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川端康成「神います」より

「自分が彼女を不幸にしたと信じていたのは誤りであることが分った。身の程を知らない考えであることが分った。人間は人間を不幸になぞ出来ないことが分った。彼女に許しを求めたりしたのも誤りであることが分った。傷つけたが故に高い立場にいる者が傷つけられたが故に低い立場にいる者に許しを求めるという心なぞは驕りだと分った。人間は人間を傷つけたりなぞ出来ないのだと分った。」

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彼と私が一緒になろうとすることで、お互いの配偶者なり子供なりが不幸になる、というのは、幻想に過ぎないのかもしれない、と思えた。

常識とかそういうものに毒された、幻想であり、思い込み、に過ぎないのではないか。

みんな、幸せに、なっちゃえばいい、だけの話で、ただそれだけの、はずだった。

だって、物事は、真実は、本当はとってもシンプルなはずだから。

そうして、私たち人間は、よくなるように、よくなる方向にしか向かわないはずなのだから、表層的にはどんな現象となったとしても、それは全て、幸せに向かうためのプロセスなのだ、と。

そう信じて、全てを受けとめて、どんな感情も味わい尽くせばいいのだ、と。

魂の成長、自分自身の神性を見出してゆくこと、それこそが、幸せに向かうためのプロセスであり、もしかしたら、幸せそのものなのかもしれない、とも思う。




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