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読書日記「秘密の花園」

「秘密の花園」
出版社:岩波書店
発売日:2005/3/16
著者:フランシス・ホジソン・バーネット

先日ジブリ美術館へ行きました。

とても暑い日で、人も多かったのですがここの雰囲気はいいですね。
中はエアコンが効いていて寒いくらい涼しいのですが、この中庭は井戸の水が涼しくしているのか、過ごしやすい気温でした。
ベンチに座って本を読むと心地良いかもしれません。

ジブリ美術館の中には本屋さんがあります。
これまでジブリアニメになった関連作品や、宮崎さんのおすすめする本を売っています。
こちらで購入した本をやっとで読みました。

両親を失ったメアリはひとりぼっちになってしまい、イギリスの田舎に暮らす叔父の家へ引き取られます。わがままで偏屈者だったメアリは初めこそ全てを拒否し続けていましたが、
田舎はメアリの見たことのない様々なものがあり、次第に心を開いていきます。
メアリはお屋敷に入り口の鍵のかかった庭を見つけます。

なんといっても、次第にメアリが心を開いていくところが可愛いです。
一番最初、メアリにたいして「こんなに可愛げのない子供は見たことがない」という強烈な言葉から物語が始まります笑
そんなメアリが初めて心を開くのは人懐っこいコマドリ。
このコマドリに対して「好き」と言いながら駆けるシーンがあるんですけど、それまでずっと偏屈だった少女が素直になるのはいじらしいです。にやにやが止まりませんでした。

魅力的な登場人物ができてますが、
そのうちの一人はメイドのマーサの弟、ディコン。
ディコンは動物の言っていることが分かり、いつも動物たちに囲まれている少年。
心優しく、メアリはすぐに打ち解けるようになりました。
メアリはほとんど初対面のディコンに対して「あなたのこと好きよ」って言うんです。
おそらく恋愛的な意味合いではなく、純粋な気持ちから出てきた言葉なんでしょうけど、
我儘だった女の子がこういうんですよ。
すごい成長と変化だと思いません?
きっと田舎の自然や優しいディコンの素質がメアリの素直な気持ちを引き出したんでしょうね。

もう一人、従兄弟のコリンという少年が登場します。
メアリの従兄弟だな、と思えるくらい我儘で癇癪持ち。周囲の大人を振り回す少年です。
コリンは寝込みがちで、いずれ病気で死ぬと思っています。
その思い込みが原因で痩せ細り、まともに歩くこともできません。
そんなコリンとメアリが打ち解けるシーンは本当に可愛いのですが、コリンはメアリに執着しちゃうんですよね。
それが原因で喧嘩になることも。
こういっちゃあれなんですけど、このあたりの関係性推せます笑

そんなこんなで三人は“秘密の花園”の秘密を共有することになります。
子供達は無邪気で可愛らしく、そして成長が目まぐるしい。
ラストシーンは微笑ましく、読後感のいい終わり方でした。

「天空の城ラピュタ」の終わりのシーン、「ああ、行ってしまう。もう少し続いてほしい。もっと物語を楽しみたい…」ってなんだか物足りない気持ちになってしまいます。
そんな気分になるお話でした。
残念ながら続編はないんですね。

「わたし、庭をぬすんだの」
今、パラパラと本をめくっていてふと目に止まったセリフです。
なんとも可愛くて、目の引くセリフですね。
またお気に入りの本が増えました。

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