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不釣り愛

ここ最近は日々、焦燥感と罪悪感に苛まれながら過ごしている。受験というこれからの人生を左右するであろう大きな分岐点に立たされているからだろう。
どれだけ頭に詰め込んで、手を動かしてもわからない気がしているが、他の人は自分よりもきっと沢山努力しているんだろうなと思う。
やらなきゃ

今年に入ってからずっと綺麗だなって思っていた人と、最近仲良くなれたのが嬉しい。

廊下で見かけた時の後ろ姿が格好よくて、スタイルがよくて、自分とは一生 関わることのないような、凛とした佇まいで、気品があって、落ち着いていて、自分とは格が違う人生を歩んでいると思っていた彼女。

文化祭のタイミングで、今まで接点ゼロ、SNSも全く繋がってもいない、完全な他人だった彼女に話しかけた。
こういう時に急に発動される自分の行動力を褒めてあげたい。普段からもっと発揮できればいいのに。

連絡先を交換し、連絡を取るようになったが、彼女の返信は予想通りちょっとだけ冷たい。
でもなんとかお近づきになりたかったので、毎回の返信にダメージを受けながら連絡を取っていた。

かれこれあって、花火大会に一緒に行くというこの夏1番の約束をすることができ、有頂天になっていた中で、
体調を崩し、約束は白紙に。
そのおかげであまり他人に興味が無さそうで、冷たかった彼女の優しさを感じることができたので、これはこれで良かったのかなと自分に言い聞かせる。

直接会って短い会話を何度かするようになった。

声が大きくて、品のある話し方なんてできないから、彼女と話す時はいつも緊張。
彼女は優しい声で、綺麗な言葉を使って話す。
そんな彼女に合わせて話しているつもりだけど、きっと合っていないんだろうと思う。

長い時間会って話したとき、クールだった彼女のイメージが良い意味で崩壊した。

話始めると案外盛り上がって、このまま永遠に話し続けられそうな気がする。
一緒に笑ってくれるし、彼女自身の話もたくさんしてくれる。彼女の声が心地よくて、ずっと聞いていられる。
もっと驚いたのは、話題が変わる瞬間に時々訪れる、一瞬の無言が全く苦にならないということ。
普段女の子との会話で静寂があると、気まずすぎて耐えられなくなってしまうが全くそんなことがない。

一緒にいる時間が心地よくて、不思議と安心する。
時間があっという間に過ぎていく。
まだ暑い空気が揺蕩って今にも溶けてしまいそうな時間に会ったのに、次に携帯を確認して時間を見たのは、日も落ち始めて、駅の人たちが足早に家に向かっていくような時間。お腹が鳴って笑っちゃうくらい、お腹が空いてるような時間。

あっという間の時間の流れの中では途切れることなく幸せが続いていた。

そんな時間を過ごすことができる彼女に惚れてしまった。釣り合いなんて絶対に取れるはずがない彼女に。
恋愛になんて現を抜かしている場合ではないのに。

あなたの言葉、仕草、姿、全部にドキドキしてるんだ
あなたの一挙手一投足から目が離せない
私は今、あなたに恋をしている






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