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フッ素入り歯磨き粉の現在地

歯科衛生士養成校に教員として就職した時に、私が学生時代に使っていた教本とは全く違う教本を見て、とても不安になりました。
新しい情報をキャッチして勉強してきたつもりだけど、私はちゃんと歯科衛生士として必要な情報をアップデート出来ているのかな、と。

医療は進化します。
日々、様々な研究がなされ、私が学生時代に学び覚えた事が、今は違っている。なんて事も多々あります。

教職退職後、30代、40代の歯科衛生士さんから、最近の学校教育ではどんな事を教えているのか聞かれる事が多々あります。

その中で、今日はフッ素配合の歯磨き粉について、アップデートされた情報をお伝えしたいと思います。
と、いってもそれ程目新しい話ではないのですが、未だに歯磨き粉には研磨剤が沢山入っているからあまり付けずに磨いてください!と指導している歯科衛生士もいるようですので、その歯科医院に新卒の歯科衛生士が就職したら、その子も学校で習った事は忘れて、その指導になってしまい、それでは患者さんの為になりません。

では、フッ素入り歯磨き粉の考え方の変化についてです。私が学生の頃は従来の方で学んだ覚えがあります。ちなみに現在、市販されている歯磨き粉にフッ素が配合されているものは2015年のデータで91%にのぼりますので、基本的な歯磨き粉の使用方法として考えて頂いてよろしいかと思います。

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フッ素入りの歯磨き粉を使用する虫歯予防メカニズムは、歯磨きの後に、口の中に保持されたフッ素イオンによる、歯質の再石灰化(虫歯寄りに傾いた歯の表面を元に戻す事)と、細菌の働きを弱めることにあります。この時の口の中、とは、歯の表面、粘膜、唾にとどまらず、歯垢(プラークとも言う、歯表面の付着物)にもフッ素イオンは保持されます。

つづいて、推奨される効果的な使用方法についてはこちらです。
1.年齢に応じた量の歯磨剤をつける
2・歯磨剤を歯面全体に広げる
3・2~3分間泡立ちを保つように磨く
4・歯磨剤を吐き出す
5・5~15mlの水を口に含む
6・5秒間程度ブクブクうがいをする
7・うがいは1回だけとする
8・1~2時間程度は飲食をしない


年齢別の応用量と濃度がこちらです。

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6歳未満の子供には1,500ppmのフッ素入り歯磨き粉は使用出来ません。など、年齢によって濃度・応用量が変わります。
ポイントは、0歳児からの使用と言うことと、15歳以上の2センチ!たっぷりです。それから、終了後にうがいをし過ぎない事。15mlって本当に少量です。

歯科医院で、歯磨きの方法で以前指導を受けたものとは変化していることもあったかと思います。
以上はすべて虫歯予防に関してのお話です。歯周病予防に関しては、またお話出来ましたらと思います。

何だか授業みたいなnoteになってしまいました。私自身、沢山の方のnoteを読ませていただいて、さらに魅力的に、少しでもお役に立てるような発信が出来るようになりたいな、と思っています。

最後まで読んでいただいて有難うございました。


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