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恋愛主義 &1

たったそれだけだった。
認められたい。求められたい。

琴音の場合

「人間顔じゃないよ中身だよ中身」
そんなこと言うやつは大抵
隣に綺麗な人をつれている。

「じゃあこの顔で性格めちゃ良かったら
付き合える?」と言うと大抵
「いや限度があるからさ」と返してくる

人間生まれた時からもう顔面格差
は始まってる

私はちょうどいいブス。
周りに可愛いと言われることもないが
中途半端にモテる。
モテるというか男にはちょうどいい女なのだ。
わがままを言うこともなければ
本命になろうともしない。
ただ身体の関係だけ待ちニコニコ
と別れる。
本命彼女には一番厄介な女。

傷つくこともなければ期待することもない。
そんなことをしてたらいつのまにか
30代に突入しそうになっていた。

周りの友達は結婚し取り残された
私は男友達と週末に遊ぶ日々
タバコを一服してまた夜の街にでる

行きつけのBARで待ち合わせ
彼の仕事終わりに会う約束
彼の名前は怜(れい)
顔が整い女にモテる。

このBARのほとんどの客の女を
抱いたと言っていて「嘘でしょ」
とか思っていたが彼が来ると
女たちが名前を呼び隣に座らな
と声をかけている。
そして彼が「今日待ち合わせなんだ」
と私の隣に座ると女たちが
「そうなんだー」と落ち込み
私に視線をやる。
しかしまあこの女なら
大丈夫でしょと思われてるのか
嫉妬されることはほぼない。

楽ではある。

隣に怜が座ると優越感に浸れる。
怜も私といると楽らしい。

お互い都合のいい存在。
寂しがり屋の2人。

彼が寂しがりなことを知った時には
特定作ればと提案してみたこともあるが
「結婚する気ないしめんどい」と
言っていた。
「呼べば女くるもんね」と嫌味を
返しといた。

友達の紹介で知り合った私たちは
一夜限りの関係で終わりかと思ったが
結局飲み友達になり関係は始めの一度だけ。

ハグやキスはするがそれ以上はない。

今日もいつもどおり飲んで彼の家で
寝て帰る予定だった。

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