双極性障害の受容と治療の自己選択

次受診する時は双極性障害と長期に渡る服薬を受け入れた時。
ほぼ一生服薬し続ける覚悟を持つには、それぞれの薬のメリットデメリットを知り、自分で選択することが必要だろう。
どの薬ならば副作用を受け入れられるか、もし妊娠出産をするならばどうするか、といったライフプランも視野にいれて薬の選択について考えている。

どの薬なら許せるか?
①できるかぎり数を減らしたい(量ではなく数)
たとえばバルプロ酸800㎎ならばデパケンR200㎎×4Tよりもセレニカ400mg×2Tのほうがいい。
②体重増加の副作用は避けたい

松崎朝樹先生の気分障害ハンドブックを読みながら、必要なところを抜粋していく。




双極性障害の治療薬



リチウム(リーマス)
急速交代型にはデパケンと同様の効果
神経保護作用による長期的な認知機能障害の予防効果
1日1回服用で腎障害リスク抑えられる

メリット
自殺予防効果
デメリット
ふるえ、腎障害、甲状腺機能低下、胎児への影響

※偏頭痛併発例ではリチウムへの反応が悪い+偏頭痛悪化リスク上昇
https://www.cocorone-clinic.com/sp/column/bipolar_disorder_medicine.html

バルプロ酸ナトリウム(デパケン)

急性期と維持期の有効血中濃度は60-90
血中濃度が高すぎると抑うつ症状悪化のリスク
低めの方が抗うつ作用がある。
気分循環性障害や双極II型では30-60でも十分効くともされる。
躁状態には60-70以上は必要。

メリット
混合エピソードに効果、脂質異常症リスク減少
デメリット
体重増加、多嚢胞性卵巣症候群のリスク上昇(アンドロゲン上昇)、胎児への影響(葉酸補充でリスク減少可能か)

ラモトリギン(ラミクタール)
200mgと400mgで予防効果に差はない→〜200mg
大うつ病エピソードの予防効果
急性期(うつ、躁、混合状態)、急速交代型への効果はない

デメリット
皮膚症状(徐々に増量でリスク抑えられる。自己免疫疾患はリスク上昇するためできるだけ避ける。)
双極I型の予防効果であって、II型では研究されていない。第一選択薬とはならない。

アリピプラゾール(エビリファイ)
予防効果はあるが単剤では使わない。
気分安定薬単剤で安定しない場合の併用。
双極性うつ病の急性期に有効な者もいる。

クエチアピン(セロクエル)
双極性うつ病への有効性は抑うつ優位の混合状態に対する効果で真の抗うつ作用ではない可能性がある。

双極性障害らしさ
大うつ病エピソードの特徴
短い(3か月未満)、反復する(6回以上)、非定型・精神病性(特に25歳未満で)

境界性パーソナリティー障害と診断するならば。
気分障害を否定するか、気分障害が存在するならば現在は気分エピソードの最中になく、正常気分(euthymia)であることを明らかにする。

急速交代型について

急速交代型では抗うつ剤の中止以外で、これだけで良くなる、という治療法はない。複数の気分安定薬で根気強く待つ。数年かかるがゆるやかに改善し、完全寛解に至ることもある。



どの薬を選択するか

気分安定薬単剤ではうつ状態への効果が弱かったので、気分安定薬の併用または気分安定薬+非定型抗精神病薬の服薬が必要だろう。デパケン700mg+エビリファイ15mgがある程度効果があったように思う。
・気分安定薬について
リーマスはデパケンとの併用で200-700mg服用したがいまいち分からなかった。有効血中濃度に達していなかった可能性もある。
妊娠出産を考えるならば、デパケン+リーマスはリスクが高い。デパケンは葉酸補充でリスク減少なので、デパケンかリーマスならばデパケン>リーマス。
デパケンだと体重増加が問題かな。浪人時代だったから体重増加したのか、デパケンの影響かわからないが結構太った。オランザピン数日でも服用しただけで食欲異常になるのでその影響もありうる。
デパケンだとPCOSへの影響、リーマスだと甲状腺機能低下、腎機能への影響が不安要素。


・非定型抗精神病薬について
非定型抗精神病薬では、エビリファイ、オランザピン、クエチアピンが服薬したことがある。
アリピプラゾールは効果あるのかよくわからない。副作用があまりないので使いやすいが。デパケン+エビリファイのとき、抑うつエピソード予防の効果は薄かった。躁状態のときの15mgを継続していたので、うつ状態に効果がある少量にするのもあり?
オランザピンは体重増加が顕著なので除外。2015年の躁エピソード時にデパケン単剤では抑えられずオランザピン15㎎追加された。起き上がれない倦怠感、すぐに意識が飛ぶほどの眠気で躁状態抑え込むには最強だが耐えられずアリピプラゾール15㎎に変更。
クエチアピンは強い不眠に効いた。ベンゾ系や非ベンゾ系で効かなくなったときには良い。希死念慮が強く行動に起こしそうなとき400-600mg処方された。オランザピン並みに抑制が強く働くので躁状態ならクエチアピン>オランザピン。
クエチアピンの徐放剤がビプレッソなのでビプレッソもよいのかもしれない。ビプレッソも抑うつ効果はある。

服用したことはないがラツーダは急性期(うつ状態)に効果がある。エビリファイもよいが抑うつ予防効果は薄かったので、ラツーダを試すのもありかな。

デパケン600mg(100mg錠の存在があまり好きではないので)or800mg(セレニカ2錠で済むのは強い。でも血中濃度高すぎるかな?)+エビリファイorラツーダ
なら服薬続けられるかな。
デパケンだと偏頭痛予防にもなってミグシスの代わりにもなるし。

これらを話せる病院だとよいがねえ。
前のところ先生は良いけど血中濃度測れないのが辛い。

なんにせよ受診はわりと前向きに検討はしてるので、今年か来年には行くでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?