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私の本棚 #暮らし系エッセイ編10冊 

本日は5月4日。長期休みといえば、noteが書きたくなるのが恒例です。(わかってくださる方いますか?)

普段は”自分をとりもどす・癒やされる”ために週末にエッセイを読むのを楽しみにしていますが、素敵な作品を語りたい・紹介したい・記録したい欲も日々高まっていまして、今回noteを書くことにしました。

私の好きなエッセイ10冊について、その魅力や感想やを添えながら、記録・紹介していきます。参考になると嬉しいです。

1. Lily ―日々のカケラ― 石田ゆり子(著)

石田ゆり子さんが、大好きなものについて書かれた21編のエッセイや、愛犬・愛猫の成長日記などが綴られた一冊。お気に入りの雑貨やインテリア、可愛い動物たちに囲まれて暮らす幸せさが伝わってきます!ほかにも、好きなもので挙げられている、お花、コーヒー、本などなど、大共感。無垢材のような木が多い印象を受けるお家の写真も素敵で、ずらっと本がならんだ本のためのお部屋も憧れしかない!
大人の余裕をまとわれながらも、チャーミングさ、オープンさ、自然さを感じさせる雰囲気も、こんな人になりたいなと思うばかりです。

2. 日々是好日 ―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ 森下典子(著)

エッセイストの森下典子さんが、ご自身が25年以上習われてきた「お茶」を通しての発見をいきいきと書かれたエッセイ。読んでいて頭に浮かぶ映像は、四季の自然の庭が見える茶室に、言葉少なながらもお茶の真髄を教えようと寄り添ってくださる先生、そして人生にもがく大学生〜20代の頃の著者。
著者は就職につまづいたり、失恋したり、親の死に際したり、いろんなことがあるなかでも、週に1度通うお茶の時間には、お手前を通して今に集中して、お茶菓子・茶器・掛け軸・茶室から見える庭・聴こえる音を通して、四季を感じるようになる。
著者が、茶室で降りしきる雨の音に心地よさを感じる瞬間、お手前をする際に頭で考えず今に集中することができた瞬間、沈黙の中にはてしない安息を感じる瞬間などには、五感で味わう幸せ・感動があふれていて、「私もそんな体験をしたい・・・!」と思わずにいられない。それに、本を読みながらその世界に浸りたくて、また読んでしまう。すでに2回は読んでいるけど、また読みたい一冊です。

3. 街と山のあいだ 若菜晃子(著)

登山雑誌『山と溪谷』副編集長を経て独立された方のエッセイ。
この本について、まず言いたいのは、これまで出会った本のなかで、装丁に一番心惹かれたということ!!神戸の本のセレクトショップで手に取った時、本の質感に感動しました。手に触れていたくなるような質感のハードカバーに、シンプルな挿絵。この本が部屋にあるだけで、この本に合わせてまわりをきれいにしたり、洗練された家具にしたいなと思えてきます笑
内容も、四季折々の山を登った際のささやかなエピソードが59篇リズミカルに綴られていて、1篇を読むだけでも、自然を感じられます。登山初心者のころのお話も書かれていて、登山初心者の私も置いていかれず、楽しく読んでいました!

※ちなみに発行しているのが、KTC中央出版のなかの「アノニマ・スタジオ」というレーベルなのですが、そのスタジオの紹介がまた素敵で。なんて素敵な思いで作られているんだろうと、何度も読み返しました。

アノニマ・スタジオは、 風や光のささやきに耳をすまし、 暮らしの中の小さな発見を大切にひろい集め、 日々ささやかなよろこびを見つける人と一緒に 本を作ってゆくスタジオです。 遠くに住む友人から届いた手紙のように、 何度も手にとって読みかえしたくなる本、 その本があるだけで、 自分の部屋があたたかく輝いて見えるような本を。

アノニマ・スタジオ Webサイトより

4. 歳月がくれるもの まいにち、ごきげんさん 田辺聖子(著)

友人がお薦めしてくれた本で読みたいなと思っていたところ、なんと祖母宅にあり!読みました。出版当時85歳の田辺聖子さんが書かれたエッセイ。いろいろな経験をされてきた上での言葉なんだと感じるし、でも柔らかく押し付けがましくない文章で、すっと入ってくるエッセイでした。

素敵だった、2編を引用させていただきます。

「いい匂いのする人」

とっても素敵だなった思う人って、どう言ったらいいんでしょう。
匂いが違うんですよ。ひと言おっしゃっていても何かが違う。
そういうのって、なんとなく肌がわかるものなんです。
その方の持っていらっしゃるものが、いい匂いとなって、ふわあっと漂ってくる。

やりたいことやったらいいんですよ、短い一生なんだから。
自分の好きなことをしたらいい。
面白いことを、先にやりましょ。
そうして自分を喜ばせてあげないと。

思い出すと口がほころぶようないいこと、素敵なことを
いっぱいいっぱい集めて、いい匂いのする素敵な人になりましょう。

出典:「歳月がくれるもの」田辺聖子

「笑う門には福来る」

人は人をよく知ることで、もっともっと笑えるようになる。
あったかい笑いが生まれる場所をつくっていくことが出来る。

そうやって自分の今いる場所や時間を
手間をかけてよく知り、深く味わい、楽しもうとすることが
人生に対する愛情だと思います。

出典:「歳月がくれるもの」田辺聖子

5. ここじゃない世界に行きたかった 塩谷 舞(著)

どんなエッセイか説明するのはすごく難しいけど、感受性が豊かで、しなやかな文章を書く著者が、人生の葛藤や、美しい瞬間や、心の機微を描いたエッセイ。
表紙から伝わるように、美しい写真も冒頭に掲載されていて、まずその写真から著者の美学に心を掴まれてしまいました。

大阪の平和な千里ニュータウンで生まれた著者は”ここじゃない世界に行きたい
”と京都の美大へ、東京のWebメディアの会社へ、そして旦那さんに帯同してNYへと移り住む。バリバリと働いて、多くの人に刺さることをねらったバズる文章で有名になっていた著者だが、心身に異常をきたし、生き方を変えていく。
同時にNYでは、美大出身の著者が美しいと感じるアンティークや古道具などを通して、現地の人と心が通い合う。とはいえ、NYでは圧倒的な地価・物価や生きづらさはいくつもあって、どこに行っても苦労はあることを思い知る。
そんななかでもこの本のラストはすごく希望的で好きだった。なんだかなぁと思う環境でも自分で美しい空間・体験をつくっている人と出会う。勇気付けられるようなエンディングでした。

6.わたしのマトカ 片桐はいり(著)

フィンランドのヘルシンキが舞台の映画「かもめ食堂」のロケにあたって、フィンランドを訪れた、女優の片桐はいりさんのエッセイ。
何も調べずに来たというはいりさんだけど、着いた後には現地の文化を体感する気満々で、かつ飾りない文章でそれを綴られていて、楽しい一冊だった!
「マトカ」はフィンランド語で「旅」のこと。表紙の森もかわいい!

7. 考え事したい旅 フィンランドとシナモンロール 益田ミリ(著)

イラストレーターであり、多くのエッセイも執筆されている益田ミリさんの、ゆるっとした一人旅のエッセイ。温かいコーヒーとシナモンロールを頬張りながら、街ゆく人を見て、考え事をして。顔ほど大きなシナモンロールもあるのだとか。この夏にフィンランドに行こうと決めたのも、この本に後押しされた気がします。シナモンロール食べるぞ〜!

8. 天然日和 石田ゆり子(著)

20年前。石田ゆり子さんが30代のころに書かれたエッセイ。愛猫や愛犬を飼い始められた際の苦労と愛おしさ、それに日常のささやかなあれこれが描かれていて、石田ゆり子さんをもっと知ることができる1冊でした!

9. 旅と小鳥と金木犀 天然日和2 石田ゆり子(著)

こちらも20年前、石田ゆり子さんが30代のころに書かれたエッセイ。しなやかで清々しくて、愛情あふれる人柄が素敵。女優さんという職業柄大変なこともあるだろうなと思いつつ、それに動物たちの世話に想像以上にご苦労もされているなぁと思いつつ、大事なもの・ひと・動物たちに囲まれて日々を味わわれている様子を読みながら想像できて、とてもいい読書体験でした!

10. 神さまたちの遊ぶ庭 宮下奈都(著)

小説「羊と鋼の森」で本屋大賞をとられて宮下奈都さんが、北海道の大自然
の地”トムラウシ”へと家族で移住され、生き物たちとの遭遇や、都会との違いや、家族との笑いの日常を描かれたエッセイ。
小中学生三人を連れて移住した先の小中学校は十五人しかいないくて、スーパーは30km以上先・・・でも四季折々の行事が盛りだくさんで、日々冒険のような日常なんだとか。ご家族での移住ということで、いろんな視点から北海道の大自然での暮らしを垣間見れて、楽しい一冊でした!

書き出すと、3時間半。そして3500字。長くなってしまいましたが、読みたい本
が見つかったという方などいれば嬉しいです。

また、おすすめのデジタルでの読書記録方法などもあればコメントいただけると
嬉しいです!映画であれば「Filmarks」のアプリで通算8年ほど?200本以上記録をつけているのですが、なんだか、読書の記録アプリはしっくりくる使い心地のものがなく、いい方法がありましたら是非お願いします。

ではまた。

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