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データベースを取るときに気をつけてること。

今日は看護師さんのお話。

私は誰なのか。

看護師てだいぶおかしい距離感で話しかけることが多い。体拭きますね、なんて言って初対面の人を裸にするし、ちくっとしますねと言って人に針を刺す。ちょっと聞かせていただいて良いですかと言って今までの病気や婚姻歴、家族構成や身長体重、家の構造まで聞いてくる。「看護師です」の大前提がなければ犯罪だと常々思う。

入院してきた人にデータベースを取るときに私が注意していること。初対面だけど、めちゃくちゃ信頼に値する、安心して家族を任せられて、先生からも信頼されています、できる看護師、私です。的なスタンスでいくこと。

集中治療室にいれば入院は基本的に緊急入院だし、破裂したり穴開いたりの手術室直行パターンであったり、突然の苦しみから始まる急性増悪からの気管内挿管、人工呼吸器装着、補助循環やら体外濾過装置等々の機械てんこ盛りパターンであったりする。その患者さんを目の前にした家族を安心させて平静に戻し、一気に信頼を勝ち取るには看護師さんの声かけと態度がすごく大事。

内容。答え方。速度。

項目を埋める。なんて簡単なことだと思われるかもしれない。記述されている内容をひたすら聞いていく。「見本通りに書いてください」なんて言って置き去りにすることもある。初めての書類を長々と記載するなんて容易にできることではないし、それに動揺やら他家族への連絡なんかが加わればもはや難易度は急上昇する。

書いてくれたら楽だけど基本は書けない。書いてくれないと仕事めちゃくちゃ増えるけど致し方ない。そのスタンスで聞いていく。内容はもちろん。質問に対し、理解できているか、適切に返答できるか、どれくらい患者のことを知っている間柄なのか、その内容は憶測や他家族のものと混ざっていないか、他のことを話してしまうのはなぜなのか。患者のことを理解するとともに家族を理解する。

質問するときは、文字を書きながら言葉で補足した方が良いのか、視線はどこにあるのか、落ち着かない様子はないか、気になっていることがあるなら先に解説した方が良いのか。自由に話をさせる方が良いのか、一問一答型式の方が良いのか。

的を得るのに矢が外れても、それは的のせいじゃない。矢を打った射手の責任だ。コミュニケーションも同様で、相手がこちらの意図した答えができない場合、こちらの質問の仕方を変えなければならない。

初対面ですが味方です。

初対面の人には警戒する、なれない病院にきて、怖さも不安もある。そんなときに一番最初に優しい言葉掛けをする。それだけで、病院の印象からして変えられたりする。

「急なことでびっくりしましたよね」「運ばれてきたときはずごく痛そうだったけど、痛み止め使って落ち着いてますよ」「長い時間待つのお辛いですよね、お食事はされましたか」

看護師で、医療従事者です。でも私はあなたの大切な家族を心配しています。あなたの精神的な負担も、体調も心配しています。そんな一言を添える。もちろん良い笑顔で。

これが最初の大事な一歩。

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