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サービス開発だけじゃない!デザインスプリント活用してるってよ。

こんにちは、レシピサービス開発部のデザイナーの田中りさこです。

今回は、クックパッドで行うデザインスプリント(※)を活用した開発について書きます。

最近デザインスプリントを実施されたと聞いたので、コーポレートブランディング部の杉田さんにお話を伺いました😊

※ デザインスプリントとは、この本でも有名なGoogle Ventures社で開発された、短期間で集中的にプロダクト開発を行うフレームワークのこと。

田中:早速ですが、うわさのデザインスプリント、何をテーマにされたのかお聞きしたいです。

杉田:うわさ(笑)はい。Organicに合わせた新しい名刺を作るためのデザインスプリントをしました。

田中:おー!Organicといえば杉田さんが昨年策定したクックパッド株式会社としてのコーポレートブランドデザインですね。

杉田:そうです。少し前に「Organic」というコーポレートブランドデザインを開発しました。そこで、新しいブランドコンセプトを名刺に反映させることを目的としたデザインスプリントを行いました。

現在のクックパッド写真の名刺


Q.普段のデザインスプリントとの違いは?

田中:なるほど〜🤓  今回は、デザインスプリントの「活用」ということで、通常5日間で行うデザインスプリントですが、やり方の違いなどはありましたか?

杉田:はい、通常のものとはプロセス含めて少し違っています。
今回は、ソリューションスケッチをするところまでの2日間短縮版で、メンバーがリモートと物理の半々で参加しました。途中のプロセス含め通常のものとは少し違うのが特徴的です。

通常のデザインスプリント(出典:よりユーザーを中心としたデザインスプリントを考える


Q.どうしてデザインスプリントを活用することに?

田中:「名刺を作る」というアウトプットは決まった状態でのデザインスプリントだったということでしたが、杉田さんが一人で作ることもできたと思うのですが、そもそもなぜ今回デザインスプリントという形式でやろうと思われたのですか?

杉田:名刺をつくるという目的だけを達成するために人を集めても、デザインスプリントというか、ただのアイデア発散の時間になってしまうと思いました。
なので、今回は「Organicを社内外にどう浸透させていくのか」ということまで含めたお題に設定しました。これは名刺に限った話ではないと思っていたので、専門家インタビューでは他のツールや方法でも浸透のやり方はあると思い広くお話を伺いました。


Q.参加メンバーはどのように決めましたか?

田中:参加メンバーは全員がデザイナーだったようですが、メンバーはどのように決めましたか?

杉田:今回はアイデア出し、且つグラフィックデザインに長けているメンバーに声をかけさせていただきました。この状況下でおこなったので人数制限もありましたが、コミュニケーションデザイナーだけではなく、グラフィックが得意なプロダクトデザイナーにも参加してもらいました。

Q.1日目、2日目は何をしましたか?

田中:1日目、2日目は何をしたのか順番にお聞きしたいです。まず、専門家インタビューはしましたか?どなたをお呼びしたのですか?

杉田:はい、通常のデザインスプリントと同様に行いました。
まず、Organicのコンセプトなどをメンバーにも理解してもらうために、ブランドデザインを担当した自分。
次に、特に会社の中でデザイン組織の規模感も近く、グラフィックデザインに力を入れて作っているイメージがあったSmartHRさんと、BX(ブランドエクスペリエンス)というブランド体験をデザインする専属の部も構えているLINEさんにお話を伺いました。
さらに、頻度高く対外的に名刺を使っている社内の営業の方のお話を伺いました。

田中:普段聞けない他社さんからの貴重なインプットの機会を設定できるのもデザインスプリントならではですね〜

専門家インタビューのグラフィックレコーディング

杉田:その後、今回のゴールを達成するために必要なことを質問形式にしたHMW(How Might We)をみんなで出し合い決定しました。
そして、名刺として機能するのは当然ですが、Organicが浸透するであろう名刺の使われ方のマップをみんなで考え作りました。

田中:使われる場面をイメージして、メンバー全員で認識を揃える重要な時間ですね。

みんなで作成した名刺の使われ方マップ

杉田:ここまでが1日目ですね。
2日目にクレイジー8とソリューションスケッチをしました。

田中:通常のデザインスプリントだと、このあとに高速デモ(アイデア具体化のために他社事例を参考にする時間)をしますが、スキップしたのはなぜですか?

杉田:一般的なスプリントよりもアウトプットが「名刺」と具体的だったので、アイデアのために時間を確保するため、1日目をここで終え、各自調べる時間としました。

田中:なるほど。今回の場合、詳細を考えるために各自しっかり時間をとることにしたんですね。その後のソリューションスケッチはどうでしたか?

杉田:このデザインスプリントでは、「どうやってコミュニケーションさせたいか?」というところから、みんなで同時に考えるので、より柔軟なアイデアがでやすいように思いました。
自分一人ではこういう風に考えなかったなというアイデアも沢山でたので、この形でやってよかったと思っています。

田中:たしかに。様々なアイデアがでていますね。ソリューションスケッチを見ても、全員がストーリーベースで、文脈を含めて考えている様子もわかります。

参加者のソリューションスケッチ

田中:最終的にアイデア発散をしたあとはどのように会を終えられたのですか?

杉田:みんなにも最初に伝えていましたが、このスプリントで、名刺のデザインを完成させることは考えていませんでした。繰り返しになりますが、どのようなアイデアでOrganicを浸透させることができるか、という点がゴールだったので一つのアイデアだけではなく、良いアイデアをかけ合わせるために、複数のアイデアを選定させてもらいました。

田中:なるほど。このデザインスプリントから杉田さんが実際に制作開始されたということですね。その後、名刺は今どのような感じですか?

杉田: そうですね。ほぼデザインはできているのですが運用面をつめている段階です。デザイン自体は僕のほうで行っているのですが、参加者には都度レビューしてもらっています。

田中:完成を楽しみに待ちます!


Q.率直な杉田さんの感想は?

田中:お話ありがとうございました。デザインスプリントを終えて、杉田さんの率直な感想をお聞きしたいです!どうでした?

杉田:クックパッドの名刺といえば、実は過去に書籍になるくらい特徴的で、歴史もあるものでした。そういう意味では会社を表現できている名刺だったと思います。

でも新規事業が増えたり、会社としてのステージも変わったりと環境が変化するなかで、「今」の会社を正しく伝えることができるよう名刺をアップデートしたいと考えていました。

ですので良い意味で、今までの名刺の延長線上になるべきと思っていたのですが、その中でも、注力事業であるクックパッドマートで使用できるクーポンを掲載するアイデアや、環境配慮を踏まえ土に還る用紙を使用するアイデアなど幅のあるアイデアがたくさん出てよかったです。

Q.リモート混合のデザインスプリントは大変?

田中:物理出社とリモート出社と混合のデザインスプリントだったと伺いましたが、大変だった点はありましたか?

杉田:特にありません。アイデアはMiroでボードを作って管理していました。アイデアの写真を撮って貼るのも、リアルタイムで共有できるので特に困りませんでした。

田中:今までデザインスプリントと言えば、みんなで集まって部屋に缶詰でやるぞ!というイメージがあったのですが、案外問題なくできちゃうんですね〜

杉田:今回は作るもの自体が決まっていたから特殊だったかもしれませんね。

田中:そうですね。実際にものを使ってデモ形式でインタビューする必要がある場合等は難しいかもしれませんね。

Q.コミュニケーションデザイナーでもデザインスプリント使える!具体的によかった点は?

田中:どのような点が具体的に良いと思いましたか?

杉田:グラフィックデザインは特に、アイデアの考え方の幅が属人的で、過去の経験や技術に囚われがちなので、刺激を受けながらアイデアを出すうえでの柔軟性をもった思考力を養えるのではと思いました。
また、アイデア出しの質も、単に「名刺考えて」といってやる時と比べて高いと思いました。

Q.あえていうなら、次回改善したい点は?

田中:もし次やるなら、こう改善するな〜と思うことはありますか?

杉田:参加人数をもう少し増やしたいと思いました。

今回はメンバーがコミュニケーションデザイナー中心でこれほど多様なアイデアがでたので、さらに違いや幅をだすには、コミュニケーションデザイナーじゃない人をメンバーに入れるのも良いと思います。

田中:いいですね。やってみてよかった点は今後どんどん変えながら開発するのも楽しそうです!(私もやってみたい!)


おわりに

田中:お話を聞いて、いわゆるサービス開発以外のコミュニケーションデザインでもデザインスプリント活用できるんだなと思いました!!

杉田:そうですね。コミュニケーションデザインでもデザインスプリントの形式を使って、広い視点から最終的なアイデアをつくるのが有効だと分かったのはいい発見でした。

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これまでクックパッドで数々の新規事業・新機能の場面で実施してきた
「デザインスプリント」のリアルな事例について、ファシリテーター、事業責任者、デザイナーの立場から倉光・米田・島がざっくばらんにお話しします!


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