留学の価値

昨年度の5ヶ月間の留学について、少し前に振り返る機会があった。その時考えさせられたのが、留学の価値。

私にとっての留学の価値、それは「ちょっとより良い自分に出会えたこと」だと思った。

新しい環境で、様々な考え方に触れたけれど、23年間かけて築いてしまった価値観は変わらなかった。
成長実感はあるけれど、日本で約5ヶ月本気で何かに打ち込んだって成長できただろう。

そんな中、「習慣をリセットすること」は留学でないとできなかったことだと思う。

1人でご飯を食べる日が増えた。
ちょっとしたことでイライラしても、愚痴を吐ける相手が周りにいなかった。
バスが全然来ないし高いから、駅まで30分歩かなきゃいけなかった。

そして、デンマークならではの刺激に触れた。

金曜日は1時からビールを飲むようになった。
授業は絶対50分で10分以上の休憩があった。
何人かで晩ご飯を食べたときには、そのままおやつをつまみながらいつまでもおしゃべりを続けた。
(めったにない)晴れている日には街の人通りが断然多かった。

日本に帰ってきて、疲れていても電車でイライラしない自分を発見した。
電車の時刻表を見ることなく駅に向かう自分、母が席に着くまで晩ご飯を食べ始めるのを待っている自分、ギリギリの飲みの誘いに乗ってたのしんでいる自分がいた。

常に時間に追われてせかせかしていた私が、ちょっとしたゆとりを大事に、ちょっと穏やかになれていた。

自分の行動を自ら変えるのは、すごく難しい。価値観と同じように、生きてきた年数で育て上げたものだから。
でも新しい環境は、あたりまえになってしまっていた行動をリセットする。いつものようにはいかないぞ、ということばかりになる。
そのタイミングで、新たな刺激に触れることで、気づけば行動を変えさせられている。
しかも面白いことに、現地ではそんな自分に気づかなくて、元々のあたりまえの環境に戻ってはじめて出会う。

ちょっとより良くなった自分を、今もときどき愛おしく思う。
留学、行ってよかった。

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