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アストラル・ダイブ①

一年ほど前までは悪夢をよく見ていて、そこで突然明晰夢が始まることがあった。

その物語の先には恐怖が待っているのが、なんとなく分かった。

幾度となくそのような夢を見てきた。そして明晰夢になっても、なかなか目を覚ますことができずに、刺されたり、追いかけられたり、撃たれたりしていた。その頃はまだ夢の中のコントロール力がなかったのだろう。

半年ほど前になるだろうか。突然意識が転送されると、わたしは人の列に並んでいた。意識のないような、ただ並んでいる人々の中だ。

意識覚醒率は80%ほど。若干視界はゴーグルをかけたような感じだが、当時の夢の中では最も視界が開けていて、360度の広がりを感じた。

自分の外側に世界が存在している、というこの現実世界と同じリアル感だ。

そこは氷に囲まれたような場所で、列の先には氷を操る大きな魔女のようなモンスターがいた。その魔女が氷漬けにしていたのは人間で、3人くらいが氷の中に閉じ込められているのが見えた。

その、列にわたしが並んでいるのだ。相手は気づいていない。

うわー、これ嫌なやつだ。逃げなきゃ、面倒くさいことになる。しかも生身に近いこの意識状態でそうなった時のダメージはデカすぎる。

咄嗟にそう思って、なんとか目を覚まそうと、目を動かしたり、頭を働かせようと必死になった。

で、夢から覚めた。このような悪夢から無理矢理起きた後は、視界がぐわーっとしていてすごい睡魔になる。すぐに目を閉じると、同じ夢へ引き戻されることが多い。なので、完全に頭が冴えるまで意識を整える。

しかしその日は一日中ズタボロだった。体が物凄くだるいのだ。意識だけこちらに起きてしまって、夢の中の本体はあの後氷漬けにされたんじゃないだろうか?

その時、夢の次元とこちらの現実世界は密接に繋がっているのではないかと感じた。

あの時わたしがそのモンスターを倒せるくらいの勇気があったら?そこにいた人たちを救えたかもしれない。夢の中なんだから特大の魔法でも使えたんじゃないだろうか?

そこで解放された人々は、現実世界でも解放されたんじゃないだろうかって思った。逃げ帰るんじゃなくて、やれることがもっと他にあったんじゃないだろうかって。

今回は途中で目が覚めたからいいけど、覚えていない夢の中で同じようなことが行われているんじゃないかと思った。


また別の日に見た明晰夢でもわたしは列に並んでいた。しかも室内で飛べない。石造りで牢獄のような場所だ。なぜか知人がその列を管理していた。意識覚醒率は50%ほどで、記憶が曖昧な感じだ。そしてわたしは夢から目覚めようとしていたが起きれないでいた。

その先にはおぞましいことが行われていた。虫とかだったと思う。あと◯◯◯を食べさせられた。書くのも酷い内容なので割愛…。(意識覚醒率は低めなのでそこまで精神的ダメージはない)

わかっていて彼らはそこに並んでいるのだ。

逃げられそうにもなくて列に並んで機をうかがっていると、突然天井から巨大な何かが落ちてきた。その夢は大パニックで崩壊して、わたしは夢から醒めた。

アストラル次元で何か起きているのか?

そんな明晰夢で何をしたらいいのか、答えが知りたかった。逃げる?戦う?変化を起こす?説明があってもいいのにさ、誰も説明してくれない。

ネットで探していると、アストラルモンスターという存在を知った。

夢の中に巣食う魂のない怪物たちがいるという。

その次元にいるのはパラレルの自分か?別宇宙の出来事なのだろうか?

もしくはわたしの精神に創造した内在した宇宙なのだろうか?

わたしが創造したモンスターと対峙して、精神力を鍛えているとでも言うのだろうか?

ただ、この現実世界に蔓延る不都合を解く鍵が、そこにあるような気がして。わたしは今日も夢にダイブする。

投げ銭大歓迎! 喜びは巡り巡って、あなたに何倍にもなって返ってくることでしょう。