婚に何を求めているのかの違いから来るものなのではないだろうか。私の周りのバツイチと言われる友人達は、男性は再婚したがっている様であるが、女性達はもう男はいいわ〜といったような感じである。男性の方が結婚におけるプラス面が多いのだろうか?まだ結婚生活初心者の私が考える結婚に於ける最大のメリットは精神的安定であるように思う。私の理論で言えば、男性の方が寂しがり屋なのだろう。

世界的に見た統計で、カップルというのは【似たもの同士】が一番多いそうで、納得である。若い頃に読み漁った恋愛How to本には、「いい男と結婚したければ、いい女になりなさい」とどの本にも書いてあったような覚えがある。結果、別にいい女にはなれなかったので、いい男とは巡り会えなかったが、優しい人と出会えた。私も優しい人で有りたいと思う。

第2章から5章までの出産・子育て・幼児教育に関しては後学として興味深い内容であった。
特に父親の育休について、日本は諸外国と比較して制度的にはかなりの父親育休先進国とのことだが、取得率はとても低いのだ。取らないのか、取れないのか。育休は『伝染』するそうだ。
以前勤めていた職場の上司は、きっかり6時半になったら、帰宅する方だった。自分の仕事がいっぱいいっぱいで残業せざるを得ない時は、妬ましく感じたりする事もあったが、上司が帰らないと帰れない。という部下の心理を考えての行動だったのだろうと思う。おそらく育休もそのように、上司の取得実績があると取りやすくなるのであろう。

また、海外でのデータでは父親の4週間の育休取得は、父親の所得を2%ほど下げ、その影響は子供が5歳になった時点でも消えないそうだ。
たった4週間の育休でそれ程影響が出る事に驚きだが、これは社会的評価が下がるわけではなく、父親が自分の選択として、育休後も子育てや家事に関わるようになり、仕事に費やす時間とエネルギーが減った結果なのではないか。との推測であった。収入より『家族の時間』を選択するからでは無いかというのだ。
確かに人は経験からしか行動が出来ないと聞く。仕事をして出世していくことしか見えていなかった世界に、初めての子育てを実際に1か月経験し、奥さんと一緒に親になっていく経験をすることで、人生の選択肢が広がるのだろう。その結果、価値観が変わることだってあるだろう。選択肢が広がるという事は、本当に幸せな事だと思う。

そして、最後の6章、離婚の経済学については私には関係のない話のままで暮らして行ける事を願っている。

心に響いたのは、読了後の後書きにて、

あとがき

全ての物事には良い側面もあれば、悪い側面もあります。だから、それらを総合的に考慮した上で、あなたと家族にとって何が幸せにつながるのかを、あなた自身が選び取ってください。科学的研究は、私たちがより良い選択話する上での助けにはなりますが、「何が自分にとっての幸せなのか」までは教えてくれません。あなた自身の価値観に従って、科学的根拠を知った上で、ご自身と家族の幸せを考えてみていただきたいと思います。

家族を作る事はゴールではない。
幸せになる事がゴールなのだ。誰かに評価される幸せではなく、私達らしい幸せ。
私達の幸せになるための生活はまだ始まったばかりである。

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