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Étude op.10 no.3

君の話。
書き始めたら長くなってしまいました。

死ぬほどタイトルカッコつけてるけど
ショパンの『別れの曲』の正式名称です。
101回目のプロポーズでよく流れるやつ。

急に話がしたいだなんていうからびっくりしたよ。
「でも早く帰りたいから、一瞬ね?」
ついに、彼氏<帰りたい欲、ですか。
テストも近いししょうがないって自分に言い聞かせながら、もっと一緒にいたいって言葉は飲み込む。

君からの呼び出しのLINEを読んだ後からずっと胃が痛かった。緊張。
やっぱり振られるんだ。冷めちゃったんだ。
思い当たる節が多すぎる。
悲観的になりすぎて今日は友達への当たり強かったかも。
友達のみんなごめんね。

君といざ会ってみると、ニコニコしながら楽しそうにお話ししてくれた。でも会話がお互いぎこちない。無言の時間を作らないためだけの、意味のない会話。いつもは意味のない会話にも幸せが溢れてるはずだったのに、今日はただの言葉の羅列。6限の世界史を受けているような感じ。君も目を合わせずにずっと下を見ているから、つまずいてしまう始末。

でも君の声を聞くだけで安心する。幸せな気持ちになる。そんな君の隣を独り占めしたいんだ。

新しいマカロン屋さんができてた。
「ねえ!マカロンたべよ!」
食べることになるとテンションがあがる君のことが、どれを食べようか迷ってる君の横顔が、好き。
くだらない話をしながらマカロンを2人で食べた。
くだらない話の中で、君の1番の仲良しな男の子の話をたくさん楽しそうにしてくれた。
あの子はこんなことができるんだ。すごいねって  
あの子の話を自分のことかのように。
話すことなくなるとその子の話しちゃうんだね。
君の話が聞きたい。僕の話をしてほしい。
相槌を打っていたけど、うまく相槌を打てていた自信はないし、うまく笑えていた自信もない。
だって内心はもう気が気じゃないから。
これが最後のご飯になっちゃうんだろうな、って。

食べ終わって、君の帰りの時間が近づいてきた。
バス停まで行く途中、無言の時間が続いた。
君は何かいいたげな顔をして何度もこっちをみていたの、気づいてたよ。
でもここで優しさを披露して、どうしたの?なんて聞いたらどうせ振られるに違いないから、
この自分の幸せを守るための無視。
でもこの関係って僕だけが幸せで、君は幸せじゃないよね。ごめんね、ごめんね。

バス停に着いた。
君が、あのさ、、って言いかけたタイミングでバス。神様ありがとう。
君が何を言おうとしてたのかは表情から察するよ。
多分、世界中の人誰がみてもわかるくらい、君は悲しそうな、申し訳なさそうな顔をしてたんだから。

僕の考えすぎのただの被害妄想であってほしい。
でも君の言動から滲み出ちゃってるんだ。
気づいてないのかもしれないけど。

まだほんの小さな希望に託す。
こんな時って本当に藁にも縋りたくなるんだ。

ごめんね。





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