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ジャン=ポール・ベルモンド(「気狂いピエロ」)

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色鉛筆画に挑戦しました。とんでもないものができてしまいました❗色鉛筆は難しい😱(鉛筆も難しいけど😅)ベルモンド、ごめん🙏

というわけで、これはゴダール監督の映画「気狂いピエロ」のラストシーンのスチール写真を、写真模写しました😓。

愛する女性(演じるはアンナ・カリーナ)に裏切られ、絶望した(あるいはやけのやんぱちになった)ベルモンド扮する主人公がその女性を拳銃で撃ち殺し、その後自分は顔中に青いペンキを塗りたくり、右手に黄色いダイナマイト、左手に赤いダイナマイトを持って、燦々と夏の陽光が降り注ぐ地中海に向かって「ああ~!!」と絶叫します。(色鉛筆画はそのシーンです😅)そして海を見渡す絶壁に座り込み、カメラに向かって(ということはつまり映画館の観客に向かって)「結局ぼくが言いたかったことは、なぜ・・・」とツィートし、おもむろに黄色と赤のダイナマイトを頭部に巻きつけ、マッチを擦り、導火線に火を着けます。導火線がバチバチと燃え出すと、急に死ぬのが怖くなった主人公はその火を手で叩いて消そうとしますが、「くそ、こんな死が!」と叫んだ瞬間、ダイナマイトは大爆発をおこし、海に突き出た絶壁の上で火炎とともに、もうもうと黒煙が上がります。そしてその光景を写し出したカメラはゆっくりと右の方へとパンしていき、スクリーンいっぱいに、雲ひとつない気だるく眩い夏の空と、その下に横たわる地中海だけが延々と写し出されます。長い長い沈黙・・・。やがてどこからともなく男女(自爆した主人公の男とその主人公に殺された女)の囁くような声が短く交互に聞こえ、ランボーの詩の一節が朗読されます・・・

みつかった?

なにが?

永遠が

海が

太陽にとけこむ

スクリーンは暗転し、エンドタイトル、ベートーヴェンのピアノソナタの断片が微かに流れ、映画は終わります。👏

映画は集団芸術です。勿論監督が全てのスタッフを掌握、指揮するのですが、個々のスタッフの才能あってこそだと思います。私はこの「気狂いピエロ」もそうですが、「勝手にしやがれ」以降、1960年代のゴダールの多くの作品や80年代の「パッション」「カルメンという名の女」などの撮影監督を務めたラウール・クタールも天才だと思います。正直申し上げてクタール以外の撮影監督が撮ったゴダール作品は“画(え)が弱い”です。これは映画鑑賞する上で、私にとっては大きなポイントです。この「気狂いピエロ」でも、クタールさんの画面はどこか気だるくアンニュイで煙ったような空気感でありながら、網膜に染み込むような鮮やかな色調を見せつけてくれます。特に60年代のゴダールは、画家ピカソなんかの絵画の、原色を大胆に取り入れた色調を自らの映画に持ち込んでいます。白を基調とし、赤、青、黄色の3原色の色彩を溢れんばかりに画面に氾濫させています。(車、服、コーヒーカップ、電灯の笠や顔に塗られたペンキと、そして、ダイナマイト等々・・・)その氾濫する色彩を見事に映像に定着させたのが、クタールの撮影技術だと思います。

私も今回、このクタールさんの色彩に迫ろうと一念発起し、色鉛筆を握ったわけですが、とんだ不始末をしでかしまして、クタールさんには、お詫びのしようもございません。天国のクタールさん、ごめんなさい🙏

追記

以前、デジタルリマスターされた「気狂いピエロ」をDVDで観たことがありましたが、色がはっきりくっきりしすぎで、ラウール・クタール独特のあの煙ったようなアンニュイ感が全く失われており、観るに耐えず途中で観るのをやめました。それならまだリマスターされる前のDVDを観る方が、昔の映画館でのフィルム映写に近い映像が楽しめます😉

それと、1980年代の「パッション」と「カルメンという名の女」については、これはもう画質の美しさという点から言えば、世界の全映画中、ナンバーワンだと思います。専門的なことは詳しくないですが、当時最先端の高画質、高精彩のカメラを使ったとかで、最初映画館で観た時はびっくりどっきり、わが目を疑いました。当然その後、DVDやブルーレイでも観ましたが、とてもとても映画館でのフィルム映写には足元にも及びません。

というわけで、やっぱり映画は映画館でのフィルム映写が良かったです。最近の映画はデジタル撮影らしいですし、フィルム撮影のような空気感や色彩の味わいがほとんど感じられません。それに往年の古い映画のリバイバル上映なんかもデジタル映写なんですかねぇ?画質が悪すぎます。😖

「気狂いピエロ」や「パッション」や「カルメンという名の女」をもう一度映画館のフィルム映写で観たいです。

「気狂いピエロ」のラストカット、シネマスコープいっぱいに写し出された地中海の空と海をもう一度、本物のフィルムで観たいです🎦

最後までお読み頂き、ありがとうございました✨

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